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Orange life
ケアンズ“森と海、2つの世界遺産”
2007.10.15〜10.18
《ケアンズ、キュランダの熱帯雨林》
思い立ってオーストラリアのケアンズを訪ねました。
ケアンズはオーストラリアのなかで日本から最も近いところにある町です。グレートバリアリーフと熱帯雨林の2つの
世界遺産があります。名古屋からは約7時間、時差もほとんどないので比較的気軽に行けるオーストラリア
といえるでしょう。
今回はごく短い4日間の観光旅行でした。
中部空港の旅行会社受付で、今日は修学旅行の高校生260名ほどがいっしょなので搭乗に時間がかかるかもしれないと
きいていました。それはさしたる問題ではなかったのですが、結果的に1時間半も出発が遅れてしまったのです。
その修学旅行は静岡県の三島北高校の生徒さんたちでした。
お詫びに回ってきた修学旅行の添乗員さんの話では、余裕を見て5時間前に学校を出発したのですが、東名高速で
トラックの事故に遭遇して空港到着が予定より大幅に遅くなてしまったのだそうです。
1時間半遅れたといってもケアンズ空港到着は早朝の5時半です。われわれのスケジュールには何らさしつかえはありませんでした。
現地旅行会社の日本人ガイドさんが迎えてくれます。このガイドさんは飛行機が遅れることを聞いていて、それに合わせて
きてくれたそうです。ただ、迎えのドライバーさんは遅れることを知らずに定刻の朝4時に来てしまい、空港で長時間
待ちぼうけだったそうでお気の毒でした。
ホテルでの朝食のあと、出発までに時間があったので、海岸沿いにある公園を散策しました。
オーストラリアはどこへ行ってもきれいです。海岸遊歩道の公園には、ゴミ箱の横に犬のふんの後始末をするためのポリ袋が
備えてありました。街をきれいにしようという姿勢だと感じました。
この日は熱帯雨林キュランダの観光です。私たちのほか2組の新婚さんと一緒の観光でした。
近ごろの新婚さんは恋愛からの延長でおしゃべりに忙しい人たちが多いと思うのですが、この2組の新婚さんは
拍子抜けするくらいおとなしいカップルでした。
キュランダへは麓のカラボニカ駅からスカイレールというゴンドラに乗って行きます。
ゴンドラからは1億2千万年前にオーストラリア大陸全体を覆っていたという熱帯雨林を上空から見下ろすことができます。
この見わたす限り広がる熱帯の森は炭酸ガスを吸収し地球温暖化の防止に役立っていることでしょう。
スカイレールは熱帯雨林をできるだけ破壊しないようにという配慮から、すべてヘリコプターによって建設資材を
運んで鉄塔を設置したのだそうです。こうした原生林は大切に保護していかなければなりません。
しかし、熱帯雨林は外から見ただけでは日本の山や森とそれほどの違いは感じられませんでした。
熱帯雨林は森の中に入らないとその特徴がわかりにくいようです。そのため、スカイレールの途中駅でおりると木道が設置されて
いて熱帯の森のようすを観察することができます。
また、このあと「レインフォレステーション」というところで、アーミーダックという水陸両用車で森に入り
熱帯雨林を体感させてもらいました。
湿潤の森の中にはヤシやシダ類の樹木が密集して枝葉を伸ばし、バスケットファーンなどの着生植物がいっぱい生い茂っています。
特にほとんどの樹木に着生植物がくっついているのが湿潤の森の特徴なのでしょう。
こうしたジャングルの中に迷い込むと出てこられないような気もします。爬虫類も棲んでいて怖そうです。
キュランダ村はスカイレールの終点から400mほど坂を登ったところにあります。キュランダ村というのは
原住民族アボリジニの言葉で「静かなる森のある村」という意味だそうです。
深い森に囲まれていて、今はお土産もの屋さんやレストラン、鳥園、夜行性動物園、蝶園ななどが集まった観光の村です。
村の散策をしましたが、これはすばらしいというほどのところはありませんでした。
村の中心から少し離れたところに「レインフォレステーション」というのがあります。
ここにはワニやコアラなどがいる動物園のほか、熱帯雨林をアーミーダックで探検するという
アトラクションがあります。
アーミーダックは6輪駆動、スクリューと舵を備えた水陸両用車で、オフロードでは1リッター300mしか走れないといいます。
熱帯雨林の森と池をめぐり、運転手がジョークをいいながら熱帯の植物や動物について説明をしてくれます。
幸運を呼ぶという鮮明なブルーの蝶々「ユリシーズバタフライ」が池の上を飛ぶのが見ることができたのはラッキーでした。
キュランダからケアンズまではクラッシックなキュランダ高原鉄道でもどります。
この鉄道は100年の歴史がある鉄道です。
19世紀末ころ雨季の時期に例年以上の雨が降り続いて洪水が起きて、ハーバートンという町へ物資とどかなくなったそうです。
住民やそこで働いてた鉱夫達が飢餓寸前の事態になりました。そこで季節にかかわりなく利用できる交通手段の必要性が叫ばれ、
現在のキュランダ高原列車が作られることになったということです。
列車はバロン渓谷にそって下ります。途中、バロン滝やストーニークリーク滝、下界の風景を見ながらゆっくりと走ります。
バロン滝を眺めるバロンフォールズ駅では10分ほど停車してくれました。今は乾季のため流れ落ちる水が少なくてやや物足りない
感じですが、たぶん雨季には豪快な滝の姿を見せてくれるのではないでしょうか。
今日の観光は世界遺産である熱帯雨林が中心でした。実際にその中に身を置くことでその森の一端を知ることが
できたと思います
ただ、キュランダ村や高原列車などは家族連れにはいいと思いますが、われわれ熟年者にはいま一つかなというのが感想です。
前夜の飛行機ではよく眠れませんでしたのでそれなりにお疲れです。
今日は早めに休むことにしました。
《グリーン島とポントゥーン》
この日はグリーン島とその先にある人工の浮島「ポントゥーン」へ行きます。
“グレート・アドベンチャー”ツアーの手続きをして船に乗り込みます。デッキからはマリーナに近接する
私たちが泊っている『シャングリラホテル・ザ・マリーナ・ケアンズ』が見えました。
このホテルは質もまあまあでしたが、マリーナに張り出す形のオープンカフェでとる朝食は明るくさわやかで
よかったと思います。ただ、大きさはヒヨドリくらいの白・黒・青色の混じった小鳥が人の食べ物をねらって
いますので用心しないといけません。
船で約45分、グリーン島はケアンズの北東に位置するサンゴ礁の中の島です。
一言でいえば水のきれいな島。あくまでも青い、といっても微妙に青色から緑色に色が変わって見える海に
浮かんだ島です。サンゴの欠片がつもりつもってできたといいます。
いっしょの船に乗ってきた修学旅行生たちは、さっそく海に入るなどビーチで歓声をあげていました。
私たちは熱帯雨林のなかを気ままに散策を楽しんだり、海や船を眺めながらさわやかな風が吹きわたる海辺で
のんびりした時間をすごします。鳥が一羽何という名前の鳥か知りませんが、サンゴの岩のうえに長い時間
じっとたたずんでいました。何か哲学者の鳥のようで印象的でした。
グリーン島で遊んだのち海に浮かぶ浮島“ポントゥーン”にわたります。
来た時と同じ船に乗って約1時間、かなり沖合のサンゴ礁にあるポントゥーンまで向かいました。船は白波を蹴立てて走り
さわやかな海風がアッパーデッキを吹き抜けます。
海はその海自体をカンバスにして、うす青色、緑色、そして紺色にちかい濃い青までさまざまな色に塗り分けた絵のように
感じました。
こうした色の違いは、サンゴ礁があるところ、浅い海、深い海が混在することによって描き出されるのだと思います。
ポントゥーンは20m×50mほどの大きさの浮島・浮きいかだといったものです。もちろん無人ですので、
船でいっしょに行くスタッフの仕事はたいへんです。
スタッフは全部で20名くらい。ポントーンに着くとランチの用意をする人、半潜水艦でサンゴ礁めぐりに案内する人、
スノーケリングやダイビングの指導をする人など、それぞれ分担して仕事をするわけです。
それでもスタッフの皆さんは生き生きとして自分のタスクをこなしています。海の仕事が好きなのでしょうね。
ポントゥーンにやってきた人たちは好きなことをして過ごします。サンゴ礁に囲まれた広い海の上の
浮島ですから、多くの人たちはスノーケリングなど海に入って楽しみます。私たちはただのんびりするためにこの
ポントゥーンまできましたのでデッキやアッパーデッキでひたすら海をながめて過ごしました。何も考えず
ひたすらぼーっとしている旅というのは初めてです。たまには何もしないこうした旅があってもいいと思いました。
グリーン島で見た哲学者の鳥のようです。
余談ですが一つ面白かったのは、5歳くらいの男の子が『金五拾圓也』という文字デザインが入ったTシャツを着ていたのです。
「この子50円だ」と笑ってしまいました。
しかし、われわれ日本人もTシャツをはじめ横文字の文字デザインが入った服を、書かれた単語や文の意味を知らずに
よく着ているのではないでしょうか。中にはおかしなものもあって、外国人が見て陰で笑っているかもしれません。
《アボリジニ・ナイトショー》
夜は先住民族アボリジニ・ジャプカイ族という種族のナイトショーです。
観光客も参加させて屋外で行う“火おこし”の儀式。ビュッフェディナーの舞台で行われる“ジャプカイ・ダンスショー”
を見せるというものでした。
アボリジニの民芸品であるお土産物もたくさん展示販売されています。広いオーストラリアなので各地に原住民族が
いたわけです。以前ほかのアボリジニ民芸品を記念に買ったことがあり、気に入って家に飾ってあります。
しかし、どうもここの民芸品はあくが強い感じで私の感覚にはなじまないもののようでした。
ショーではお客さんを楽しませようとしてくれているようです。観光客参加型にしたり、出し物や演出にもいろいろと
工夫をしていると思います。しかし、こうしたショーも各地で見てきたせいか、それほど感動を覚えるものでは
ありませんでした。
ただ、屋外でのショーの時に見上げた夜の空には満天の星が輝き、半月が青白く煌々と照らしていたのが印象に残りました。
わが家からはついぞ見たことのない夜空だったと思います。
ケアンズは観光が中心の町です。ホテル、お土産物屋さん、飲食店など観光客相手の街だなというところです。
また、ガイドさんがオプショナルツアーを熱心に説明して売り込んだり、化粧品や健康食品の販売もします。観光客に
あれこれ楽しんでもらいたいという気持ちとともに、観光を生業として生きていくために一生懸命だなという
感じを受けました。
総括していうと、サンゴ礁の美しい海を中心にアクティブに楽しむのが一番いい観光地というのがケアンズです。
したがって、やはり若い人たちが遊びに行くのが最もいいのではないでしょうか。
実際、ほかの観光地に比較して若い人たちであふれているようでした。
今回の旅行行程
〔1日目〕セントレア→ケアンズ〔機中泊〕
〔2日目〕ケアンズ→キュランダ→ケアンズ〔泊〕
〔3日目〕ケアンズ→クリーン島・ポントゥーン→ジャプカイナイトショー→ケアンズ〔泊〕
〔4日目〕ケアンズ→セントレア
Orange life
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