3日目(7月6日)はマッターホルンのハイキングです。といってもマッターホルンに登るのではなく、
マッターホルンを眺めながらのハイキングということです。
まず、登山電車でゴルナグラート展望台(3130m)へ上ります。
前日マッターホルンがくっきりとした姿を見せていたので期待していました。しかしこの日はマッターホルンをはじめ、山々の上の方が
雲に隠れていてやや残念といった感じでした。それでもスイスの最高峰モンテローザ(Monte-Rosa 4634m)と
リスカム(Liskamm 4527m)の間にあるグレンツ氷河の豪快な流れに目を奪われました。
ほかにもゴルナー氷河、ツヴィリンゲ氷河など立派な氷河をいくつも見ることができます。ここだけ見ていれば、その氷河の末端が
温暖化の影響で年々後退していることがわからないほどです。
マッターホルンのハイキングはゴルナーグラートより一つ下の駅ローデンボーデンからスタートします。
30代後半でしょうか、スイスにきて9年になるという山岳ガイドの田村さんに案内してもらういました。
田村さんはマッターホルンにも何回も登っているいかにも山男といった頼もしい感じの人です。
ロッククライミングの仕方やマッターホルンへの登り方の話、高山植物や花の名前を教えてもらったりしながら
ゆっくりハイキングを進めます。小さな池みたいなものですが、途中のリッフェル湖(Riffel-see)やウンターリッフェル湖
ではようやく晴れてきたマッターホルンが湖面に“逆さマッターホルン”の姿を映していました。
このハイキングの終点であるリッフェルベルク近くでおにぎり弁当の昼食後、登山電車でツェルマットまでもどりました。
午後はフリータイムでしたが、一行のうち16名でクラインマッターホルン(Klein-Matterhorn=小さなマッターホルン)
の展望台まで行くことに決めていました。みんなでロープウェイ代として5フランずつ出し、添乗員の姿さんにも一緒に行ってもらう
ことにしました。
ロープウェイからは今朝見られなかったモンテローザやリスカムの姿も遠望できました。
途中、フーリ、トロッケナーシュテークの2つの駅でロープウェイを乗り継ぎ1時間ほどで到着。
このクラインマッターホルンの展望台は標高3883mで、ヨーロッパで一番高いところにある展望台だそうです。
晴れていればモンブランまで見えると聞いていましたが、あいにく雲がかかっていてだめでした。
帰りはロープウェイの途中駅・フーリでみなさんと別れ、一人でツェルマットまで約1時間のハイキングしながら戻ることにしました。
この選択は大正解でした。お花畑のなかの小屋とモミの木、遠くには雪を頂いた山並み。最もスイスらしい風景を楽しむことが
できたのです。
下からもたくさんの人たちが登ってきます。日本の山と同様、挨拶をかわします。「ハロー」というと「ボンジュール」、
今度は「ボンジュール」というと「グーテンターク」と返ってきます。そうです、スイスは多言語国家なのです。
相手が何語を話すかはわからないのです。
自分の愚を知りました。私は日本人なので「こんにちは」でいいのです。そのあと、相手が「ハロー」
ならば、こんにちはに続いて「ハロー」と返えすことにしました。
これはお店で何かを買った時も同じです。「ありがとう。ダンケシェーン」ということですね。
今日は一日スイスの山のハイキングを堪能することができて最高の気分でした。明日は氷河特急にも乗り、インターラーケンへ
向かいます。