ノンフィクション(ルポ・紀行
作者:立花隆 
 「宇宙からの帰還」中公文庫
 ・宇宙とは、地球とは、神とは、人間と何か・・・宇宙飛行士の衝撃に満ちた肉体体験を徹底取材し、インタビューで見事に
  意見を引き出した壮大な精神のドラマ。学生の時に読んで、このようなインタビューが出来る作者は天才だと思った。
 「臨死体験(上)(下)」文芸春秋(文庫あり−文春文庫−)
 ・臨死体験とは、事故や病気などで死にかかった人が、九死に一生を得て意識を回復したときに語る不思議なイメージ
  体験である。様々な体験・現象を取材したボリュームはあるが、読み応えのある作品。
 「サル学の現在」平凡社(文庫あり−文春文庫−)
 ・高崎山や日本モンキーパークのサル山をボーっと観察していると結構おもしろい。サル学の生態を究明し、人間・自然に
  ついて考えさせるボリューム満点の作品。理科に弱い私にはところどころ難しい箇所があったが。

作者:吾妻博勝 「新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街」文芸春秋(文庫あり)
 ・この本を読むと新宿歌舞伎町を歩きたくなくなる。歌舞伎町で行われているマフィアの密取引・生態模様を描いている。

作者:家田荘子 「私を抱いてそしてキスして」文春文庫
 ・「イエローキャブ」等、性体験ドキュメント作家のイメージの高い作者だが、エイズ患者と過ごした1年の壮絶な記録を描いた
  本作品は凄い。読んで非常に得した気分になった。

作者:辺見じゅん 「収容所から来た遺書」文春文庫
 ・悪名高い強制収容所に屈しなかった男達のしたたかな知性と人間性を描いた感動作。

作者:久田恵 「フィリッピーナを愛した男たち」文春文庫
 ・日本に働きに来たフィリッピン女性と結婚する男達が多い。彼らは言葉・文化・生活慣習の壁を乗り越え、どのような愛を
  育んでいるのか、彼らの心境を描いた作品。

作者:チアン・ユウ 「ワイルド・スワン(上)(下)」講談社
 ・中国の激動の時代を生きた女性3代の生き様を綴った大作。極限状況の中、人間は何をし、何ができるか・・・
  中国という国を認識させてくれる。

作者:沢木耕太郎 「深夜特急:第1便〜第3便」新潮社(文庫あり−新潮文庫全6冊−)
 ・作者の若き頃に香港〜ロンドン迄の旅を綴った紀行もの。旅好きの私にとっては非常に楽しめた。第1便を呼んで、シンガ
  ポール・マレーシアの一人旅に踏み切った。作者のような事は現実に出来ないが、本の中で擬似体験させてもらった。

作者:櫻井よしこ 「日本の危機」新潮文庫
 ・以前、「きょうの出来事」でキャスターをやっていて「○○さん、明日は巨人は勝つんですかあ」と言うのが口癖だった
  著者は非常に丹念に調査して自分の意見を明確に述べる優れたルポライターである。この本を読んで著者の聡明さに
  感心する一方、日本の色々な状況に疑義・危惧の念が生じてくる。この作品を読んでから、著者の作品は極力目を通す
  ように心がけている。

中日・東京新聞取材班 「テロと家族」角川ONEテーマ21
 ・2001年9月11日ニューヨークでのテロ、その後の米軍の報復攻撃等により、多くのいわれなき死があった。その遺族達に
  焦点を当てたドキュメント(中日新聞の一面で連載されていた)。各人の存在価値は大きい。それゆえに物悲しい作品。