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ジルコン
( Zircon / *風信子石 )
日本では一昔前の安いダイヤの代用品として使われた人工結晶のキュービックジルコニアの
イメージが強くジルコン=イミテーションと思っている人も多いです。外国での評価は決して悪く
なく大変美しい石で、硬度は7.5と宝飾に適しています。
*和名はヒアシンスを指す。更にさかのぼると花の名前は神話の時代
スパルタの王子ヒアキントスに由来。この王子は額を割って死んでし
まうのですが、その血から咲いた花らしい・・鉱物名とした時には赤い色
から連想したそうなので、ちょっと怖いですね。(花のカラー・バリエー
ションは豊富)因みに犯人は西風の神ゼフィルス。和名の風信子を考え
た人はそこまで含んだと思うのは考えすぎでしょうか?
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左側は一遍が30mmの大きな結晶が付いています。 オーストラリア産
右側は漂砂鉱床から産出の水摩礫。 スリランカ産
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左側のブルーはブラウン系の石を加熱処理して得られた色相。
バック・ファセットが強い複屈折によりダブリングを見せています。
ピンボケじゃないんですョ。
写真右側は非加熱のゴールデン。このカラーは産地によっては
左側のブルーを酸化状態で再加熱して得ることもあります。
スリランカ エミビリピテ産
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グリーンはトリュウム、ウラリュムを含むメタミクト構造である事が多く
次第に結晶格子が崩壊していきます。崩壊作用を受けた物をロータ
イプ、受けていない物はハイタイプと呼ばれます。写真の石はどちら
かは確認していませんが、ロータイプの可能性が高いです。
スリランカ エラハラ産
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最近単発的に産出した(‘05)微妙ながらもカラーチェンジするジルコンです。
紫外線に反応し遮光状態でゆっくりと元に戻る変りダネ。
*オレンジ(写真左側)→ブラウン(写真右側)に変化、遮光二週間で元に戻る。
カンボジア Ratanakili 産
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