第1号議案
JP労組三河碧海支部
2012年度活動方針(案)
提案にあたって
4月27日、私たちが郵政改革の実現をめざし、組織の総力をあげて成立に向けて取組みを進めてきた「郵政法案」が可決・成立しました。
今後は、組合員が明るい将来展望を描くことができる事業確立に向け、「新たな郵政づくり」に万全を期すこととします。私たちは、第1回定期支部大会で民営・分社化された郵政を展望し、それに基づいた向こう5年間の運動の方向性を「中期的な運動方針」として決定し、三河碧海支部の礎を築いてきました。
本年は、結成からこれまでの5年間の運動総括をはかり、三河碧海支部のさらなる発展を期すこととします。
これまでの組合員の皆さまの活動に敬意を表しつつ、昨年度確認の「基調大会方針」に情勢変化等を踏まえた補強方針を加え、以下のとおり2012年度活動方針を提案いたします。
議案討議を通じて、組合員間に共通認識を醸成いただき、運動の豊富化に向けて活発な意見を支部大会に持ち寄っていただくことを要請します。
はじめに
(過去に想いを馳せて、2011年度の“はじめに”を加筆した)
労働組合の歴史は、労働条件を同じ条件下に変えることや、労働の機会を与えることによって平等を目指してきた。しかし、郵便集配の労働条件は、集配センターが全国津々浦々にあるため自然環境に大きく制約されてきた。
また、地域ごとの異なる事情にも左右されてきた。視点を変えれば「不平等」を甘受する仕事であると言える。
だが、伝統的な郵便集配の仕事は、それぞれの地域特有の特徴や利点を活かしながら「平等」な仕事の「かたち」に変えてきた。言い換えれば「不平等」を受け入れた「平等」な仕事のかたちを作り上げてきたと言える。
最近では「自助・共助・公助」と言われているが、労働組合にも過去の歴史の中で同じようなことを先駆けて言っています。「自立・共生・貢献」との理念です。分かり易い言葉では「自分のため・家族のため・みんなのため」とのキャッチフレーズでした。
「個」が尊重される時代となり労働組合にも「個」が活かされるシステムが求められています。しかし、「自分のため」と思ってしていたことが、実は「家族のため」であったり「みんなのため」であったりするのです。各組合
員の得意なことや苦手なことを全組合員が理解し合って、【組合員・組合員の家族・退職者】の資格や能力を活かした、「人材プラットホーム」構想とも言う組合員の拠(よりどころ)となる組織を創りあげ、やさしい言葉を掛け合う、助け合いの精神に立脚した組織が担う福祉型労働運動の展開が求められています。
東日本大震災は、安全・安心を軸とする社会づくりの重要性、人と人との【絆】の大切さ、尊さを改めて考えさられる機会となりました。私たちはこ の教訓を活かし、労働組合の原点に立ち返り、組織基盤の確立をはかり、「変わらないものへの価値」を見直すことが必要です。
郵便集配の仕事は「伝統と信頼」という「変わらない価値」があります。この「伝統と信頼」のうえに、私たちが働く郵便局や集配センターは、その地域社会と結びついた多様な「郵便局のかたち」を持っている。
これは私たちの生き方・働き方・暮らし方にも言えることである。東日本大震災に遭う前の東北地方の郵便局・集配センターの社員の生き方・働き方・暮らし方と、私たち三河碧海支部近郊の郵便局・集配センターの社員の生き方・働き方・暮らし方が同じでないのは当然である。
昔は一つであった「生き方・働き方・暮らし方」が、今はバラバラになっている。労働組合の社会的責任のうえに安全・安心の社会をめざし、都市部と農山漁村にある、この多様な「郵便局のかたち」と、全国の郵便局・集配センターで働く組合員の「生き方・働き方・暮らし方」を共同で守ることが「今、求められている」のではないでしょうか?
T、2011年度の運動を振り返って
振り返るにあたり
三河碧海支部として組織統合し、今日までの4年間は組織の融和と融合に時間を要して十分な組織指導は出来なかったと判断しています。原因としては様々ありますが、2011年度は、この4年間の活動から大きく舵を切った活動を展開することを心がけました。組織統合は組合員のためのであってこそであり、会社側との有効なチャネルの確保ではない。
組織統合後、郵政改革の名のもとに「オール郵政」という船の漕ぎ手だけを労働組合が担わされていた。その一方では企業風土改革が遅々として進まなかったのは、一部管理者の資質の悪さが目立つのが原因と考えていました。しかしながら、冷静に判断すると、一部の管理者だけでなく組織だっての感は否めない事象も散見され、今後、数年間は、労働組合としての真価が問われてくるのだろうと考えます。
1.東日本大震災への対応
被災地の復興支援のとりくみは、震災発生後のカンパ活動として昨年大会までに52,128円の義援金が集まりました。その後も地方本部指導に基づき「こころひとつに運動」として取り組むこととしました。
支部としては3月11日、4月8日、6月10日に「心ひとつに運動レク」と銘打って組合員・家族との絆の大切さを実感できるレク活動を通じて組合員の絆を再確認することができました。なお、各レク行事には東日本大震災カンパを実施して、43,752円のカンパが集まりました。
危機管理体制の構築は喫急の課題であり、郵政事業という職種を考えた場合、災害時に必要な緊急避難経路および緊急車両の通行道路情報を地域行政に提供できる体制づくりが必要と考え、連合三河西地域協議会の市長懇談会の中で提言を行いました。
2.郵便再生のとりくみ
「郵便再生に向けて・バージョン1(たたき台)の再生計画については、郵政法案の動向があり十分な対応が出来ませんでした。
ゆうパック事業の非効率を改善するため、【作業のダブルネットワーク化】の徹底的な見直しについては、支店管理者側の意識と組合員の意識改革が必要であり、次年度以降に仕事のやり方の見直しと合わせて取り組みます。業務企画室の集約化については大胆な提言ができるよう支部内での議論を深めること出来ませんでした。
3.職場風土改革に向けたとりくみ
支店管理者のバラツキのない管理者教育の再構築が急務であることを改めて実感する年度となり、引き続き勤務時間を含めた労働のコンプアイアンス違反の検証と改善に取り組む必要があります。
なお、各種ハラスメントについては、一定程度の解決が図られたと考えますが根本的な解決へとなっていない状況であると判断しています。
4.郵政改革のとりくみ
【おおにし健介を励ます中央行動】を10月6日〜7日に、特別国会での郵政改革法案成立に向けた要請行動として「大西衆議院議員」とJP労組出身の「難波参議院議員」の東京事務所激励訪問行動に退職者とも連携し展開しました。また、郵政改革の街頭活動も展開しました。
5.新たな春闘態勢の構築
12月9日に中央本部が主催する支部代表も含めた「春闘討論集会(規模200人程度)」には支部として参加出来ませんでしたが、11月の支部長・書記長会議に支部代表も参加しました。春闘方針決定後に、春闘集会を兼ねたレクを開催し、集会決議を決定し全組合員対象に「はがき」による要請行動を展開しました。
6.福祉型労働運動の展開
支部の福祉型労働運動として、「元気ッス!へきなん」に、市民ボランティアとして参加し会議を重ね、JP労組三河碧海支部として復興応援ブースを14名の組合員にて担当しました。
また、豊栄町盆踊りの出店担当は過去の活動(旧組織時代)の延長線であり継続支援とし取り組みました。
家族形成期世代対象には、そば打ち体験を計画しましたが季節的に無理があり「地引網&バーベキュー」を開催しました。支部として初めての企画であったがJP労組結成以来最大の参加者にて開催できました。
また、碧南市の鷲塚地区の親子にも参加してもらい、「鷲塚おやじの会」と連携し地域社会にあるたくさんのふれあいの場、安心・安全の絆の再確認をしました。
なお、福祉型労働運動を展開するためには地域行政との連携が必要不可欠と実感しました。それには、JP労組の名前ではなく、地域に暮らすJP労組組合員の日頃の地域への関わり方が重要となってきます。組織として内向きではない開かれた社会性のある活動展開が求められている。
教育・宣伝活動を振り返って
1.情報共有化について
広報誌の活用・充実を図る「三河碧海速報」は毎月の発行を達成することができました。情報の共有化としてのツールである支部ホームページは目標である2万アクセスまで近付き、支部の活動予定や活動報告をタイムリーに提供でき内容充実を図りました。
なお、ホームページ掲示板への投稿は限られた投稿者であり今後への課題となりました。
2.教育活動について
教育活動は中央本部主催のパイロットセミナーに参加しましたが、真に効果のあるセミナーかについては検証する必要を感じました。
なお、地本主催のセミナーへ参加することができなかったことは反省する課題であると感じています。
組織活動を振り返って
1.組織体制の確立にむけて
分会体制の確立を最重要課題と位置づけ、重点分会の刈谷・知立には支部三役によるフォロー体制が十分できなかったことは反省するところです。
支部代表支店としての機能が充分発揮されていない状況であるため、代表支店変更が出来ない状況であり、役員の異動を求めることとします。
2.組織の活性化にむけて
潮干狩りは4月8日に開催し、部会組合員向けに炊き出しカレーを振舞い大好評でした。なお、部会組合員専用ブースを設けたことも好評であった一因と考えています。
ネットワーク活動の充実として、こんにちは運動は目的意識を持って(10月〜11月期と6月期の2回展開することができました。なお、重点部会として碧南・高浜部会は3回実施できました。
3.組織拡大について
組織拡大行動は、前年度実施できなかった前年度の採用の未加入者へ声かけを実施し加入拡大行動を展開しました。24年度4月に郵便事業会社に新規採用者がなく取組みが出来ませんでした。
交渉活動を振り返って
1.交渉課題のとりくみ
年末始繁忙対策・期別交渉課題の対応として窓口担当者会議を開催し交渉
部との連携を図り対応しました。郵便事業会社への要求交渉は、支部大会決定要求書を始め、年末年始繁忙対策や職場風土に関する要求書を提出し解決に向けて交渉を展開しました。今年、初めて36締結に向けた年度末要求書として、全分会で要求書を提出し現場解決に向けて交渉を展開しました。
なお、郵便局会社に対しての要求交渉は出来ませんでしたので課題が残る形となりました。
2.郵便事業会社の交渉課題
新たな集配ネットワークの論議は、ビジョン・バージョン2の中でも概要が示されたにとどまり、ビジネス地域・住宅地域・ローカル地域の実情に応じた柔軟な対応を行うとするパターンの具体化に向けて議論を進めることが出来ませんでした。
新たな集配体制構築のための環境整備の一環として「小集団(営業)マネジメント」の高度化が目指され、定着を目標としました。支部としては、昨年から計5回「分会班長会議」を開催し、「小集団(営業)マネジメント」の意識の共有を図ることに努力しました。
ですが、昨年の年賀期の実情、また日常業務における営業時間の確保などから、現在の職場環境からは乖離している状況と判断します。また、エリア目標への移行、収入確保の数字のみを求める姿勢を改めさせることについて継続して交渉していきます。
収支改善に向けた取り組みについては、現場における費用対効果を重視した交渉を強化していかなくてはならないと考えています。支店の各班においては、過度な営業スクールの開催など、要員の生み出しにも苦慮している状況です。安易な営業専門要員への振り分けには今後も反対していきます。
労働力の適正配置の対応に関しては、「小集団(営業)マネジメント」の成果を重視するうえでは避けては通れない問題であり、まだまだ通常業務だけでも追いつけない状態の現場も多く、今後も労働力に関しての交渉は根気強く対応していきます。
なお、【ナカタモデル】については、区分機の2パス率向上を最優先としてきたため、実現には至りませんでした。
3.郵便局会社の交渉課題
社員の休暇取得等による労働力の後補充対策として、部会を単位とする柔軟な要員配置の試行を2010年7月から全国128部会で実施し、支部内では、労使共通認識のもと積極的に取り組んでいただき、概ね順調に休暇取得及び新規採用者フォローが出来たと判断しています。
普通局・集配特定局・無集配特定局と繁閑度合いの差も考慮に入れた大胆な取り組みを進め、支部内の全部会への拡大を求めましたが実現していません。引き続き、安城部会を成功例と考え、支部内の各部会への働きかけを行いたいと考えています。
ウ 総合服務の円滑な推進に向けて
移行判定が目的化し、実態が伴っていないことも直視しなければなりません。この反省の上に立って、今後は、各局が取り組みやすい方法(運用パターン、スキル取得の方法、担務ローテーションのあり方)を示したガイドラインを作成し、ソフト・ハード両面の整備を行い、各局の業務実態に応じた総合服務が円滑に実施されるよう、支部・分会と連携を図り状況を注視するにとどまりました。
エ 窓口事務繁忙加算額等の見直しについて
当該原資の活用により、郵便営業に対するインセンティブが高められるようこと。ゆうちょ銀行併設局・被併設局間の手当水準格差の是正も図れること。等から以上を勘案した場合、支部としても受け止めることとしました。
4.ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の交渉課題
郵便局会社との一体的な業務運営の状況と販売状況の検証をし、問題点
の把握に努め中央・地方の交渉へ反映させることとしました。
今後は、金融2社からの支部役員選出をし、郵便局と連携強化を図りながら進める必要があると感じます。
5.労働政策問題
地方事業政策委員にゆうちょ銀行の木執行委員、郵便事業会社の奥谷執行委員を選出し、前期・後期と委員会が開催されましたが、前期のみの参加となりました。
地域・共闘・福祉活動を振り返って
1.共闘活動のとりくみ
連合運動への参画は、連合西三河地域協議会の副代表へ、引き続き支部
長を派遣し活躍してもらいました。また、ろうきんの推進会議及び労福協へは幹事として大西執行委員を派遣しました。
共闘活動として、退職者組合の碧海支部と交流会を11月19日(土)に紅葉の京都ツアーとして開催し、南禅寺の紅葉や湯豆腐の舌鼓で交流を図りました。
地方議員との連携では、本年四月に行われた碧南市議会議員選挙においては、連合愛知推薦の石川輝彦議員をトップ当選させることができました。
2.地域・福祉活動のとりくみ
貢献活動として献血活動を考えましたが実施できませんでした。引き続
き実施に向けて検討を重ねる必要を感じています。
なお、「こころひとつに運動レク」と銘打ってのレク活動開催時には、清掃活動を組み入れ、福祉型労働運動を面として展開することが出来ました。
今年も、ライフサポート活動の充実として長島リゾート利用割引券を引き続き契約し組合員・家族で年間400名の利用があり大好評でした。新しくモンキーパーク割引券も契約し利用がありました。
3.男女共同参画に向けたとりくみ
「アクション21」の推進計画に基づき取り組みを進め支部役員に女性を複数配置することが出来ましたが、体調不良で退職となり現在は1名配置となっています。
地域レベルでも碧南市の男女共同参画推進会議へ委員を派遣し地域での課題解決に向けても取組みを進めています。
共済活動を振り返って
各分会に共済担当を設置し執行委員との連携のうえ取組むとしましたが、新規加入の取り組みが進まなかったのは、執行委員の共済に対する勉強不足が大きかったと考えます。執行員会にポストライフの唐戸嶋地方部長を招いての勉強会を開催し、以後、毎回の執行委員会にて共済商品の勉強会を重ねて、4月を共済強調月間として取り組み交通災害共済の加入促進をはかることが出来ました。
U、2012年度の重点課題と具体的取り組み
@ 郵政改革の取り組み
ア これまでの経過
これまでの経過と本部判断については中央本部議案のとおり。
イ 今後の対応
「新たな郵政づくり労使協議会」の議論にあったては、郵政改革に向けた組合員の意見・提言を集約し今日的な状況変化をふまえて対応を図ることとなりました。
A 政治基盤の強化と国政選挙への取り組み
ア 政治基盤の強化
「郵政法案」が民主・自民・公明三党の合意によって成立したことは、政治的にも大きな意味を持ち、経営形態議論には一定の決着を見出せたものと判断しています。今後も真に働きやすいい職場づくりや、国民・利用者に期待されるサービスの提供、安心、安全な社会を実現するには、引き続き、政治的影響力を発揮していかなければなりません。
イ 郵政未来研究会(みらい研)の取り組み
郵政未来研究会(みらい研)は、組合員の政治意識を高め、より充実した政治活動を追求し、JP労組の声を政治反映させ、私たちの働きやすい環境を醸成するために結成されました。支部においても政治意識の醸成に向け、加入率10%の早期達成と20%への足掛かりとする1役員2名の加入に向けた取り組みを進めます。
ウ 国政選挙と地方選挙の取り組み
来年に迫った次期参議院選挙は組織内候補のJP労組中央本部執行委員であった中国地本出身の定光克之(52)候補の必勝に向けた取組みを中央・地方と連携し行います。
また、来年8月に任期の切れる次期衆議院議員選挙は、引き続き民主党を中心とした政権を盤石なもとするため「おおにし健介」衆議院議員の2期目の当選に向けて全力を挙げて闘うこととします。
なお、地域でもJP労組の政治的影響力を高め、国民・利用者に期待されるサービスを地方からも発信し、安心、安全な社会を実現するため支部内の地方議員との友好関係を築き連携することとします。
エ 地方における政治力の発揮
郵政事業との関わりの中で、地域に根ざした生活者重視の政治を志す人材を育成する必要があると考えます。人材の発掘・育成に向けて、あらゆる機会を通じて働きかけていくこととします。また、郵政事業が社会的役割を担う事業であることから、政治的関与を受けることを労使共通の認識とすることも働きかけていきます。
B 福祉型労働運動の本格展開に向けて
ア 理念と意義の再確認
福祉型労働運動とは、少子高齢社会の到来を意識し、『中期指針』で示された「改革者の視点」における運動課題で、JP労組が有している資源をもとに、社会に対して、そして地域に対して何ができるかを考え、活動を行っていくことが求められています。
加えて「労働組合の視点や」事業人としての視点」からみても意義ある取り組みであり、真の意味で組合員の幸せを実現するには、働く場(職場)と生活する場(家庭を含む地域)の双方で、個の自立を前提としつつ『共』の理念に基づく安心・安全なシステムを構築する必要があります。
イ 今後の取り組み
「福祉型労働運動」の理念と行動指針に基づき、昨年出来なかったモデル支部との実践交流を通して、さらなる組織内における理解・浸透をはかり、点の活動から面の活動へつなげることとします。
支部としては、昨年に引き続き、8月4日(土)に行われる
この2つの取組(元気ッス、豊栄盆踊り)の趣旨を、単なるお祭り騒ぎと考える向きもありますが、子供たちを地域全体で育て、安全で安心な街づくりを目指す地域社会に対して、その責務を地域に存する労働組合も一躍を担う必要があると感じるからです。
ウ 福祉型労働運動の行く末(三河碧海が考える目指すべき姿)
狭義的には「改革者としての視点」を具現化した運動であるが、同時にそれは、「労働組合としての視点」「事業人としての視点」を包含する取り組みでもあった。
地域社会に立脚した郵政事業とするならば、これまで郵便局が提供してきた地域向けサービスは、どちらかといえば採算性よりもボランティア・ベース(社会貢献)で提供してきたものが中心であった。しかし、民間企業として経営の継続性を追求していく上では、サービス提供の仕組みや料金政策のあり方などを見直していく必要がある。
すなわち、サービスの目的や社会的便益、労働付加の度合い等に応じて、企業の社会的責任(CSR)として行う活動と本来業務として行うビジネス・ベースの活動とを明確に峻別し、より適正な対価が得られるビジネスモデル(総合生活支援ネットワーク企業)を作り上げることが必要であると感じます。そのビジネスモデルの魁(先駆け)となる活動を展開したい。
C 郵便事業の再生に向けた取り組み
ア これまでの経過
ビジョン・バージョン2が示され周知されたところです。中身については抽象的すぎて解りにくいものとなっています。営業黒字必達が求められる平成24年度においては、支店レベルで損益改善が進められていますが、この間の改善施策は職場の基盤整備を無視した人件費抑制策としかフロントラインの組合員には映っていないのが現状です。
イ 今後の取り組み
宅配便事業統合による巨額の損失が郵便事業会社の危機を早めたのは事実である。根本的な解決を放棄していては郵便事業の再生はあり得ません。
支部としては、損益改善の実行にあたっては、各支店とも諸事情が違うのは理解するが、短絡的な思いつき施策や「ダメなら戻せばいい」との発想での改善施策実行には断固反対とし支部事業推進委員会の充実を図り実行性・改善効果の高い施策となるよう取り組みます。また、現場第一主義を貫くことを基本に、引き続き、ゆうパック事業の非効率性・不採算性について改善を求め、【作業のダブルネットワーク化】の徹底的な見直しを求めます。
システム投資による効率化、間接部門の徹底したスルム化には大胆に切り込みこととし、とりわけ郵便事業会社の業務企画室のあり方については問題が多くあると認識しています。支部内では、現場の声も聞かずに設置したために、各支店で仕事内容がバラバラである。今後はエリア単位での集約化も視野に、支店レベルでの、やるべきことを明確にし、確かな将来ビジョンをつくります。
郵便再生に向けては、将来展望をもって着実に企業風土改革を実行し、制度・職場の改善を実践して、社員が活き活きと働ける職場創りを目指すことが一番の近道と考えています。
ウ 新たな人事・給与改革への対応
今後の議論にあたっては、中央交渉情報など職場周知の徹底と多様な組合員の意見を広く集約し、機関会議等により丁寧な往復運動に努めます。
2 主要課題の取り組み
@ 組織力向上に向けた課題
民営・分社化によって組合員同士の結びつきは希薄化し、一体感は失われつつあります。組織統合による気兼ねも残存し、十分な組織内討議や徹底した組織指導ができず、組織のマネジメント力やコミット力も高まっていないのが現状です。
会社統合を分会体制の再構築のチャンスと考え全力を上げ取り組みます。分会組織は組合員にとって最も身近な組合組織であり、直接世話役活動を担う重要な機関でもあり、機能する分会組織による集合体としての支部体制確立が必要です。
支部体制の確立に欠かせない人材の育成は時間を要する課題です。現状では、配転希望を無視し1年以上経過しても支部三役が同一支店のままのため人材育成に支障が出ていると考えます。早急に、支部三役のバランス配置を求め会社側代表支店、支部書記局として、双方の機能が十分発揮できる体制を構築します。
A 企業風土の改革に向けて
企業風土改革として大切なことは、社員が「職場が変わり始めた」と実感することである。支部として、支部内の各職場(支店・郵便局・出張所)で、バラツキのない管理者教育の再構築を求め、地方本部・支部が一体となって検証し、実行ある着実な改革の進捗を求めていくこととします。
職場におけるコミニュケーション不足、各種ハラスメントの実態等から責任や悩みを一人で抱え込む事例が発生しています。安心して働ける職場づくりの観点から、引き続き、目的を明確にした【こんにちは運動の展開】を実施することとします。また、管理者資質に問題のある郵便事業会社の各支店へは、支部役員による職場巡回制度の確立・実施に向けて取り組みます。
B あるべき労使関係の構築に向けて
「労使パートナー宣言」の再確認を皮切りに、郵便局会社・ゆうちょ銀行・郵便事業会社との労使コミを実施してきました。まだまだ不十分な対応を繰り返す職場もあることから労使委員会および窓口機能の実態を検証のうえ、支部対応を強化することとします。
労使コミについては、日常的な信頼関係を構築するうえで重要であると認識しつつも、実効ある意思疎通に向けて改善ができるまで一定程度凍結することとしていましたが、会社統合の課題もあり期を逸することなく労使の意思疎通を図ることとします
種々の権限を有する経営側の姿勢は重要です。支部の意見を聴き、取り入れていく真摯な姿勢はもとより、支部の政治・共闘・地域活動といった幅広い領域での活動への理解や協力を引き続き求めていきます。
C 職場の基盤整備に向けて
郵便事業会社の要員配置の適正化により、順立要員配置の廃止と期間雇用社員の65才定年が実施され職場の労働力構成は大きく変化しました。
今後は、外務員の局内作業の効率化には何が必要なのかを見極めたうえ、一人あたりの負担の増大につながらない、引受から差立、そして配達の各作業について、本務者と期間雇用社員との作業領域の兼ね合いも鑑み、内務・外務の作業領域も検討することとします。
2012年度について、新規採用者が見送られたことからも、安定した雇用となる期間雇用社員の確保のために、安易な雇止めや労働条件の引き下げを行わないよう対応を強化し、期間雇用社員組合員の雇用に対する不安払しょくに向けた労働法制の学習会を開催することとします。
D 連合運動への参画と地域活動・福祉活動の推進
JP労組は単一組織であるものの、連合との関わりにおいては産別としての役割も果たし、複数の産業にまたがる郵政グループの責任組合として、連合の政策づくりに積極的に関与しています。
支部は連合三河西地域協議会(刈谷、安城、碧南、知立、
なお、組合員福祉の一環として、引き続き「ろうきん・労働者福祉協議会」にも役員を派遣し組合員メリットの充実に取り組みます。
組合員福祉の一環として連合加盟組合等との提携施設の割引利用や、組合契約の割引利用の出来る施設等(今年度も長島リゾート)組合員のニーズに合わせて契約することとします。
また、地域活動として、各行政に対しても関わりをもてるよう努めます。具体的には、碧南市の市民協働推進会議、男女共同推進会議、元気ッス市民会議等へ委員を派遣し労働組合としての立場の意見反映を行います。
E JP労組エコ運動の構築に向けて
現在JP労組が取り組んでいるさまざまな活動を基本に、職場、地域、家庭の各場面に分け、JP労組エコ運動の基本方針に基づき、支部として出来る運動を策定し具体的に行動展開をはかることとします。
支部としては、昨年に引き続き電力不足に対する取り組みを進めることとします。
F 男女共同参画社会の実現
ワーク・ライフバランスの実現に向けJP労組男女共同参画推進計画「アクション21」に基づき取り組むこととします。男女共同参画社会を実現するためには、女性が働きやすい職場環境の醸成をいいかに行うのかが重要になってきます。
支部としても「アクション21」を意識し、「女性が積極的に活動できる」「意見を言える」環境を整えるため、今年度中には女性フォーラム設置を実現することとします。具合的には、各部会から各2名を選出し支部と連携を図りながら設置を実現します。
G 広報活動の充実に向けて
支部ホームページの管理人と支部ニュースの作成・発行および郵送までを、一手に引き受けてくださっていた鈴木さんが本年3月末に退職しました。言葉にならない苦労もあったと思いますが、この議案書を借りて感謝の意を表します。
今後も各種会議予定・会議報告、行事予定、組合員への周知等、タイムリーな形で情報提供が出来るよう、支部役員の責任者を配置する等してホームページの内容充実に取り組むこととします。
支部ホームページの掲示板は組合員の意見交換の場として活用されていますが組合員への広がりが不十分であると考えます。しかし、掲示板を使って全国大会速報など東海では三河碧海支部だけが即日報告できたと他支部よりの激励もあり、今後も掲示板の活用については重要と考えます。今一度、支部ホームページの周知を行い、支部ホームページ掲示板への支部役員の定期的な投稿を義務付けすることとします。
支部ホームページへのアクセスは
ヤフー等の検索画面にJP労組三河碧海と入力し検索をクリックしてださい。
ケイータイからもアクセス出来ます。
郵便局会社(旧無集配特定局)の組合員に対しては定期的に支部から活動報告や往復運動のできる形での情報交換を実施することとします。
H 文化・レク活動の充実
毎年恒例となりました、潮干狩りについては開催について検討することとします。本年6月10日に実施した地引網については200名のJP労組結成以来、過去最大の参加者での開催となり引き続きの開催のこととします。
旧無集配特定局職場組合員や女性組合員のニーズとしてバスレク開催を求める声があることも事実です。
今後のレク活動は、前年度に様々なレク活動を展開し、組合員ニーズの掘り起こしをした結果をふまえて、隔年開催等を視野に年間計画を立て、組合員・家族の絆を確認できる内容のレクを実施することとします。
I部内医療機関との連携
郵政グループ社員の部内医療機関としての名古屋逓信病院について、組合員の人間ドック受験者増に向けた対策として、支部として組合員に対してドッグ費用の半額補助及び病院までの往復交通費について補助します。
引き続き、部内医療機関としての名古屋逓信病院の利用促進に向けた広報活動を展開します。
J退職者組織との連携
地方、連協台での退職者組合の統合問題は、組織形態や運営方法に隔たりがあり難しい状況です。支部としては、現退交流会や退職者組合で行われる地域別懇談会への参加を実施しながら情報交換を行いたいと考えています。
なお、退職者組合の総会へは支部長・書記長が参加し親組合としての要請や支援活動について連携を図ることとします。
退職者組合員の長年培ったスキルを活かすため、福祉型労働運動の展開と合わせて地域社会や地域福祉への貢献活動を連携して取り組みます。
V、当面する交渉課題への対応
1 グループ各社の主要課題への取り組み
@ 各社共通
ア 新たな人事・給与制度の改革への対応
新たな人事・給与制度については、全国大会議論を踏まえ要求交渉が展開されます。一定の到達点については、第10回中央委員会で明らかにしたうえで、その後の方向性について確認することとします。
支部としては、詳細なシュミレーション等明らかになり次第、学習会的な形での意見交換できる場を設定し組合員との往復運動を重ねます。
イ 労働力政策の構築に向けて
適正な労働力配置のあり方について議論を進めることは急務であること、郵政グループ各社の経営方針・目標達成のためには、サービス改善・新規ビジネス展開を含め投資的観点からの戦略的労働力配置が必要であること、等としたこれまでの考え方を踏襲し「新たな人事・給与制度」の要求交渉と並行して進めるとしています。
今後の進め方は、現在の労働力配置などの具体的なデーターを明らかにさせたうえで、事業をとりまく環境変化をふまえた各社の考え方を改めて示させ、労使協議を本格化することとなりました。
ウ 春季生活闘争態勢の構築
グループ一体性と処遇のあり方の検討に結論を出すには、大きく関連する新たな人事・給与制度の交渉の進捗や郵政改革にもとづく会社形態の変化及び金融2社の株式上場等を見極め慎重に扱うこととなります。
エ 会社統合関係
「日本郵便株式会社」の発足準備は、施行日として想定される10月1日までの極めて短期間での対応となることから、業務混乱を生じさせない対応を求め、フロントラインにおける準備スケジュールを意識した全体整理に取り組むこととします。
支部としては、支部執行体制を大幅に入れ替え、会社統合での諸問題に対応できる会社別、事業別、内務・外務別のバランスを考え選出し、組合員の不安解消に向け取り組みを進めます。
A郵便事業会社
ア ビジョン・バージョン2
ビジョン・バージョン2に記載されている、ネットワークの再編、新たな集配体制構築、損益を軸とした支店経営、権限委譲の推進、等の考え方については、概要だけが示されるだけにとどまり、フロントラインの組合員にはイメージとして伝わりきれていない状況にあると認識しています。
ィ 班長を中心とした小集団マネジメントの定着に向けて
本社・支社から支店への権限委譲がなされるなか、班活動の活性化は必要不可欠です。なかでも班長に期待される役割は多く、班長業務時間の確保が今後において重要な課題となってきます。班長の処遇改善に向け、支部レベルでも交渉強化を図ります。
これまでも年賀販売のあり方について、とりわけ不適正営業や予約活動(おしらせ活動とも)に係る交渉を行ってきました。今期は、各支店がコスト削減、厳しい損益管理の下で単年度黒字に向けた営業収益が求められ、年賀葉書についても効果的な営業での販売強化が求められると推測します。
これまで同様、適正な営業活動による販売促進を強く求め、営業時間の確保、班員のモチベーション向上など「小集団マネジメント」の定着に向けた交渉を図っていきます。
また、今後においても各分会で「班長会議」を開催し、現場状況の共有など班長負担を軽減できるような対策を講じていきます。
ウ 収支改善に向けた取り組みについて
現場における費用対効果を重視した交渉の強化や、二ケ月に一度の支部窓口における「各支店の超勤状況」の報告を受け、必要な交渉を、その都度図っていきます。(なお、今年度の4・5月期の報告は6月18日に実施済み)
中期見通しには、ネットワーク再編などへの投資先行のため厳しい損益状況となる見込みとあります。そのため黒字化を目指し、不採算サービスの見直しなど損益改善策を具体化するとしていますので、現場からこのような不採算性の強い商品、サービス、または施策など感じられるようなことがありましたら、上部機関会議などで発言していきます。
エ 労働力の適正配置の対応について
労動力の適正な配置に関しては、これまで底辺の問題点として指摘してきました。
労働力が適正に配置されるなら、「小集団マネジメント」にしても、収支改善にしてもスムーズな方向性を見いだせるはずです。今の支店などの状況をみると、労働力という観点からはとても厳しい状態です。期間雇用社員が配属されても、早期に辞めていくなど、悪循環もあとを絶たないことから、今後についても、期間雇用社員の募集の強化は常に求めていきます。
適正配置に向けた取り組みとしては、「時間前着手」「サービス超勤」などの実態をしっかり把握することが必要だと感じます。しっかりラインを揃えたうえで、要員配置の議論がスタートするという原点に立ち戻る時ではと思っています。
順立要員の廃止から【ナカタモデル】の実現を掲げてきましたが、今後も継続して実現に向け努力していきます。
B郵便局会社
ア 部会を単位とする柔軟な要員配置の試行について
部会を単位とする柔軟な要員配置への試行は繁閑に応じた要員配置、現
場で働く組合員のモチベーションアップ、新規採用者フォローアップ強化や組合員のキャリアパスの自由度の増大等を求めていきます。
なお、柔軟な要員配置を行う上では、各職場(局)への通勤等への配慮に万全を期すことは重要である。現行の巡回要員の各職場(局)への通勤等についても同様に配慮を求めていきます。
総合服務の円滑な推進は各局が取り組みやすい方法(運用パターン、スキル取得の方法、担務ローテーションのあり方)を示したガイドラインに対してソフト・ハード面の整備を行い、各局の業務実態に応じた総合服務の推進が図れるよう対応することとします。
ィ 渉外社員の土・日営業のあり方について
東海地本実施のアンケートをもとに昨年度の実態をとりまとめ、費用対効果や社員の休暇の在り方の観点から交渉を展開していきます。
Cゆうちょ銀行
エリア本部機能のさらなる強化により、郵便局とエリア内の直営店が一体的に営業を展開できる環境整備を図ることとします。
支部内に直営店が2店あるという地域事情を有効的に機能させ、支部役員を各店舗から選出し、業務改善計画等への対応は店舗間での連携や情報交換をしながら、有効的な取り組みとする必要があります。
2 政策・制度運動の推進
@ 事業政策委員会への対応
2011年度の事業政策委員会への委員の派遣は十分なものとは言えませんでした。引き続き委員を選出し地方事業政策委員会にて議論ができるよう支部内においても「新たな郵政づくり」と連動した事業政策を検討し意見反映できるよう努めます。
A 政策提言活動
地域における社会政策課題について、組合員の地域活動状況を把握し組合員同士で情報交換やお互いの地域活動への協力・支援が出来るようフォロー体制を確立することとします。
地域社会は、JP労組の他に、さまざまな公的セクター、民間セクター等で構成されています。地域社会に貢献するには行政や社会福祉協議会、NPO等との協働を推進する必要があります。
具体的には、碧南市協働推進会議に支部長が参加し労働組合の社会貢献についての理解浸透を図りつつ会議の中で議論を深め、市民公益活動を支援する人材バンクとして、困りごとがあると立ち寄り、得意分野や経験のある人の意見や知恵が借りられる場「人材プラットホーム」を構想しています。
将来は、地域にあるボランティア・サポートプラザ等に登録団体としてのJP労組三河碧海支部の名前があることを期待しています。
W、共済活動の推進
共済商品整理統合後において、よりスケールメリットの活かされた共済商品を提供していくために、共済商品未加入者対策を強化することとします。
本年からは、支部共済運営委員会の充実を図るため、支部三役経験者をポストライフアドバイザーに指名し、支部執行委員が各分会における共済担当者との連携を図るための知恵袋的な存在となり世話役活動を充実させることとします。
旧無集配特定局組合員に対しての共済商品の請求に対するフロー図(いつ・誰に・どのように請求するか等)を作成して組合員に周知することとし、世話役活動については、引き続き【こんにちは運動】の中で展開します。