　愛国心や道徳心、公共の精神、郷土愛する態度を持つことを子供たちや広く国民に教えはぐくむことは大切な教育の一環だと思う。
だがである、現行教育基本法改正の理由がいまひとつ見えてこない。ましてすでに『国を愛する心情』などを項目として通知表には載せている学校もある。いったい国を思う心や、愛する気持ちをどのようにして判断するのだろうか。たしかに現行教育基本法があったおかげで戦後荒廃したわが国を世界に通ずる大国に押し上げ、社会発展の原動力になってきた。と同時に戦後６０年、どの国とも戦争することなく、一人の犠牲者も出さなかった平和教育の原点がここにある。
戦後日本は平和国家として歩むことを決意し、この崇高な目標である世界実現は教育によるところとが大きいと決意した。その成果が今の日本だ。
確かに現在、少子化の進展や科学技術の進展、教育格差、いじめなど道徳心や公共心などの心の問題にいたる多くの課題が浮き彫りにされている。こうした問題解決のために法律の理念や目標を変更するのはいささか短絡的に思えるのだが。教育基本法の改正を進める人たちの多くは憲法改正を目標においている。憲法改正には教育基本法の前文がどうしても邪魔と考えているように思えてならない。
教育基本法が改正されずに国会が閉幕したことはひとまず冷静になってもう一度考えるいい機会とすべきであろう。
人それぞれ愛する国の形や理想とするものも違う。でたらめな社会保険庁、不正を働いてしこたまもうけている企業家や役人。この国のどこを愛せよというのかという声が聞こえる・・。