スピネル
( Spinel / 尖晶石 )


長い間赤いスピネルがルビーと混同されてきたのは、有名な話ですのでご存知の方も
多いと思います。カラーバリエーションも豊富でサファイアやルビーよりも安価ですので
加工にはおすすめです。スリランカの漂砂鉱床では、スピネルが見つかるとその下層に
サファイアの含宝石砂礫層が見つかる事が多いそうです。硬度は8宝飾加工向きです。



    

左側はブラウン・レッド  ビルマ モゴック産
中央はよくルビーと混同されるレッドです。ビルマ モゴック産
右側は比較的希産のバイオレット  スリランカ産






希産なジンク・スピネル(ガーノ・スピネル)
通常のスピネル(Mg Al2O4)のマグネシウムが亜鉛に置き換わった
ガーナイト(Zn Al2O4)との固溶体で通常のスピネルに比べ屈折率
が幾分高いそうなのですが、ややこしい事に鉄に置き換わった
ヘルシナイト(Fe Al2O4)との固溶体(アイアン・スピネル)も殆ど同じ
ですので目視での判別は困難なのです。この様に特別な名前が付
くと販売価格は少し高価な事が多い様です・・・・でも正直見た目は
変わんないです。

ビルマ モゴック産



        

写真左側 コバルト・スピネル
通常スピネルのブルーは鉄に起因しますが、希にコバルト発色の
ブルー・スピネルが存在しマニアに人気の希少石となります。
スリランカ ラトナプラ産
*この石は鉄とコバルトの両方が存在するそうです。


写真右側 カラーレスは意外と希ですが、宝石としての魅力は
少ないのでマニアしか欲しがりません。
ビルマ モゴック産
見た目ソックリなサファイアはこの様な無色や色味の薄い(変色の可能性を持った)原石を
ギュウダと呼んで主にタイで熱処理され美しい宝石に変身するのですが、何故かスピネル
はあまり変色しないそうです。ですから特に表示の無い物を購入してもナチュラルの石で
ある可能性が極めて高いです。



      





八面体がはっきり判る大理石の母岩付き標本と分離結晶。
ビルマ モゴック産



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