1.登記識別情報に関するQ&A

Question  Answer
 登記済証(権利書)は、いつからなくなったのですか。  各登記所により異なります。それぞれオンライン指定庁とされた日から発行されなくなりました。そして、代わりに「登記識別情報」が発行されるようになりました。
 名古屋法務局刈谷支局では、2007年(平成19年)8月20日から登記識別情報が発行されるようになりました。
 既に発行されている登記済証(権利書)は、無効になるのですか。  既に発行されている登記済証(権利書)は、そのまま有効です。そのまま大切に保管して下さい。
 登記識別情報とは何ですか。見本はありますか?  12桁の英数字のパスワードのような重要な情報です。このパスワードを登記所に通知することにより、本人であることの確認となります。 ですから、必要のない限り目隠しシールをはがさずに、他人に知られないように大切に保管して下さい。
1.シール式(識別情報の制度開始から折り込み方式になるまで)
    登記識別情報のサンプルはこちらをクリック
    ※2015年2月23日からQRコードが付きました。
2.折り込み方式
    登記識別情報のサンプルはこちらをクリック
    ※刈谷支局では2015年11月23日から折込方式も変更されました。
 登記識別情報は、何枚も発行されるのですか。  所有権の取得などの権利取得の登記について、人ごとに、不動産ごとに発行されます。例えば、2個の不動産を3人の共有で取得すれば、2個×3人=6枚発行されます。
 登記識別情報通知(用紙)ごとに、不動産や名義人が記載されています。
 所有権移転や抵当権設定などの権利の処分は、登記識別情報だけでされるのですか。  登記識別情報の他に、印鑑証明書の添付・実印の押印(又は公的個人認証サービスによる電子署名)も必要です。これらも大切に保管して下さい。 
 登記識別情報の番号の変更や、再発行はできるのですか。  登記識別情報は、変更することはできません。また、登記済証と同じで再発行はできません。 
登記識別情報通知書の目隠しシールがはがれなくて、番号が読めない場合どうしたらよいですか。 平成21年10月以前に発行された登記識別情報通知書の一部には、目隠しシールのはがれ方が不完全であるものがあることがわかっています。
 法務省へリンク http://www.moj.go.jp/MINJI/minji195.html
一定の要件の下で、登記識別情報通知書を登記所で再作成してくれます。
一定の要件等再作成の詳細については、法務省の下記HPをご覧下さい。
 法務省へリンク http://www.moj.go.jp/MINJI/minji195-1.html
 登記識別情報を紛失してしまった場合は、どうすればよいですか。  登記識別情報の失効の申出をすることができます。登記識別情報は、いつでも理由がなくても失効させることができます。
 ただし、登記識別情報が必要となった場合に、登記識別情報があればかからなかった費用が発生する場合(資格者代理人による本人確認情報の提供等)があるので、注意が必要です。
 手続については当事務所又は登記所にお問い合わせ下さい。
 登記識別情報を盗み見されてしまった場合は、どうすればよいですか。  登記識別情報の失効の申出をすることができます。登記識別情報は、いつでも理由がなくても失効させることができます。
 ただし、登記識別情報が必要となった場合に、登記識別情報があればかからなかった費用が発生する場合(資格者代理人による本人確認情報の提供等)があるので、注意が必要です。
 手続については当事務所又は登記所にお問い合わせ下さい。
 土地を分筆した場合には、新たに登記識別情報は発行されるのですか。  土地を分筆しても、登記識別情報は発行されません。分筆された土地すべてについて、同じ登記識別情報を使うことになります。
 例えば、12番1の土地を12番1と12番3に分筆した場合は、12番1の土地と12番3の登記識別情報は同じ番号になります。
 12番3の土地の登記識別情報を提出する時には、分筆前の12番1の土地の取得の際に発行された登記識別情報を提出することになります。
 その際に、12番1の登記識別情報も知られてしまうので、対策として下記の方法があります。

 (1) 信頼できる司法書士に依頼する
 (2) 12番3の売却時に管理上必要だからといって、登記識別情報を提出
   しない
 (3) 12番3を売却後、12番1の登記識別情報を失効させる 
 土地を合筆した場合には、新たに登記識別情報は発行されるのですか。  新しい登記識別情報が発行されます。
 抵当権などを設定するために、登記識別情報を提出する必要があるのですが、登記所にはどのように提出するのですか。  登記識別情報を記載した紙を袋に入れて提出します。提出した紙は戻ってきませんので、通常は、コピーを入れます。不動産や名義人を特定してあれば、番号を記載したメモを袋に入れてもかまいません。(登記済証と異なり、原本を提出する必要はありません。登記所に提出したものは、裁断されてしまいます。)
 司法書士が登記識別情報をお預かりする場合には、原本を借りてその場でコピーをして原本をお返しする場合と、一旦原本を借りて登記完了後にお返しする場合があります。
 登記識別情報を登記所に提出できない場合は、どうすればよいのですか。 ○方法1
 司法書士・土地家屋調査士・弁護士のいずれかによる資格者代理人が、本人に面談し、本人であることに間違いないという情報(資格者代理人による本人確認情報の提供)を登記所に提出することにより、登記識別情報の提供があったの同じようにすることができます。
 しかし、資格者代理人による本人確認情報の提供には、司法書士によっても異なりますが、数万円の費用がかかりますので、注意が必要です。
○方法2
 本人が申請書又は委任状に署名したことを公証人が認証した場合にも登記識別情報の提供があったの同じようにすることができます。
○方法3
 事前通知制度を利用します。
 事前通知制度とは、どんなものですか。  事前通知制度は、登記申請後に、登記所から売主等の登記義務者宛に本人限定受取郵便(特例型)にて、本人であるか通知を行い、登記義務者が登記所の発送から2週間以内(到着から2週間ではありません)に回答書に実印を押印して登記所に届け出ることにより、登記識別情報の提供があったの同じ効果が生じさせる制度です。
 事前通知制度は、旧法の保証書と同じですか。  制度は似ていますが、(1) 所有権以外の登記でも登記の事前に行われる、(2) 普通郵便ではなく、本人限定受取郵便でされる、(3) 登記の順位の確保は、回答書が届いた時ではなく、登記申請の際に行われる、ことが異なります。
 事前通知制度は、どんな時にも利用できますか。  一般的に、同時履行となる売買や抵当権の設定などの場合には、同時履行になじまないので、利用されません。また登記義務者が一時的に入院している時や長期海外旅行など不在となる場合には、本人が本人限定受取郵便を受領できないので、利用できません。
 これに対し、贈与などでは、事前通知制度でもかまわないと思われます。
 所有権移転登記等を行う場合に、決済に先だって、司法書士が登記識別情報を確認することがありますか。
有効証明請求・未失効証明請求
 はい、あります。決済時に登記識別情報の原本の提出があっても、登記識別情報が失効されている場合があります。ですから、決済の前に、司法書士が登記識別情報が有効かどうか、失効されていないかなどを確認させていただくことがあります。
 登記所は、なぜこんな面倒な方法にしたのですか。  政府のe-japan戦略に基づき、電子申請を普及させるためです。電子申請をする上で、登記済証が問題となるからです。
 登記識別情報という12桁の英数字であれば、電子的に発行することも容易だからです。

(C)司法書士・行政書士・土地家屋調査士 宮田合同事務所 宮田幸泰
愛知県刈谷市寿町1丁目708番地