《鶏冠山・竜王山》  Motaのホームページ
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金勝アルプス  鶏冠山・竜王山


湖南アルプスマップ鶏冠山(けいかんざん・とさかやま):491m
  竜王山(りゅうおうざん):605m

◆所在地:滋賀県栗東市・大津市
◆山行日:2014年11月21日(金)
◆メンバー:仁べえさん、よっちゃんさん & Mota

〔登山コース〕
上桐生登山口駐車場―(25分)→北谷・落ヶ滝分岐―(5分)→落ヶ滝入口 ―(5分)→落ヶ滝(休憩5分)―(35分)→北峰縦走線出合(休憩10分)―(20分)→ 鶏冠山(休憩10分)―(15分)→北峰縦走線出合―(55分)→天狗岩(休憩25分)―(15分)→ 耳岩(休憩5分)―(10分)→白石峰―(5分)→茶沸観音―(15分)→竜王山(休憩5分) ―(15分)→白石峰(休憩30分)―(10分)→重ね岩―(20分)→狛坂摩崖仏(休憩5分) ―(15分)→桐生辻分岐―(20分)→耳岩への分岐―(20分)→さかさ観音 ―(10分)→オランダ堰堤(休憩5分)―(5分)→上桐生登山口駐車場
〔所要時間〕
7時間00分(歩行時間=5時間20分、休憩=1時間40分)


以前、鶏冠山と竜王山は仁べえさんとよっちゃんさんの3人で一緒に行こうと企画しました。
しかし、都合で行けなくなり半年以上延期になっていましたが低山でも登りやすい季節になったので 好天の日を選んで行くことに決めたのです。
鶏冠山・竜王山は滋賀県の栗東市と大津市の境にあり、金勝(こんぜ)アルプスと 呼ばれる人気の山だと聞いていました。 標高は低いけれど南北に連なる稜線に巨岩、奇岩が織りなす景観がハイカーを呼び寄せるのでしょう。
御在所SAでよっちゃんさんと落ち合い、草津田上ICで降りて15分ほど上桐生バス停奥の 広い駐車場まで行きます。4月~11月末までは有料で1日500円だそうですが平日はくる人も少なく 無料のようです。

上桐生登山口駐車場

広い駐車場で正式には、『近江湖南アルプス自然休養林駐車場』 というようです。
平日・金曜日なので先客の車は1台だけでした。

〔上桐生登山口駐車場 発=7:25〕
いくつも沢を越えて行く

金勝(こんぜ)アルプスにはいくつもの登山コースがあるようですが、 われわれはガイドブックにあったコースを選びました。
時計まわりに行くのですがはじめのうちは沢をいくつも越えて行きます。
人気の山だけあって指導標がしっかり設置されているので迷うことはありません。

北谷林道・落ヶ滝コース分岐

鶏冠山・竜王山ははシダがたくさん茂っている山でした。
出発して25分ほど行くと、《北谷林道・落ヶ滝分岐》 に出ました。 左への北谷林道コースは直接鶏冠山に登るコースです。 われわれは落ヶ滝を見たいので右へのコースをとりました。

〔北谷林道・落ヶ滝分岐=7:50〕
落ヶ滝

《北谷林道・落ヶ滝分岐》 から5分ほどのところに 《落ヶ滝へ5分》 という指導標が あり、その落ヶ滝へやってきました。
落差は20mくらいですが水量は少ないようで花崗岩の岩肌を水が滑り落ちているような感じでした。
一般の滝と違うところは緑色をしていることで、岩の表面が苔むしているのかもしれません。

〔落ヶ滝 着=8:00〕
〔落ヶ滝 発=8:05〕
濡れた一枚岩

滝から登山道に戻り北峰縦走線の稜線をめざして登って行きます。
この登山道は沢沿いのところが多く、足元を濡らしてしまうほどではないものの水が流れていたり するところもあります。
ここは大きな一枚岩のところですが濡れていてちょっと滑りそうな感じでした。

大岩を登る

巨岩の多い山です。
ロープが設置されたこんな大岩を登っていかなければなりません。
変化があってなかなか面白いコースです。

北峰縦走線出合

沢のような道がら離れてさらに登って振り返ると大津の街や琵琶湖が見えてきます。
落ヶ滝から30分あまり、北峰縦走線の稜線まで登ってきました。 ここで小休憩をとります。

〔北峰縦走線出合 着=8:40〕
〔北峰縦走線出合 発=8:50〕
三上山方面の眺望

休憩後北に向けて稜線を登り鶏冠山をめざします。
この登りがこの日一番急な坂道だったようです。 登山道の両側に樹木が茂っているのであまり眺望は開けません。 この写真は少し樹間があいているところから近江富士ともいわれる 三角形の三上山(432m)が目についたので撮ったものです。

鶏冠山山頂(491m)

北峰縦走線出合から20分で鶏冠山まで登ってきました。
先客のご夫婦もいっていましたが、残念ながら鶏冠山の山頂は樹木に囲まれていて眺望が ありません。
記念の写真だけ撮って天狗岩などの景観が待つ縦走路を南へ向かうことにします。

〔鶏冠山山頂 着=9:10〕
〔鶏冠山山頂 発=9:20〕
鶏冠山を振り返る

北峰縦走線出合まで下り、さらに南へ稜線を南下します。
ヤセ尾根ですが怖いところはありませんしアップダウンも少ないので気持ちよく歩けます。
振り返ると先ほど登ってきた鶏冠山が見えました。

比叡山と琵琶湖

途中までは地道でしたが登山道にも次第に岩が出てきました。
岩の縦走路に変わると左右の眺望が開けます。
西には大津の街、そして比叡山がそびえ、穏やかな琵琶湖も見えます。

前方に天狗岩

岩の横をすり抜けたりしながら行くと前方に積み木のように岩を重ねた岩山が現れました。 これが天狗岩です。
ただ、この岩山に直線的に登って行くことはできません。いったん東側に下りそこから 天狗岩の下部を時計回りに巻くようにして登り返すのです。

特徴的な天狗岩の先端岩

南側に回り込んだ下部から見上げると特徴的な巨岩が天を突いていました。
この岩には登れません。

〔天狗岩 着=10:30〕
天狗岩背後の大岩の上でバンザイ

とがった岩には登れませんが、左側を巻いて狭い岩の隙間を通って行くと 背後にある大岩へ上がることができるのです。
風もなく日本晴れ。岩の上からの眺望は言葉でいい尽くせません。 よっちゃんさんと2人で 『やったー!』 とバンザイをしたところを仁べえさんに撮ってもらいました。

〔天狗岩 発=10:55〕
振り返って見る天狗岩

ついつい長居してしまいましたが、若者2人がやってきたのを機に天狗岩をあとにしました。
南の稜線上から振り返ると先ほどの若者が天狗岩に登っていました。
『写真撮るからバンザイしてー!』という呼びかけに彼らが応えてくれました。
『ありがとう!』といったら、『写真送ってー!』だって。
メアド知らないのにどうやって送るんだよ・・・。

 左奥に写っている山は比叡山です。なだらかな2こぶの右側が大比叡で左が四明岳だと思われます。

とんがり帽子の岩

北峰縦走線を歩いて行くと奇妙な形をした岩にたくさん出会います。
目についたとんがり帽子を写真に撮ってしまいました。
岩のすぐ左に京都方面へ向かう高速道路が見えていました。

耳岩分岐

天狗岩から15分ほどで耳岩分岐につきました。
われわれは南へ行きますが、西側へショートカットして下ることもできます。
実は、これが耳岩だったということは後で調べてわかったのです。 案内標識が完備している金勝アルプスですが、《展望台》 と書かれた標識の印象が強く  《耳岩》 という案内表示を見落としていたのです。

〔耳岩 着=11:10〕
〔耳岩 着=11:15〕
狭い岩の間の道

アップダウンはそれほどないので歩きやすい道ですがせまい岩の間を縫うように進みます。
紹介していたらきりがないほどおもしろい岩が次々現れます。

白石峰

竜王山への分岐点である白石峰に着きました。われわれに先行して歩いているご夫婦に再会しました。
左への道をとり、白石峰をピストンしてここまで戻ってくることになります。

〔白石峰=11:25〕
茶沸観音

白石峰から100mほどのところに 『茶沸観音』 というのがありました。
鎌倉時代につくられた蓮華座上に立つ如来立像で、ここで参詣者に茶のもてなしが行われていた ことが由来だそうです。

〔茶沸観音=11:30〕
金勝寺(こんしょうじ)八大龍王本殿

竜王山の山頂すぐ下に 『金勝寺八大龍王本殿』 というのがありました。
ここから15分くらい下ったところに金勝寺があるそうで、その本殿がここに祀られている ということでしょう。

竜王山山頂(605m)

金勝寺(こんしょうじ)八大龍王本殿のすぐ上の小高いところが竜王山の山頂でした。
樹木に囲まれた山頂で北側が少しだけ開けていて、三上山や競走馬の調教を行う  『栗東トレーニングセンター』 が見おろせました。

〔竜王山山頂 着=11:45〕
竜王山登頂記念

この山頂でまた先行するご夫婦が昼食をされているところに出会いました。
お願いして登頂記念の写真を撮ってもらいました。 もちろんお返しにご夫婦の写真も撮ってあげました。
昼食は白石峰でとることにして山頂をあとにします。

〔竜王山山頂 発=11:50〕
白石峰

白石峰まで戻り、陽だまりのベンチで昼食にしました。
今日もおにぎりとスープ、そして食後のコーヒーと、よっちゃんさんにいただいた最中です。
のんびりと食事をしていると山ガール3人組がやってきたので席を譲ります。
彼女たちは本格的に山ご飯づくりを始めました。
仁べえさんはうらやましそうに見ていましたが下山にかかることにします。

〔白石峰 着=12:05〕
〔白石峰 着=12:35〕
重ね岩

竜王山から白石峰を通って下るコースにもいろいろ見所があります。
尾根道を下ってくると 『重ね岩』 というのがありました。
この岩にも石仏が彫られています。

〔重ね岩=12:45〕
鶏冠山・天狗岩・耳岩、そして三上山

重ね岩から少し下ったところに展望所がありました。
ここに立つと今日歩いてきた北峰縦走稜線が見えます。
左が鶏冠山、中央の岩山が天狗岩、右が耳岩だと思います。 そして中央やや右奥に近江富士の三上山が望めました。

〔展望所=12:50〕
狛坂磨崖仏

次に現れたのが 『狛坂磨崖仏』 でした。
写真では小さく見えますが、高さ約6m、幅約4.5mの巨岩に、両脇に観音菩薩、 勢至菩薩を従えた高さ約3mの阿弥陀如来坐像が浮き彫りされているのです。
奈良時代後期に朝鮮から渡来した工人の手によるものとされているそうです。
そして、磨崖仏の周辺にはたくさんの石仏が点在していました。

〔狛坂磨崖仏 着=13:05〕
〔狛坂磨崖仏 着=13:10〕
桐生辻分岐

桐生辻分岐まで下ってきました。
上桐生の駐車場へはこの分岐を右にとります。

〔桐生辻分岐=13:25〕
さかさ観音

『さかさ観音』 は東屋のある山の斜面下部にありました。確かに逆さまになっています。
説明書きによると、鎌倉初期の作で金勝寺(こんしょうじ)への道しるべだったそうです。

もとは山上にあったのですが、明治中期、オランダ堰堤築造時に石材が足りなくなって石像の大岩の 一部もそれに使われたのだそうです。
そのため後にバランスを失い山上からずり落ちて逆さまになった といいます。
なお、『観音』 ですが、実際は 『阿弥陀三尊石仏』 で、中央が阿弥陀如来、左右の侍仏が 観音・勢至菩薩だそうです。


〔さかさ観音=14:05〕
オランダ堰堤

オランダ堰堤は、もう駐車場に近くまで下ってきたところにありました。
オランダ人の土木技術者・ヨハネス・デ・レーケの指導を受けて1889年 (明治22年)につくられたもので、切石を階段状に20段積んであるそうです。

〔オランダ堰堤 着=14:15〕
〔オランダ堰堤 発=14:20〕
上桐生登山口駐車場へ戻る

歩行距離約10.7km、2万2000歩くらいでした。
景観を楽しみ写真ばかり撮っていたのでちょうど7時間もかかって周回してきたことに なります。

〔上桐生登山口駐車場 着=14:25〕

いいお天気の日を選んだかいがあって巨岩・奇岩が連なる金勝(こんぜ)アルプスを 思う存分楽しんで歩いてくることができました。
滝あり、岩登りあり、鼻歌交じりに歩ける稜線あり、自然がつくり出したさまざまな岩の間を 縫うよう歩く道ありで、ついついシャッターを切る回数が増えてしまいました。
単にそうした景観だけでなく、古い時代の仏教文化をしのばせる摩崖仏や観音像もあるという 変化に富んだ山歩きができたのです。
われわれがこの日歩いてきたのはガイドブック 『新・分県登山ガイド 滋賀県の山』 にある 周回コースでした。摩崖仏などを見たかったためこのコースを選択しました。 しかし、ほかにもいくつものコースがあるようです。 例えば耳岩から岩の道を下ってくるコースなどもより変化があって楽しいかもしれません。
気の置けない山友さんたちと一緒だったこともあり、低山ながら面白い山歩きを堪能できた一日でした。



       

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