(2)実験水田計画 U 実践編 其の二
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不耕起冬期湛水水田は、一年中、水を抜く事無く、米の栽培は出来ないか?
今回は実践編 其の二です。
タンクの準備が出来ました。写真を見てください。
(2007/4/1撮影)
最初の計画から場所は少し移動しましたが、システムは同じです。
いつもこのタンクは水で一杯になるように用水からホースで水を汲みいれます。
常に水をいれる
と言うことは、常にタンクに入っているので昼間は日光で温められることになります。
用水は温度が低いので、そのまま田んぼに補給すると、田んぼの水の温度が下がり、
稲が育ちにくくなります。
また、めだかの餌となるミジンコの発生も少なくなってしまうので、
その意味でもこのタンクは無くてはならないものです。
この写真は水の出口ですね。分かりますか?5本のスジと水面の泡が・・・・。
この補給水分だけ水が抜けていっているので、水を止めると干上がってしまいます。
五本にしてあるのは、エアーレーション効果を狙ってのものです。
何故かこの時期
モグラの攻撃
が物凄く、アゼに穴が開きまくり、水が抜けていきます・・・・。
補修作業が結構大変です。農家の人たちの苦労が少しだけ分かったような気がする今日この頃です。
去年の12月にボウフラ対策用に入れた1センチ前後の20匹のめだかが、
いつの間にか大きくなっていて、産卵し始めました。あらびっくり!
今年になってからヤゴ(たぶん7種類くらい)100匹以上入れたので、
もう大丈夫、蚊に悩まされる事は無いでしょう。
2007/4/1
やって来ました田植えの季節。でも、苗作りってしてないじゃん!ご心配にはおよびません。
今回は農家の人に分けていただきました。
じゃあ、無農薬かどうか分からないじゃん!
その通り、って言うか、これ、農薬使ってあります。
なので、すぐには田植えは出来ません・・・・。
写真を見てください、って、でかいよこれ!
実物の4倍くらいあるね!
この写真の稲、2.5葉しかありません。
5葉くらいあると良いんだけど、
もらい物に文句を言ってるとばちが当たります。自分で育てよう。
と言っても、このまま放置するだけですが・・・・。
2007/4/29
5葉くらいまで育てようと昨日言ったばかりなのに、
今日になったら気が変わり、田植えをしました。
2日間水を止めていたのですが、水位が思ったより下がらず、
苗がほとんど水没状態です。
植え終って10分もしたら苗が浮き始め、15本くらい完全に浮いてしまいました。
植え直しです。がっくり・・・・。
植え方が悪かったのと、水位が高く浮きやすかった為、浮き苗になってしまったようです。
全部で20分くらいで終わりました。
たったこれだけの作業なのに、結構疲れました。
これで1週間、水位を低めにして苗が活着するのを待ちます。
活着したら水位を上げて深水にします。
実は田植え前にここで魚とりをしました。息子が入れたフナを取り出すためです。
息子が飼育していた6匹のフナと、ドジョウ一匹、飼育放棄されここに入れたものです。
予想以上にヤゴの被害が大きいので、取り出すことにしたのです。
ですが、残念な事に2匹しか捕獲できませんでした。
4匹はそのままです。まっいっか!という事で、捕獲できなかった4匹はそのままにする事にして、
捕獲した2匹は近くの用水に放流しました。
2007/4/30
めだかの稚魚です。昨日から生まれ始めたようです。
生まれたてで小さいので、なかなかうまく写りません。今のところ20匹くらいですね。
これから産卵ラッシュが始まります。
私の予想では、9月ごろには10000匹を超えるのではないかと思っています。
今生まれているめだか達が、7月には大人になって卵を産み始めると、
その子供達が8月の終わりごろには卵を産み始めます。
寿命は1〜1年半しかないめだかですが、この勢いで増えれば、
こんな小さな水田ではすぐに一杯になってしまうでしょう。
2007/5/03
この実験水田には色々な生き物がいます。順番に書いてみよう。
まず、魚ですが、ドジョウ5匹、フナ4匹、大陸バラタナゴ1匹、めだか親が20匹くらい、
稚魚多数。
貝はマルタニシ、サカマキガイ(たぶん・・・)多数・・・・。
とても数える気にはならないくらいいます。昆虫はアメンボ、ミズスマシ、ヤゴ数種類、
あと名前が分からないてんとう虫そっくりなミズスマシのように泳ぐ虫。
それから、ミナミヌマエビがいます。
これらの生き物達は全て近所の用水にいたものです。
ただし、アメリカザリガニとカダヤシは入れていません。
なぜって?それは生態系が崩壊するからです。
田んぼの王者アメリカザリガニとカダヤシの天下になってしまうでしょう。
もう少しすると、トノサマガエルやつちガエル、ヌマガエルなどがやってきて産卵するので、
オタマジャクシも増えると思います。
2007/5/05
田植えから3週間、稲がやっと5.5葉まで育ちました。
あまりに動きが早くて写真は撮れませんでしたが、
最初に生まれたメダカ達はもう1.5センチくらいに育っています。
田んぼの底力を見せ付けられたような感じです。
王国では孵化が始まったばかりで、20匹くらいの稚魚が泳いでいます。
田んぼと比べて3週間遅れています。水温も平均で2度くらい低めです。
やっぱり田んぼはめだかにとっては楽園かもしれない。
2007/5/20
分げつが始まり、少し稲らしくなってきました。
同時期に田植えをした他の水田と比べるとかなり遅いとは思いますが、
草丈は高く、茎は太いので、丈夫に育つのではないかな?と思っています。
この写真は一番成長が遅れている苗です。
分げつも始まらず、ちょっと心配ですね。
このように苗の成長具合はばらばらです。
ちょっと心配な事が・・・・。
この生き物は一体何者?何を食べて生きているの?
まさかとは思うけど稲の樹液を吸っている、なんてことはないよね。
どうもウンカではないかと思うのだが・・・・。
2007/6/03
見違えるように稲が良く育っています。
まだ、分げつが遅れている物も数本ありますが、順調と言って良いのではないかと思います。
草丈は50センチから70センチくらいになりました。
メダカ達は2世がついに産卵を始めました。
現在1000匹くらい?なので稲刈りの頃には1万匹は超えているでしょう。
2007/7/01
花が咲きました。これでお米が出来るのかな?
ちょっと不思議な気がします。
まだ、ほとんどの稲は咲きそうにはないのですが、
この台風の風で揺さぶられた稲だけが、何故か花を咲かせたのです。
台風のおかげで、メダカ達は集団脱走を図り大量に逃げ出しました。半分以上が逃げ出したようです。
そのほとんどは用水まで辿り着けたとは思いますが、辿り着けなかったメダカ達も結構いたようです。
合掌。
2007/7/16
稲が病気になってしまったようです。紋枯れ病ではないかと思います。
現在二割くらいが病気に罹っているようです。
この調子で行くと、ほとんどお米は取れないかもしれません。
もっとも、今年の目標は来年用の種籾さえ確保できれば問題はないのですが・・・・。
稲が倒れてしまう物まで出てきました。
原因は、根元が土の中に入れず浮いていたことが原因です。
やはり、しっかりした苗を育ててから植え込むようにしなければ浮いてしまうのだろうか?
来年は、根を痛めないポットでの育苗をする予定です。
この写真を見ると良く分かると思います。株元の根が緑色をしているでしょ。
土の中になかった証拠です。
根のはり具合もあまり良いとは言えません。
もっとしっかりした根を張ってくれると期待していたのですが・・・・。
病気や根張りの他にも予想してなかった事があります。
それはアオミドロやサヤミドロ等の藻類がみんな食べられて、めだかの繁殖が上手く行ってない事です。
食べているのは、マルタニシ、サカマキガイ、オタマジャクシにガムシなどです。
とにかく良く食べます。
草も新芽や葉っぱなどは真っ先に食べられています。
草取りはあぜ以外一度もしていません。
来年はどうするのか、検討中です。
2007/8/10
今日、稲刈りをしました。最初の計画では18日に行う予定だったのですが、
生育状況から1週間延期しました。
本当は、もう1週間伸ばそうかどうしようかと迷ったのですが・・・・。
その迷った理由がこの写真です。
2番穂が出て、花が咲いているのが分かるでしょうか?
これをどうしようか迷ったのです。
結局、諦めて稲刈りしました。
半分、稲刈りをした写真です。最初の計画では2条刈りのコンバインを使用する計画でしたが、
田んぼの幅が狭くなった為、入れないことが分かり手刈りになりました。
三分の1が終わった所です。
水の中に入らずに外から刈っているので結構疲れます。
また、一輪車まで運びながらなので、時間もかかりました。
やっと終わりです。写真用に一株だけ残してあります。
ここでわたぼうしの出番です。最後の稲を刈ってもらいました。
これで全部です。少ないですね。もう少し株が大きくなると予想したのですが、
予想通り(30本)に分げつしたのはほんの数株で、ほとんどの苗は10分げつくらいでした。
ハザ掛けしました。1週間この状態で乾燥させる予定です。
途中、雨が降った場合はもう1週間延ばす予定です。
2007/8/25
今日、脱穀しました。3人がかりで2時間かかりました。
コンバインが無かったので、全て人力です。
機械のありがたさ、痛感しました。
コンバインなら1分位の作業ですからね。稲刈りも含めて。
正直に言って、田植えの時は機械のありがたみは特に感じませんでした。
疎植だったせいもあります。
もっとも今年コンバインを使わなかったのは、予想以上に出来が悪かったからです。
最初の計画の10分の1の出来具合だったからです。
それでもこれだけ時間がかかったのですから、稲刈り、脱穀にはやはり機械が必要だと思いました。
脱穀後の藁、田んぼに戻しました。
まだ、日差しが強いので、多少は日よけの効果があると思います。
稲がなくなっちゃったんで蔭を作ってくれるものが無くなってしまいました。
その代用です。
2007/9/02