小説(文芸・経済)

作者:三浦綾子 「氷点(上)(下)」「続・氷点(上)(下)」 角川文庫
 ・クリスチャンである作者(私は違いますが)の渾身の傑作。人間の原罪とは何か?生きていく意義を問いかける、ずし
  りと重くのしかかる超大作(問題作)。私の文芸小説No.1作品。

作者:山崎豊子 
 「沈まぬ太陽(全5冊)」 新潮文庫
 ・ここ近年で一番インパクトの大きい文芸大作。主人公のモデルとなった実在人物によれば、この小説は90%が事実と
  の事。政界と大手航空会社JALの腐食・・・。主人公や国見会長等の真摯に生きる姿に感銘を受けるが、彼らが報われ
  ないのが空しい。腐った傲慢な奴がはびこっているのも事実なら、真摯に生きる人がいるのも事実。"生き様”について
  考えさせられる。第3巻「御巣鷹山編」は涙なしでは読めない。3巻だけでも読んでほしいと強く言っておきます。

作者:梁石日(ヤン・ソギル) 「闇の子供たち」 解放出版社
  ・この作品の描写は凄まじいが、フィクションという形をとったノンフィクションなのだろうか?幼児売春、人身売買、臓器
   売買。抑圧と貧困が支配する世界の中で、かくも子供達の生命・人権が軽視されてよいのだろうか?と考えさせられ
   る問題作。

作者:宮本輝 
 「優駿(上)(下)」 新潮文庫
 ・人々の愛と祈り、ついには運命そのものを担って走りぬける名馬オラシオン。名馬を巡る登場人物ひとりひとりの宿命
  的なドラマ。感動作品。我家の二太郎の名前は、この作品のインパクトの影響から、作品名の一字を使っている。
 「ドナウの旅人(上)(下)」 新潮文庫
 ・母と若い愛人、娘とドイツ人の恋人−ドナウの流れに沿って東へ下る二組の旅人たちを通し、愛と人生の意味を問う、
  感動作品。若い愛人が結果的においしい思いをし、娘の父というのが哀れだよな・・・

作者:灰谷健次郎 「兎の眼」 新潮文庫
 ・本当の教育とは何か?新任女性教師が、子供達との交流の中で、力強い希望と生きる事の意味を学んでいく感動作。

作者:山田太一 「ふぞろいの林檎たちT〜W」 新潮文庫等(V・Wは文庫化されていない)
  ・TVで放映された中井貴一・時任三郎・柳沢慎吾出演のドラマのシナリオ。大学生時代から就職・結婚等を経て、葛藤・
   成長していく話。会社に入った当時、T・Uを読んで、彼らの時代とダブっていたので、非常に共感した。

作者:高杉良 
  ・作者の経済小説は非常におもしろい。概して、描かれる主人公は私のような凡社員ではなく、超エリート。まあ偉い人
   の立場になって、物語を味わうのも良し。お気に入り作品を列挙しておきます。
 「懲戒解雇」「広報室沈黙す(上)(下)」 講談社文庫
 「金融腐食列島」角川書店(文庫−角川文庫−あり)
 「あざやかな退任」「破滅への疾走」「欲望産業(上)(下)」集英社文庫