小説(ミステリー・サスペンス)
作者:宮部みゆき
「火車」 新潮文庫
・休職中の刑事が遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった・・何故彼女は徹底的に足取り
まで消して、自分の存在を消さねばならなかったのか・・・カード社会の犠牲者ともいうべき自己破産者の凄惨な人生を
浮き彫りにするミステリー。
「理由」 朝日新聞社
・マンションの一室に住む血縁関係のない人々、民事執行問題、裁判所の競売等、現代社会の問題と照らし合わせて、
話は進む。上記の「火車」には及ばないが、事件の展開に引き込まれる。
「模倣犯」 小学館
・凄く怖い!底知れぬ戦慄感!被害者の遺族・犯人・第三者等の様々な視点から描かれている。「模倣犯」の意味は最後
の方で分かる。非常にボリュームがあり、宮部作品では一番インパクトが強い。本作品を読んでいる最中、夜中に夢で
うなされました・・・
作者:松本清張 「点と線」 新潮文庫
・博多付近の海岸で発生した一見完璧に近い動機づけを持つ心中事件の裏に潜む恐るべき計画・・。列車時刻表を駆使し
たトリック。ミステリーで名高い松本清張の作品の中で初めて読んだもので印象深い。
作者:桐野夏生 「柔らかな頬」 講談社
・幼女失踪を取り扱ったミステリー。幼女の母親のような奥さんはやだなあ・・・。この作品は正直、ラストは明快でない。
読者の推理にお任せ、という事か。
作者:大沢在昌 「新宿鮫」シリーズ 光文社文庫
・会社の同期で今はドイツに赴任しているI君から薦められ、読み始めた。ただ独りで犯罪者にくらいつく「新宿鮫」と恐れら
れている新宿署刑事・鮫島の活躍を描く。確か館ひろし・田中美奈子出演の映画をTVで観た覚えがある。
現在、文庫で6作目迄読んだ。私のお勧めは4作目「無間人形」と2作目「毒猿」。
作者:小池真理子 「恋」 早川書房
・三角関係・近親相姦・・のドロドロ犯罪サスペンス。嫉妬と激情の果てに恐るべき事件が・・・
作者:東野圭吾 「白夜行」 集英社文庫
・1973年に大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが事件は迷宮入りする。被害者の息子と
容疑者の娘はその後、全く別々の道を歩んでいくのだが・・・。二人の内面を全く描かず突き進む展開、緻密な構成、
思い切り引き込まれるミステリーの傑作。