川合観賞魚へようこそ
飼育方法
ここではうまく魚を飼う方法や失敗しないための方法などを紹介しています。
文章中の表現について知識のある方が見ておかしいと思われる部分があるかもしれませんがあくまで初心者向けという事ですのでご理解いただきたく思います。
また文章についての質問、議論などはいたしませんが根拠に基づいたご指摘などはお受けいたしますのでメールにてご連絡いただければ幸いです。
ただしこのページは初心者向けのページのため難しい表現などへの訂正はできませんのでご了承お願いいたします。
またこのページを見て実践された結果についての保障いたしませんので自己責任にてお願いいたします。
水→H2O 二酸化炭素→CO2 亜硝酸イオン→NO2 ̄ 硝酸イオン→NO3 ̄ 炭酸→H2CO3 塩→NaCl 炭酸水素イオンHCO3 ̄
炭酸カルシウムCaCO3 炭酸水素カルシウムCa(HCO3)2 炭酸水素ナトリウム(重曹)→NaHCO3 アンモニアNH3
アンモニウムイオンNH4+ 塩酸→HCl 硫酸→H2SO4 亜硫酸→H2SO3 次亜硫酸→H2SO2 硫化水素→H2S メタン→CH4
水酸化カルシウム(消石灰) Ca(OH)2 酸化カルシウム(生石灰 ) CaO 過酸化水素水(オキシドール)H2O2 エタノールC2H6O or C2H5OH
第1章 初心者飼育の基本
1 水槽と魚は一緒に購入しない (お店側としては一緒に売りたいところですが・・・)
2 水槽セット後は1週間は魚を入れない(子供さんには良く言い聞かせてね。)
3 砂利を入れる(セット内容の濾過器では不十分です。 砂利の中ではろ過バクテリアは沢山増えるので積極的に使いましょう)
4 換水は三分の一ずつ、二〜三週間に一度を守る。メモなどをそばに貼り付けて交換した日付を書いておきましょう
5 金魚でも必ずヒーターを使う。
これは話すと長くなりますが簡単に言うと春先の温度帯で魚を飼わないことです。(15〜23℃)なぜってその温度帯が病原菌や寄生虫が
気持ちよく増殖してしまうので増殖しにくくするためと魚の体力、代謝をよくするという意味で26℃以上が好ましいです。ただ最近の
病原菌などは温度に強くなってきているため魚の体力を早期に上げるためにもヒーターを必ず使用してください。
6 塩を使う
塩は万能薬ではありませんが薬害がないので魚の移動時や病気の治療時には入れましょう。1Lに5gです。60cm水槽で約250g
90cm×45×45水槽では約750g入れてください。お客様が「塩はよく使います」といわれて量を聞くと「ひとつまみ」だそうです。
これではおまじないか気分程度でまったく効果はありません。高い塩も使う必要もありません。当店で売っているような1kg\150でOKです。
さらさらの塩ではなく荒塩が好ましいです。荒いとゆっくりと塩分濃度が上昇し浸透圧調整にもいいので魚にとって好ましいです。
ただし塩は蒸発してなくならないので入れた分は水換えをしない限りなくなりません。どのぐらい塩が残っているかは覚えておいてね。
半分水をかえれば塩分濃度は大体半分になります。
第2章 よく聞く「バクテリアがいない、水が出来てない」って何のこと??
ここで言うバクテリアとは濾過バクテリア(硝化バクテリア)のことをいいます。通常バクテリアは簡単に書くと下記のようになります。
アンモニア→→→亜硝酸→→→硝酸 化学式で表すとNH3→→→NO2→→→NO3さらに細かく変化の過程を書くと・・・・
アンモニアから亜硝酸への変化 NH3(アンモニア)+O2(酸素)→→→NO2 ̄(亜硝酸イオン)+H2O+H+(水素イオン)
亜硝酸から硝酸への変化 NO2 ̄(亜硝酸イオン)+O2(酸素)→→→NO3 ̄(硝酸イオン)
上記の化学式よりもさらに細かく書くことができますが混乱する方もいると思いますのでここまでにしておきます。なぜここまでの化学式を
書くのかというと知識を自慢したいわけではありません。赤字で示した水素イオンこそPHを下げる元になっているからです。
正反対のものにOH ̄(水酸イオン)があります。ここまで見てピンときた方はさすがです。そうH+とOH ̄を足すとHが2つとOが
ひとつでそうH2O"水"になるのです。通常最終過程で溜まった硝酸塩を取り除くために水を交換します。ここで誤解があるので説明しますが
アンモニアが亜硝酸に変わるときにH+が電離するためにPHが下がります。
アンモニアから亜硝酸に変化させるバクテリアをニトロソモナス、亜硝酸から硝酸へ変化させるバクテリアをニトロバクターといいます。
他の種類のバクテリアもた〜くさんいますが代表的なものだけ書きます。別に憶える必要はありません。ただバクテリアのおかげで
水が透明になり魚に最適な水にしてくれている有難い存在とだけ憶えておいてください。ともに繁殖スピードは遅めのため
水道水で濾過材をジャージャー洗ったり水を全部換えるような水換えは絶対にやめてくださいね。できかけのバクテリアが換水と
一緒に流れて行ってしまいますからね。(さよなら〜また初めからやり直し〜)
※水槽をセットしてすぐになる"白濁りの水"を透明な水に変えるのもバクテリアの力です。だから水換え時に底砂も水道水
で洗い、飼育水も濾過材もすべて新しくしてしまうような間違った水換えは絶対にしないでくださいね。
※白濁りの原因の一つに南国砂、大磯などに含まれる貝殻、サンゴなどの粉が原因の場合があります。これは炭酸カルシウムが
浮遊しているものなので飼育水を交換する以外はそのままの状態ではなくなりません。天日干しした水ですべて交換しまう方法が
一番早いでしょう。(水槽セット初期の場合に限る)炭酸カルシウムの粉は水の中では二酸化炭素がないと溶けてなくなりません。
また溶けた場合はアルカリ性を示します。南国砂、大磯などを使用する場合は水槽をセットしてすぐになる"白濁りの水"と分けて
考える必要があります。
最良の水換え方法〜♪♪
1 初期セットの1ヶ月間は濾過材はいじらない、水換えのみでOK
2 初期セット1ヶ月目の水の交換サイクルは10日に一回で三分の一ずつ(初期セットした濾過材は1ヶ月間はいじらないこと)
3 濾過材(ウールなど)を洗う場合は捨て水をバケツに取ってその中で洗う ピカピカに洗わないこと 水道水で洗うのはダメ
4 濾過材を交換する場合は半分は古い濾過材を残して半分だけ新品に交換する。(古いものから新しいろ材へバクテリアが移ります。)
5 底砂は魚が入ったまま魚が埋まらないように底砂をゆっくりかき混ぜて汚れが舞い上がっているうちに三分の一換水する。
6 交換する水はカルキ抜きした水ではなく天日で干した水を使うこと、バケツを置く場所がない人のみカルキ抜きを使用する
注意1
生物濾過に必要なバクテリアは魚のアンモニアがない環境では増えません。なのでスターティングフィッシュが必要です。
※スターティングフィッシュという名前の魚はいません。水槽をスタートする時に入れる魚なので"スターティングフィッシュ"なのです。
注意2
硝化作用(生物濾過)を理解するにはまず"二酸化炭素"を理解するところから始めましょう。二酸化炭素はわずかずつ水中へ溶け込んできます。
(魚の呼吸などからも二酸化炭素は発生します。また植物も夜には酸素を吸って二酸化炭素を吐き出します。)
CO2(二酸化炭素)がH2O(水)に溶けるとH2CO3(炭酸)になります。水槽中の温度やPHによって電離する量は変わります。
次にHCO3 ̄(炭酸水素イオン)とH+(水素イオン)に分かれます。化学式の合計が一緒だという事がお解かりいただけましたか??
このことからHCO3 ̄(炭酸水素イオン)が水槽中にいくらか溶け込んでいることがお解りいただけると思います。
次に魚を飼い始めると第2章で(硝化作用によって)H+(水素イオン)が発生します。このH+(水素イオン)がもともと水槽内に含まれている
HCO3 ̄(炭酸水素イオン)と結合してH2CO3(炭酸)にしていきます。ここまでよろしいですか??解からない場合は初めから読んでね。
その結果もともとあったHCO3 ̄(炭酸水素イオン)がどんどん炭酸にして大気中に戻していくためHCO3 ̄(炭酸水素イオン)が枯渇した
瞬間からH+(水素イオン)が増えた分だけPHが下がるのです。このことからHCO3 ̄(炭酸水素イオン)はH+(水素イオン)の緩衝材と
なります。緩衝とは対立するものの突入をやわらげるという意味です。
第3章 お店で特に多い質問(酸性の魚とアルカリ性の魚の飼育について)
当店は錦鯉、金魚、熱帯魚に飼育用品全般といろいろな商品、生体を扱っておりますがなかでも熱帯魚は酸性、アルカリ性
など錦鯉、金魚にはない飼い方をしないといけない魚がいます。その中でももっとも多い質問は下記のものとなります。
Q プラティーとネオンテトラ一緒に飼えますか??
上記の質問アナタの周りの熱帯魚屋さんならなんて答えますか??私の答えは「一緒に飼うことは可能です。」と答えます。
「えーーっアルカリ性の魚と酸性の魚は一緒に飼えるんですか??」となるところですがここで第1章の1の「水槽と魚は一緒に購入しない」
が意味を成してきます。通常水道水の水は弱アルカリ性なのが一般的です。中にはそうでないところもあります。お店ではネオンテトラを
販売するにあたり水を弱酸性にしてお客様の購入を待っています。ネオンテトラの水質は"弱酸性"なのです。お店で水槽セットとプラティー
ネオンテトラを一緒に買ってきて急いでカルキ抜きした水でプラティー、ネオンテトラを一緒に飼い始めるとなぜかネオンテトラが死んで
いく経験をした事はないでしょうか??それは水がアルカリ性に傾いていてネオンテトラがもといた環境とは反対の水質で飼っているからなのです。
あわてて用意した荒い水にバクテリアの浄化も期待できない水で水質まで反対の環境では1週間も生きていればいいほうではないでしょうか??
たまたまうまく飼えてしまっている方も大量の水換えで弱アルカリ性に水質が傾き、ネオンテトラが調子を崩しはじめであわてて薬を投入するが
病気ではないため直らず死んでいってしまう。これが初心者を育てるために販売した水槽&生体セット販売の落とし穴なのです。これでは
初心者を育てるどころか「俺には飼育は無理だな」となってしまいます。今、流行りの小型水槽は片付けるのも簡単なのでせっかくの初心者を
失う事となってしまいます。そこで登場するのが近所の金魚、熱帯魚屋さんとなるわけです。
ブラティーとネオンテトラ一緒に飼う方法
1 水は一週間以上作り置きしたコナレた水を使用する。
2 水質測定用品(PH(ペーハー)測定)を最低でも揃えておく。(水を作って3日目と魚を入れる前日のPH(ペーハー)を見ておく)
3 飼いたい魚を決めて現在のPH(ペーハー)を購入店に伝える。
4 飼いたい魚のPH(ペーハー)と水槽のPHが離れている場合は飼いたい魚を変更するかPH調整剤を入れる。
5 PH調整剤を入れた場合その翌日と魚を入れる日のPH(ペーハー)を計るかなり違いがある場合は後者の方が正しいPHである。
6 魚を購入後は自分の水槽に袋のまま30分はつけて水温を一定にする。(初日は一種類のみ購入すること)
7 袋のゴムをといて自分の水槽の水を袋に入っている水量の約半分を足して水質をあわせる。
8 そのまま水を水槽へあけても良いが出来れば魚のみ自分の水槽へ移す。
9 3日は餌を完全に止めて様子を見る。
10 餌を少し与えてみて反応を見る。
11 餌を食べるようになったら回数を増やす、増やすといっても1日の量を二等分、三等分にするだけであまり量は増やさないこと
12 新しい仲間を水槽へ迎える場合は1日餌を止める、あとは"4"から同じ様にすればよい。
第4章 水草のお話
水草水槽というと熱帯魚を飼っている人なら一度はチャレンジしたあるいはチャレンジしたいと思っているのではないでしょうか??
でも結果はというとほとんどの人が「枯れてしまった」や「コケが発生してやめてしまった」などなかなかうまくいかないのではないでしょうか??
仮にうまくいったとしても「白化現象」になってしまい高価な肥料を足してはみたがコケだらけになってしまったという経験はないでしょうか??
ここではなぜ水草が枯れてしまうのかを考えたいと思います。皆さんが思っている以上に水草はシビアなものです。(種類によっては)
ただ一度理解すればきれいな酸素の気泡の出す光合成の姿を見ることができますよ。
失敗しないための水草の育て方
1 底砂
まず水草を育てるには"底砂"が必要となります。まず基本の"底砂"を選ぶ段階で間違いをしている人がいるようです。
★ 南国砂など貝殻やサンゴのかけらが入っているものを選んでいる。
※これはもう致命的ではっきり言って水草は育てる事は出来ません。なぜなら水草は軟水の"弱酸性"でなければ育たないのです。詳しくいうと
また難しくなりますのでここまでにしておきますがサンゴや貝殻を水に入れると硬度とPHが上がります。上がるという事は"アルカリ性"に
なるという事です。ここでいくらPHを下げる調整剤を買ってきてもサンゴや貝殻がなくならない限りぜーーったいに"弱酸性"にはなりません。
サンゴや貝殻の量によってはいずれ水草に適した最適な"底砂"にはなりますがかなりの時間がかかるためその間に諦めてしまう人も
多いのでは・・・
化学式で書くとこうなります。
"1"はもともと大磯や南国砂などを底砂に使用していて水草水槽のために二酸化炭素を強制添加したときの反応
"2"はバクテリアがしっかり機能した水槽に水草飼育のために大磯や南国砂(サンゴのかけらが入っているもの)を入れた場合の反応
サンゴ砂 水 二酸化炭素 炭酸水素カルシウム(水に溶けるとアルカリを示します。)
1 CaCO3(炭酸カルシウム)+H2O+CO2→→→→→Ca(HCO3)2=水草にとっては最悪の環境
サンゴ砂 第2章での副産物 硬度が上がる元 アルカリの元、水素を中和します。
2 CaCO3(炭酸カルシウム)+H+(水素イオン)→→Ca2+(カルシウムイオン)+HCO3 ̄(炭酸水素イオン)=水草にとっては最悪の環境
KH(炭酸塩硬度)とは炭酸水素イオン(HCO3 ̄)を持つカルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)
非炭酸塩硬度とは炭酸水素イオン(HCO3 ̄)以外の硫酸イオンなどを持つカルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)
GH(総硬度)とは炭酸塩硬度+非炭酸塩硬度総量で低い水を"軟水"高い水を"硬水"といいます。
通常は南国砂など貝殻やサンゴのかけらが入っている"底砂"は硝酸(しょうさん)や塩酸(えんさん)や酢酸(さくさん)で処理した後、使用
するのが好ましいですがそうでない場合などは大磯などの貝殻やサンゴのかけらがあまり入っていないものを選ぶと良い。ただしメーカーに
よって配合割合まちまちのためお店の人に聞いてみてください。水草に適した底砂と言えばソイル系などですがもともと"土"を固めた
もののため1〜1年半で崩れてくるのでリセットが必要となります。そうなると一番適したものはセラミック系の底砂か処理をした後の"大磯"
などがもっとも最適な底砂だと私は思います。実際当店の水草水槽(大したものでは御座いません。)の底砂は大磯などを使用しています。
2 蛍光灯
次に水草を育てる場合に必要となるもののなかに蛍光灯の存在があります。植物は"光"によって光合成を行ない生きています。
したがって"光"がない場合には生きていけません。
初心者が陥りやすい水草水槽の失敗
上記の"底砂"をクリアしても水草がうまく変えない方は次に"蛍光灯"に注目してみてください。水槽セットに入っている蛍光灯を使用して
いませんか??蛍光灯本体にはさほど問題は無く問題は"蛍光管"と"蛍光管の本数"にあります。60cm水槽の場合おおむね二灯式が
好ましく一灯式では"光量"不足となります。"蛍光管"はケルビンでいうと8000〜10000を目安にしてください。意味が解からない人は
"ADAの蛍光灯をください。"とお店の人に言って下さい。60cm用ですと20W、90cm用で30Wが普通です。不安な人は1本外して
お店に持って行きましょう。"ADA"の蛍光灯を使用すれば"光量"はOKです。ちなみに"ADA"とはアクア・デザイン・アマノの略です。
今ではLED蛍光灯が主流となっているため消費電力が少なく発熱量の少ないLEDをお勧めいたします。(LED製品の値段はまだまだ高いです。)
3 二酸化炭素
水草にとってもっとも大事なものは"光"ですが元気よく成長するには二酸化炭素が必要になってきます。通常水草と小魚を
一緒に飼っている場合小魚が出す二酸化炭素が水草に吸収されたりもともと水中に含まれる二酸化炭素が使われたりします。
二酸化炭素が行き届いている水草水槽は気泡を付けたり、気泡を水面へ放出したりと見ているだけで心が和みます。
水草は種類によって沢山の二酸化炭素をほしがる種類とそうでない種類がありますので水草を買ったからと言って必ずしも
二酸化炭素の強制添加が必要になる事はありません。ただ水草にとって二酸化炭素は必要なものですので強制添加をすれば
水草は元気よく育ち二酸化炭素を添加した効果を見ることが出来ます。
4 肥料
魚などの飼育でもそうですが餌を与えるのが一番難しいといわれています。魚の"餌"にあたる部分が水草の場合"肥料"となります。
まぁ肥料と言ってもどのぐらい与えるかが問題で私の経験上、与えて藻が発生すれば多すぎ、白化現象になれば少なすぎなどと
あいまいで明確な量は入っている水草などによるためわからないのが現状です。ただ肥料を使った事による害のほうが多いように
思われるため初心者の内は肥料の多用は控えるべきだと私は思います。一番いい方法はソイルなどを使用することです。ソイルには
すでに肥料の一部が配合されているものがあるため後から足す必要はありません。肥料の成分が枯渇した頃にはソイル自体が
リセット時期にきている場合が多いためソイルを使えば肥料の心配はないといえます。
5 水温
水質、光、二酸化炭素が完璧でも避けて通れないのが真夏の水温上昇です。通常28℃を超えると水草は溶けたり枯れ
始めます。それを防ぐには換気をよくしてガラス蓋などを取り外し、水を蒸発させて水温を抑える方法があります。ただしこれは
外気温と同じにするだけですので外気温が28℃を超えてしまえば水温も28℃を超えてしまいます。そこで登場するのが
冷却ファンやクーラーとなります。もっとも効果のあるクーラーは水温を26℃にキープして水草の生育を促進します。蛍光灯など
で水槽を照らしたり水中ポンプなどの熱は水温を上げる要因になりますのでクーラーはワンランク大き目を用意することをお勧めします。
第5章 PHを上げたい・PHを下げたい
熱帯魚を飼っていると必ず行き着く問題が「PHを上げたい・下げたい」となります。ただ単に上げ下げするのでしたら簡単な話ですが
ここではどのようにして上げ下げをするかを考えたいと思いますがまずは上がる原因と下がる原因を調べてみましょう。
そもそもPHとはなんだと思いますか??実はH+(水素イオン)とOH ̄(水酸イオン)の割合なのです。双方の総数は
決まっていて"14"です。ともに7対7なら中性となります。ちなみにH+(水素イオン)が増えると酸性になります。
(H+とOH ̄でPHが決まる場合は純粋の"水"の場合のみです。)
Q PHが高すぎて困っている
このような質問では濾過材や底砂の選び方が原因なのが多いようでする。では何が原因なのでしょうか??"底砂"にあまりお金を
かけられない場合(魚にお金を使ってしまって)必然的に選ばれるのが安い、南国砂や大磯となります。ともにサンゴや貝殻が
入っているものがありそのまま使うと第4章でも説明しましたがPHはまず上がります。多分7.5〜ぐらいになります。
PHを見る週間のある人はいいですが初心者の場合そのまま見ずに魚を入れることとなってしまいます。選んだ魚がたまたま
グッピーやプラティー、アフリカンシクリットなどの場合はそのまま飼えてしまい飼える様に自分でしたわけではなく"たまたま"飼えて
しまうのです。話が反れましたが濾過材にもPHを上げるものはあります。流行のリング濾過材(一部)やなんとかシェルやサンゴ砂などです。
やはり初めて水槽セットを用意する場合は本など少し読んだ上でお店の人と相談して購入するようにした方が良いでしょう。
無駄な出費も抑えられてその分他にお金を回せますからね。
Q PHが低くなりすぎて困っている
どちらかというとPHを下げるよりも上げる方が簡単でしかも安くできます。ただしこちらの方がちょっとシビアでして水槽内で起こっている
事実を知らずに「上がった上がった」と喜んでいる方が多いようです。ようするになにを使って上げるかが問題になってきます。
どうしてPHが下がるのか??
硝化バクテリアの作用でH+(水素イオン)が生まれます。そのためH+(水素イオン)とOH ̄(水酸イオン)の割合が崩れてしまい
PHが下がってしまいます。もう少し突っ込んだ話をするとH+(水素イオン)とOH ̄(水酸イオン)の割合での話は純粋の"水"の
場合に限ります。水槽内に魚、水草、底砂、濾過材などなどを入れると中で色々な物質が入り混じるため純粋の"水"ではなくなり
さまざまな化学反応を繰り返した結果答えとして"PH"が決まります。したがって机上の空論で簡単に足し算、引き算は出来ませんが
でてきた"PH"が答えとなります。なので「なんで」そのPHになったかを知る事が大事となります。またセット後数日経つとPHが変わる
場合がありますのでやはり"PH測定用品"は常に常備とておいた方がよいでしょう
Q 家の水槽ではPHが4.0でも元気ですが・・・
結論から言うと硝化作用で少しずつ下がっているPHに魚がなれてしまっているのです。鰭の先などがギザギザしてきたり
肌が荒れて黒ずんだりと症状は現れているはずです。もし多量に水替えをしてPHが7.0付近に戻った場合最悪PHショックで
大事な魚が死んでしまうかもしれません。熱帯魚を始める方で肉食の大型魚から飼い始めた人に多い間違いはその魚の丈夫さに
甘えてしまい"魚は水換えを少々怠った程度では死なない"と勘違いしてる人が多いです。実際に肉食の大型熱帯魚はとても
丈夫でPHが"4"を下回っても魚はよく餌を食べます。ただ肉食の大型魚に飽きてしまい金魚や小魚に転向した人の皆さん思うのは
"何でこんなに弱いの??"となってしまいます。PHが下がるのはバクテリアの硝化作用がうまく働いている証拠でよいのですが
下がりすぎるといろいろと害がありますので定期的な水替えをお願いします。
PHを上げる方法 (下がったPHを水替えをせずにPHだけ合わせる目的で投入しないでくださいね。)
1 水換え
2 アクアニートを入れる
3 サンゴ砂、カキガラなどのCaCO3(炭酸カルシウム)を含むものを水槽に入れる。
4 PHプロックを入れる
5 アニオン樹脂を通した水を補給する
PHを下げる方法
1 PHブロックを入れる
2 流木をいれる(フミン酸、フルボン酸、タンニン(C14H10O2)などの腐食酸によってPHが降下する)
3 二酸化炭素を添加する
4 リン酸を入れる
5 カチオン樹脂を通した水を補給する
第6章 カルシウムリアクターとは(海水編)
ベルリン式水槽などでミドリイシやサンゴなどを育てる場合どうしてもカルシウム、炭酸イオン濃度(KH)が欠乏してしまいサンゴ
などがうまく育たなくなってしまうそこで不足分を補う形でカルシウムリアクターを用いて添加してやる必要がある。
CaCO3(炭酸カルシウム)+H2O(水)+CO2(二酸化炭素) = Ca(HCO3)2←←炭酸水素カルシウム
Ca(HCO3)2(炭酸水素カルシウム)→→→→→Ca2+(カルシウムイオン)+ 2HCO3- (炭酸水素イオンKH)
これでサンゴに必要なカルシウムとKHが補充できましたね。
でも上記の式はどこかで見たことがあるなぁ〜ん---あっ第4章の"水草のお話"ですでに紹介してましたね。
このことから解かるようにサンゴの生育に必要ことを水草水槽で知らず知らずやってしまうことがあるのです。
水草水槽に求められる水質は軟水の弱酸性 サンゴに必要な水質は硬水の弱アルカリ性だということが
お解りいただけると思います。海水はあまりにも奥が深い為これ以上書くと専門家の人から指摘を受けそうなので
これぐらいにしておきます。
※この第6章は第4章の"水草のお話"を解かりやすくするために書いています。
第7章 浄水器
浄水器を扱う上で重要なことは交換カートリッジのランニングコストにあります。当店が扱うマーフィード製の浄水器のスタンダードは
他社と相互性があり一般的に10インチと呼ばれるカートリッジを使用します。セディメントフィルター、カーボンフィルターが主な交換フィルター
となるためフィルターサイズが10インチでなおかつセディメントフィルターなら1,000円以内、カーボンフィルターなら2,000円以内なら
どの浄水器でもいいと思います。
軟水器
軟水とは水道水中のカルシウム、マグネシウムの低い水で日本の水道水は中程度の硬水と言われています。世界的に見て
日本は硬度の低い水といわれていますが熱帯魚などが暮らす"水"の中には軟水の地域があり軟水で飼育しないと調子を崩す
種類があります。その中でディスカスは有名です。
軟水器の再生方法
RO浄水器
ROとは逆浸透膜を利用した浄水器のことをいいます。
フィルターでいいますと4種類のフィルターを通ったのち純水となります。(TDSでいうと2〜4程度の水)
セディメントフィルター→→→カーボンフィルター→→→メンブレン(逆浸透膜フィルター)→→→ミックスイオン樹脂→→→純水
第8章 ゼオライト
アクアリウムでのゼオライトの主な役割は硬水を軟水に変えることにあります。ゼンライトは目には見えませんがNa+という手というか
足というかとにかく陽イオンの物質をもっています。水中にCa+(カルシウム)などあるとゼオライトはNa+と交換して水を軟水にします。
用はカルシウムを吸着して変わりにナトリウムを放出するということです。ゼオライトは他の名前ではアルミノケイ酸塩とも呼ばれ洗剤に
も含まれています。主な役割は汗などに含まれるカルシウムが水を硬水にさせ洗剤の泡立ちが悪くなるのでそれを抑えるのに使われています。
アンモニアも強力に吸着しますので水槽の立ち上げ時にはかなり有効です。
再生
ゼオライトは陽イオン交換をするのは上記でも説明しましたが交換するとゼオライトは飽和状態となります。そこで再度ゼオライトを
元の状態に戻すために"再生"をします。再生方法は簡単で塩水につけるだけです。塩の成分はNaclです。したがって上記と逆の
方法で元に戻してあげるのです。
注意事項
アクアリウムでは最近薬害が無いということで"塩水浴"がよく用いられます。当店でも塩は欠かすことのできないもので新しい魚の
入荷時にはよく使用します。ここで注意が必要なのですが飽和状態のゼオライトが入っている水槽で塩水浴を実施するとどうなるか??
そうです。今まで吸着したものを一気に水槽中に放出してしまい大変なことになってしまいます。ですのでゼオライトと塩は十分に注意
する必要があります。意外とアクアリウム用品にはゼオライトを使って作られている物があるんですよ。
第9章 消石灰と生石灰
酸化カルシウム(生石灰)→CaO 目に入ると危険 水と混ぜると加熱します。乾燥剤、お酒、弁当などの暖めにも使用
水酸化カルシウム(消石灰)→Ca(OH)2 グランドのライン引きに使用されています。
石灰水
石灰水(アルカリ性)とは水酸化カルシウムの解けた飽和水溶液、二酸化炭素を添加すると炭酸カルシウムCaCO3が生成され白濁する
さらに二酸化炭素を添加すると炭酸水素カルシウムCa(HCO3)2となり白濁が消えて透明になる。
Ca(OH)2+ CO2 → CaCO3+H2O CaCO3+H2O+CO2→Ca(HCO3)2
第10章 オゾナイザー
オゾナイザーとは簡単に言うと空気からオゾン(O3)を作るものです。主な用途はクリアな水を作ったり、飼育水の殺菌に使用します。
ただどんなものにも使い方があり、このオゾナイザーほど使い方や設置方法に注意しないといけないアクアリウム用品は無いのでは
ないでしょうか?? 使い方次第では臭いにおいのエアーを出すだけの商品となってしまいますので・・・・・
少し脅しましたが使用方法と原理を理解すれば簡単に使いこなすことが出来ます。
オゾナイザーを使用する上で必要なもの
1 オゾンナイザー 2 エアーポンプ 3 エアーホース 4 シリカゲル(乾燥剤) 5 オゾン放出部(エアストーン プロテインスキマー ミキサー)
※4のシリカゲルをわざわざ難しい言葉で"エアードライヤ"という表記しているページもありますが乾燥剤のことです。
オゾナイザーを使用する場合の流れ
エアーポンプ → シリカゲル(乾燥剤) → オゾナイザー → オゾン放出部
ここで一番重要なのはオゾン放出部です。これに何を使うかによって効果があったりなかったりします。用は水に長い時間オゾンを
触れさせることが重要なためストーンなら目の細かいもの、ミキサーならプロテインスキマーなどが良いでしょう、もうひとつ重要なのは
淡水にオゾンを使うか??海水にオゾンを使うかですがプロテインスキマーの場合、海水でないとプロテインスキマー自体は意味を成しませんが
オゾンを水に攪拌させるという意味で使うなら淡水のプロテインスキマーの効果を十分に発揮させることができます。
やってはいけないオゾナイザーの使い方
1 シリカゲル(乾燥剤)を通さずに使用 → オゾン発生部が早く痛んでしまいます。
2 目の荒いストーンでオゾンを放出 → オゾンが水と反応せずそのまま大気中に放出します。
(オゾンを締め切った部屋で放出すると臭いです。頭痛がする場合有り)
オゾナイザーと水の反応(化学式)
飼育水がアルカリ性の場合の反応 (酸化剤として働くときの反応)
O3+H2O+e2 ̄ = O2+2OH ̄
飼育水が酸性の場合の反応
O3+2H+e2 ̄= O2+H2O
※酸化とは 物質が電子を失うこと 物質に酸素が化合する反応 物質が水素をを奪われる反応
海水でのオゾナイザー使用の注意点 ※淡水での使用は活性炭を通す必要ありません
海水でオゾンを使用すると臭素イオンがオゾンと反応して酸化し、魚にとって有害な酸化臭素となります。
これを知らずに稼動し続けると酸化臭素濃度が上がり魚が全滅ということにもなりかねませんのでプロテイン
スキマーの出口、または濾過槽でオゾンを発生させた後の酸化臭素処理で活性炭を通して飼育層へ水を戻してください。
第11章 酸化還元電位(ORP)
酸化還元電位とは酸化させる力と還元させる力との差を電位差で表したものとなります。
酸化還元電位の値がプラスなら酸化体が強くあり逆にマイナスなら還元体が多くあることになります。
※酸化還元電位はOH−とH+が関係してきますがPHは必ずしも比例しません。
水の代表的な酸化体は酸素(O)、還元体は水素(H)で酸化還元電位で表すと水素が−420mvで酸素が+820mvとなります。
つまり酸化力が強いということは酸化体が多いことなので酸素が多く、酸化力が弱いということは酸化体が少ないので酸素が少ないと言えます。
従いまして水槽内にエサ、糞、ヘドロ、死骸などの有機物が多く存在すると有機物を分解するために多く酸素が消費され結果、酸化還元電位が下がるということです。
酸化還元電位が低いイコール酸素を多く消費する有機物が多い(好気性バクテリアが活発に動いている)ということになります。
実際の指数的には有機物(エサの食べ残し、糞、ヘドロ)が少ないとされる300〜350mvが目安ですが水の出来始めや濾過バクテリアをうまく使った飼育などで大きく変わります。
酸化還元電位で解るのは飼育水の出来上がり具合です。水槽立ち上げ時は魚のぬめり、糞などに加え、バクテリアが汚れた水を処理しようとして酸化還元電位は下がり始めます。
そして徐々に水が出来てくる(好気性バクテリアが増えてくる)と酸化還元電位は上昇に転じます。魚を水槽に増やした場合に一度下がった酸化還元電位が上昇に転じない場合は
魚が多すぎる、濾過槽が汚れで機能していない場合があるため濾過槽の掃除から初めてそれでも改善しない場合は魚が多すぎるということになります。
24時間稼働の酸化還元電位モニターがあると次のようなことが解ります。(経験談含む)
1 生体の死滅
2 コケや青水の死滅
3 濾過槽の詰まりor循環ポンプ、エアーポンプの故障
4 殺菌灯の球切れ
5 差し水バルブの破損or井戸ポンプ故障
※新水(水替え)を行うと一時的に酸化還元電位は下がります。農業用水、水道水、井戸水、汲み置き水では酸化還元電位は大きく変わります。
例えば10尾ほどが余裕で飼えるような水槽をお持ちのお客様でも当店がお客さんに言う「一度に魚を増やさずに初めは2〜3尾にして餌を食べるようになってからまた来店してください」
というのは難しく言うと上記のような内容になります。
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川合観賞魚
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