コランダム
( Corundum / サファイア、ルビィー )


宝石名はサファイア、赤色のみルビィーと称します。基本的に六角柱状の結晶ですが先端に 
向って先細になって行く為、殆ど両垂なった結晶もあります。
宝石として特に有名な物では、素晴らしいブルーのインド カシミール産のコーンフラワー (矢
車菊)、目の覚める様なミャンマー産のピジョン・ブラッド(鳩の血)、ピンクともオレンジとも言え
ない微妙な色合いが神秘的なスリランカ産のパパラチア(蓮のつぼみ)、等々。硬度は9で宝 
飾品とするには理想的です。



    
                                                         
右側は新しい加熱処理法でパパラチアカラーにされた原石。
(クリソベリルの粉末を加える方法で、従来に無い色相変化を促します。)
マダガスカル産


左側はサファイアの原石標本。ビルマ モゴク産





様々な色相のサファイア

中央のブルー・サファイアは加熱処理されていないナチュラルですが、
目視での識別は困難です。






トラピッチェ・ブルーサファイア
くすんだ灰色のものは見かける事はありますが、これだけブルーのしっかりのった物は
初めて見ました。エメラルドより希産なルビィーよりも更に希産なのは間違いありません。
鉱山主の方が四粒のみお持ちの一つを分けていただきました。

嬉しいので写真大きめ(笑)。  ビルマ モゴク産






この様にくすんだ灰色の物は比較的容易に手に入ります。大柄な物が多く、
ジックリ探せば安価に手に入れるチャンスがあるのでは?写真の物で約21Cts

ビルマ モゴク産


・・ ・・

淡い色調のセイロン・ブルー、
このカラーは最近好まれる様
です。

スリランカ産

深みのあるインク・ブルー、
定番とでも言いましょうか、
ベスト・カラーより幾分深い
色です。

タイ産

スチール・ブルーはこの産地の
代表的なカラーで加工すると
シックで素敵な宝飾品なり
ますよ。

U.S.A モンタナ州 産


・・・ ・・・

オレンジは人気があります。
イエローやピンクよりも幾分
高価な場合が多く感じます。
この石は鑑別でゴールデンとで
る可能性もあります。かなり微妙

マダガスカル産

イエローは金運のお守りで縁起
が良いそうです。

スリランカ産

ピンクは人気があるカラー
ですが価格はお買い得。
でも少し色目が濃くなると
ルビィーになってしまい
高価になります。

タイ産


・・・ ・・・

カラーレスのサファイアは
意外と希少です。この石も
照明の具合によって若干
藤色を帯びてしまいます。
完全無色は探すのに苦労
しそうです。

マダガスカル産

実際はグリーンに発色している
訳ではなく顕微鏡レベルでイエ
ローとブルーが相互し存在して
いる為そう見えるだけなのだそ
うです。

タイ産

ブラックと称しておりますが
実際は濃い藍色です。バック
をライティングしますと成長
層が確認できました。この石
は知人に頼まれ探した物で8
カラットあります。

タイ産





バイオレト スター・サファイア   ビルマ モゴク産

六条の星状光彩(アステリズム)が浮かび上がる物をスター・サファイアと呼びます。
この不思議な現象は内包物のルチルが目視では解らないほど細く針状に規則正し
く並んでいる為です。
評価の高い物は色目が濃く、スターがハッキリし、透明感のある物。ところがスター
がハッキリする為にはルチルの内包物が不可欠。しかし多いと白っぽくなり、透明感
も無くなる・・何だか矛盾を感じますが世の中には絶妙なバランスの一品が存在する
のも事実です。



ルビィーの結晶


    


トラピッチェ・ルビィーの標本

この様な結晶はエメラルドが有名ですがコランダムにも存在します。この産地では
分離結晶で産出され、幾分結晶のエッジが丸くなっているので、おそらく長い年月
の間の風雨によって母岩が崩れ体積した層に有るのでしょう。

産地 ビルマ マンシュウ産


 

左側はタイ産,比較的透明度があり紫外線照射で蛍光発光します。
右側はインド産,大きな結晶で200g以上あります。


    


写真左側、この産地のルビィーは発色が一味違いますね、紫外線照射で
蛍光発光します。母岩は大理石。
ビルマ モゴック産

写真右側、両端に行くほど細くなる特徴的な結晶が綺麗な標本です。
ベトナム産



カットされたルビィー




最近産出がかなり落ち込んだベトナム産。


 

上段はインド産スタ−・ルビィー,
下段二つはタイ産です。
左側はビルマ マンシュウ産、右側はタイ
産。下の写真が紫外線照射時です。



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