森を再生する会
森は命。
澄んだ空気と清らかな水をつくり、豊かな生態系をはぐくむ森。この森が、今、死んでいます。山を守って生きてきた山村の人々は、山を捨て、都会に出て行きます。そして、廃村。これから誰が山を守るのでしょう。人工林に変わった山は、手入れしなければますます荒れていきます。
山仕事をしてきた古老は、言います。「昔は、川の水かさが今より30センチは高かったし、澄んでいたものだ。魚もたくさんいて、川遊びも楽しかった。今の子供たちはかわいそうだねえ。山を全部スギやヒノキに変えてから、もう昔の川には戻らん。村には『3割は、かなぎ(堅い木=広葉樹)を植えよ!』という言い伝えがある。それを山のてっぺんまでスギやヒノキを植えてしまった。山から広葉樹が無くなってから山は荒れた。わしら経験からわかっとる。」
大雨が降るたびに山崩れが起き、ダムが埋まっています。これは、天災というより明らかに人災。自然をないがしろにするという人間のおろかな行為のツケが回ってきました。矢作ダムが今、泥で埋まり堰堤から水が溢れています。浚渫をしても泥が再びダムに流れ込みます。世界各地でダムを壊し、コンクリートのダムの代わりに緑のダム(水源の森)を作る運動が広がりを見せています。
豊かな森が育む命の水は、中流域・下流域を潤し、海の幸の恵みをも与えてくれます。人間の手で荒らした山をもう一度生態系豊かで、人間と森とが共生できる水源の森に復元したい!水は自然の恵みでしたが、山が放置され、手入れする人がいない状況では、水を使う立場の中流域や下流域に住むわたしたちで森を再生する道しかありません。
荒れた山は、もう待ってくれません。こうした山の現状を憂える流域に住む人々で水源の森・市民の森をつくろうと「森を再生する会」を結成し、具体的な行動を始めます。どうか同じ思いの人に声を掛け合い市民の手で本物の森づくりを始めようではありませんか! 美しい地球を未来の子どもたちに残すことは大人の責任だと思います。
お金という遺産より、命の遺産を残したい!
あなたの命を将来の命につなげるために。
森を再生する会