めだかってどんな魚?
めだかは、日本、アジア、東南(とうなん)アジアにしかいない!
今のところ(2002年2月現在)14種類(しゅるい)のめだかが見つかっています。
日本に住んでいるのは、ふつう『めだか』とか『クロメダカ』と呼んでいるニホンメダカです。
その他のめだかの仲間は、みんな熱帯魚(ねったいぎょ)の仲間です。
カダヤシやグッピー等を卵胎生(らんたいせい)めだかと呼びメダカの一種と思われているようですが、
全く別の種類(しゅるい)の『カダヤシ目』の魚です。
めだかは『ダツ目』になります。
今見つかっているめだかの中では、ニホンメダカだけがなぜか寒さに強く、一番北にくらしています。
体の大きさは、大人でも25〜45oくらいにしかなりません。
日本で一番小さな淡水魚です。
日本の淡水魚(たんすいぎょ)の中で、これほど呼び名の多い魚は、他にいないんじゃないかと思えるほどあります。
全国で5000以上の違った名前が付けられており、子ども達にとって一番身近な魚だったのでしょう。
食料(たべもの)としての価値(かち)が無かったからかもしれません。
地域差(ちいきさ)によってか、個体差(こたいさ)もあり、遺伝子(いでんし)も違いがあると言われています。
めだかをよく見てみると、オスとメスの体の形に、かなりちがいがありますね。
オスの背びれには切れ込みがあって、メスにはありません。しかもオスの方がながい。
尻ビレはオスの方が幅広く、平行四辺形みたいな形だけど、
メスは幅がせまくて、三角形のように見えます。
めだかは、水温が20度をこえて、太陽が当たる時間が1日に13時間をこえるようになると、
卵を生む準備を始めます。メスのおなかが卵で大きくふくらみ始めると、
オスは、その周りを泳ぎまわります。おたがいが気に入る相手になるまでつづくようですね。
これを求愛円舞(きゅうあいえんぶ)といいます。
そして、おたがいが気に入ると、夜明け前からオスがメスによりそうように泳いでいき、
体をメスの横につけます。 オスはメスをだくように、背びれと尻びれで、
メスのおなかをしごくように、たまごを産むのをたすけます。
この時に、メスの側線(そくせん)のある部分を刺激(しげき)することで、
メスは卵を産むことが出来るからです。
そのあと、メスがたまごを産みはじめると、オスはそのしゅんかんに、
じぶんの精子(せいし)をたまごにかけます。
そうすると、たまごは受精(じゅせい)して育ちはじめるのです。
(約8倍で撮影、2004/7/18)
卵が先か、精子が先か?と聞かれる事がありますが、どっちもあります。
本当は同時なのですが、すこしタイミングがずれる事があるからです。
これは、100回以上観察(かんさつ)すれば分かります。
めだかは、こうして4月の中頃(めだかの王国では初旬)から
約5ヶ月もの長い間たまごを産みつづけます。
だけど、一体1匹のメスがどれだけの数のたまごを産むのかなあ?
皆さん疑問(ぎもん)に思った事は、ありませんか?
めだかが1回に産むたまごの数は10〜30個ぐらいだといわれています。
水温が高く、たまごを産むのにちょうどいい条件がそろうと、メスは毎日のように産みつづけます。
ということは、めだかは1年〜1年半(王国では2〜3年)ぐらい生きるから、
なんと一生のあいだに、およそ1000〜4000個ぐらいたまごを産む事になります。すごーい!!
あんなに小さいのに。
たまごの表面には、よく見ると、こまかい付着毛とよばれる毛があります。
(約50倍で撮影、2004/7/21)
付着糸という糸のたばみたいなものも付いています。
メスは、たまごを産んだあと、付着糸がからみあって、ブドウのふさのようなたまごを、
気に入った水草などが見つかるまで、4〜10時間ぐらいおなかにぶら下げています。
たまごが産まれて7日〜20日ぐらいたつとふ化します。
生まれたばかりのめだかは4oぐらいしかなくてすきとおっているので、水草にかくれられると、
なかなか見つけられない。3日ぐらいたつと餌を食べ始めるし、良く動くので見付けやすくなります。
めだかは、瞬間的(しゅんかんてき)な動きは意外と速いけど、長い時間泳ぎ続ける事は出来ません。
その代わりに、少ない酸素(さんそ)で生きていく事が出来きるようになっています。
これは水の温度が高く、水に溶け込んでいる酸素(さんそ)が少ないところでも
生きていけるように、長く泳ぐ力をなくしたからでしょう。
長く泳ぎ続ける事ができる魚は酸素(さんそ)がたくさんいります。
と言う事は、流れの速いところでは、生きていく事は出来ない事になる。流されてしまうからね。
だから、ながれのはやい川で見つける事が、ほとんど無いのでしょう。
水田のような水の流れのほとんどない所を中心に繁殖(はんしょく)している事が、
これで、分かってもらえると思う。
めだかがいるという事
こんな小さな魚でも、めだかが、そこにいると言う事は、
めだかをエサにしているタガメやミズカマキリ、ゲンゴロウ、ヤゴと言った水生昆虫や
ザリガニ等、野鳥のエサが豊富であるともいえる。
水草がなければ繁殖(はんしょく)できない
めだかがいるという事は、そこに、ある種の自然があると言ってもいいのではないかと思っています。
めだかは、他の生き物たちのエサでしかない存在ではあるけれども、だからこそ、
そこにいてほしいと私は思うのですが・・・。
[メニュー]