第1号議案
JP労組三河碧海支部
2011年度活動方針(案)
Ⅰ 提案にあたって
はじめに
3月に発生した東日本大震災は、安全・安心を基軸とする社会づくりの重要性、また、絆の尊さや助け合いの大切さを改めて考えさせられる機会となりました。
東日本大震災で亡くなられた方々の冥福をお祈り申し上げ、被災されたすべての皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
私たちは、第1回定期支部大会で民営・分社化された郵政を展望し、それに基づいた向こう5年間の運動の方向性を「中期的な運動方針」として決定し、三河碧海支部の礎を築いてきました。結成からこれまでの5年間の運動総括をはかり、三河碧海支部のさらなる発展を期すこととします。
労働組合の歴史は、労働条件を同じ条件下に変えることや、労働の機会を与えることによって平等を目指してきた。しかし、郵便集配の労働条件は、集配センターが全国津々浦々にあるため自然環境に大きく制約されてきた。
また、地域ごとの異なる事情にも左右されてきた。視点を変えれば「不平等」を甘受する仕事であると言える。
だが、伝統的な郵便集配の仕事は、それぞれの地域特有の特徴や利点を活かしながら「平等」な仕事の「かたち」に変えてきた。言い換えれば「不平等」を受け入れた「平等」な仕事のかたちを作り上げてきたと言える。
これは私たちの生き方・働き方・暮らし方にも言えることである。東日本大震災に遭う前の東北地方の郵便局・集配センターの社員の生き方・働き方・暮らし方と、私たち三河碧海支部近郊の郵便局・集配センターの社員の生き方・働き方・暮らし方が同じでないのは当然である。
昔は一つであった「生き方・働き方・暮らし方」今はバラバラになっている。「個」が尊重される時代となり労働組合にも「個」が活かされるシステムが求められています。しかし、基本的な取り組みが出来ない組織になっては「個」が活かされません。各分会の強みや弱点を全組合員が理解し合って、【組合員・組合員の家族・退職者】の資格や能力を活かした、助け合いの精神に立脚した福祉型労働運動の展開が求められています。
東日本大震災は、安全・安心を軸とする社会づくりの重要性、人と人との【絆】の大切さ、尊さを改めて考えさられる機会となりました。私たちはこの教訓を活かし、労働組合の原点に立ち返り、組織基盤の確立をはかり、「変わらないものへの価値」を見直すことが必要です。
郵便集配の仕事は「伝統と信頼」という「変わらない価値」があります。この「伝統と信頼」のうえに、私たちが働く郵便局や集配センターは、その地域社会と結びついた多様な「郵便局のかたち」を持っている。
労働組合の社会的責任のうえに安全・安心の社会をめざし、都市部と農山漁村にある、この多様な「郵便局のかたち」と、全国の郵便局・集配センターで働く組合員の「生き方・働き方・暮らし方」を共同で守ることが「今、求められている」のではないでしょうか?
これまでの組合員の皆さまの活動に敬意を表しつつ、今、「基調大会」では、向こう2年間の活動方針として、以下のとおり2011年度活動方針を提案することといたします。
Ⅱ、2011~2012年度の重点課題と具体的展開
1 重点課題の取り組み
① 東日本大震災への対応
・支部としては、緊急支援物資の送付や6月10日を期限とする義援金等のカンパ活動を取り組んできたところです。また、連合救援ボランティア派遣要請に基づき被災者宅内の泥だしや瓦礫の搬出作業等の支援活動の申し込みを展開し、JP労組三河碧海支部として全国の仲間とともに一日も早い復旧・復興を願って支援活動を取り組んでいるところです。
・今後も「こころひとつに」を合言葉に支援活動を中長期的に取り組み、10月以降の支援活動には、地方連合組織と連携し引き続きボランティア派遣要請等に応えていくこととします。
・会社側が現在整備している危機管理マニュアルとは別に、郵政事業という職種を考えた場合、災害時に必要な緊急避難経路および緊急車両の通行道路情報を地域行政に提供できる体制づくりが必要です。地域に合った、より実効性の高い危機管理体制を地域行政と連携を図りながら確立していくことが出来るよう準備を進める必要があります。
② 郵政改革の取り組み
ア 郵政法案成立に向けた取り組み
・民主党内に「郵政法案をこのまま棚晒しにしておいては国益に反する」との論議が広がり、民主党総務部門会議における「郵政改革法ワーキングチーム」の立ち上げ、「郵政等三党合意を実現する会」の発足など、郵政法案成立に向けた機運が高まってきました。
・郵政法案は、衆議院に特別委員会を設置し審議を行うことが与党で確認され、4月12日の衆議院本会議で特別委員会設置について決議されました。震災に関する第1次補正予算の成立が特別委員会の立ち上げ時期のポイントと考え、あらゆる事態を想定した政治対応を強化していきます。
・当面の対策として衆議院における特別委員会立ち上げに伴に、特別委員会の傍聴体制等を含む【おおにし健介を励ます中央行動】を展開します。
イ 「郵政改革に関する意見・提言」の取り組み
・JP労組は『現場の知恵』とも言うべき組合員の率直な想いを、「郵政改革に関する意見・提言」として集約し、経営側と意見交換し「現時点での考え方」が示され、JP労組から提言された『地域と人に優しい会社』というコンセプトを視野に検討を進め、郵政法案の成立が前提となっていることもあり「新たな郵政づくり労使委員会」を注視していくこととなっています。
③ 政治基盤の強化に向けて
・今後も事業の歴史的経緯や事業内容から考えて、政治との関わりがなくなることは考えられません。郵政グループの一体性の確保やユニバーサルサービス、郵便局ネットワーク維持等のJP労組の政策を実現させ、事業を持続的に成長発展させていくためには、JP労組の意見を政治の場に強く反映させていく必要があります。
支部においても政治との関わりを深めつつ、地方議会へも意見を反映させる必要を感じます。引き続き、支部内の地方議員との友好関係を築き、来年四月の
・郵政事業との関わりの中で、地域に根ざした生活者重視の政治を志す人材を育成する必要があると考えます。人材の発掘・育成に向けて、あらゆる機会を通じて働きかけていくこととします。また、郵政事業が社会的役割を担う事業であることから、政治的関与を受けることを労使共通の認識とすることも働きかけていきます。
④ 福祉型労働運動の展開に向けて
ア 理念と意義
・福祉型労働運動とは、少子高齢社会の到来を意識し、『中期指針』で示された「改革者の視点」における運動課題で、JP労組が有している資源をもとに、社会に対して、そして地域に対して何ができるかを考え、活動を行っていくことが求められています。
・加えて「労働組合の視点や」事業人としての視点」からみても意義ある取り組みであり、真の意味で組合員の幸せを実現するには、働く場(職場)と生活する場(家庭を含む地域)の双方で、個の自立を前提としつつ『共』の理念に基づく安心・安全なシステムを構築する必要があります。
イ 今後の取り組み
・「福祉型労働運動を理解するためのパンフレット」を活用した学習会に参加し、モデル支部である中東遠支部との実践交流を通して、さらなる組織内における理解・浸透をはかり、点の活動から面の活動へつなげることとします。
・支部としては、7月30日(土)に行われる
⑤ 郵便事業の再生に向けた取り組み
ア 「収支改善に関する申し入れ」に対する会社の考え方
・本社・支社のスリム化、現行33部から17部まで削減し重複した業務の見直し、JPS指導所管についてもJPS担当部署を廃止。
・年賀の予約販売については「中小口・個人対象の予約活動は原則廃止する」同時に、『かもめ~る』についても予約活動は原則廃止する。
・年賀オペレーションの見直しは1月2日の年賀配達については、お客さまのニーズや世論の動向をふまえつつ検討する。
・通勤手当、通区力を勘案した人事異動は経費節減とうい面も考慮することとする。となっています。
イ 今後の取り組み
・宅配便事業統合による巨額の損失が郵便事業会社の危機を早めたのは事実である。根本的な解決を放棄していては郵便事業の再生はあり得ません。
支部としては、現場第一主義を貫くことを基本に、ゆうパック事業の非効率性・不採算性について改善を求め、現場段階での【作業のダブルネットワーク化】について(作業のダブルネットワーク化とは、ペリカン由来の荷物の取り扱い及び作業方法、JP由来のゆうパックの取り扱い及び作業方法が異なっていることを言います)徹底的な見直しを求めます。
支店によっては、小口貨物システムを管理者及び正社員が熟知していないために、ペリカン時代には各現場で行われていた作業(荷送人指示、サイフォ、受託確認等)を、郵便課の経理の期間雇用社員に押し付けているのが現状です。また、配達と集荷を一体的に担う効率的なエリア内での集配作業とするべきところ、配達は配達、集荷は集荷という具合に、人も車両もムダに配置・配車している支店があります。
宅配事業統合による作業のムダを排除し、本来、どこでやるべき仕事か、誰がやるべき仕事かを明確にして、宅配統合後の荷物に対する取り扱いと作業に対する管理者意識の改善・改革を行い。正社員に対しては、再度、研修等を実施することを求めます。
・システム投資による効率化、間接部門の徹底したスルム化には大胆に切り込みこととし、とりわけ郵便事業会社の業務企画室のあり方については問題が多くあると認識しています。支部内では、現場の声も聞かずに設置したために、各支店で仕事内容がバラバラである。今後はエリア単位での集約化も視野に、支店レベルでの、やるべきことを明確にし、確かな将来ビジョンをつくります。
・郵便再生に向けては、将来展望をもって着実に企業風土改革を実行し、制度・職場の改善を実践して、社員が活き活きと働ける職場創りを目指すことが一番の近道と考えています。
2 主要課題の取り組み
① 組織力向上に向けた課題
・民営・分社化によって組合員同士の結びつきは希薄化し、一体感は失われつつあります。組織統合による気兼ねも残存し、十分な組織内討議や徹底した組織指導ができず、組織のマネジメント力やコミット力も高まっていません。
・支部としても組織力を高めていくためには、それぞれの機関の役割や任務の明確化が必要と考えています。分会組織は組合員にとって最も身近な組合組織であり、直接世話役活動を担う重要な機関でもあり、機能する分会組織による集合体としての支部体制確立が必要です。
・しかしながら、支部内で分会機能が十分発揮されていない状況が散見されています。とりわけ、支部代表支店である刈谷分会は、支店管理者の資質の問題が大きく影響し役員配置に支障が出ています。早急に、支部三役の配置を求め会社側代表支店、支部書記局として、双方の機能が十分発揮できる体制を構築します。刈谷支店に三役配置ができない場合は会社側代表支店変更の取り組みも視野に入れることとします。
② 企業風土の改革に向けて
・企業風土改革として「職場実態の把握に向けたコミニュケーションの確立」・「危機意識の醸成に向けた現場の情報把握」の一環として社員の意見を支店経営実行計画に盛り込むなど、優先順位をつけて順次実施されているとのことです。しかし、大切なことは、社員が「職場が変わり始めた」と実感することである。
・今後は、支部として、支部内の各職場(支店・郵便局・出張所)で、バラツキのない管理者教育の再構築を求め、地方本部・支部が一体となって検証し、実行ある着実な改革の進捗を求めていくこととします。
・職場におけるコミニュケーション不足、各種ハラスメントの実態等から責任や悩みを一人で抱え込む事例が発生しています。安心して働ける職場づくりの観点から、引き続き、目的を明確にした【こんにちは運動の展開】を実施することとします。また、管理者資質に問題のある郵便事業会社の各支店へは、支部役員による職場巡回制度の確立・実施に向けて取り組みます。
③ あるべき労使関係の構築に向けて
・「労使パートナー宣言」の再確認を皮切りに、郵便局会社・ゆうちょ銀行・郵便事業会社との労使コミを実施してきました。まだまだ不十分な対応を繰り返す職場もあることから労使委員会および窓口機能の実態を検証のうえ、支部対応を強化することとします。
・労使コミについては、日常的な信頼関係を構築するうえで重要であると認識しつつも、実効ある意思疎通に向けて改善ができるまで一定程度凍結することとします。なお、郵便局会社及びゆうちょ銀行については、信頼関係を築き上げてきた経緯を踏まえて、期を逸することなく労使の意思疎通を図ることとします
・種々の権限を有する経営側の姿勢は重要です。支部の意見を聴き、取り入れていく真摯な姿勢はもとより、支部の政治、共闘といった幅広い領域での活動への理解や協力を引き続き求めていきます。
④ 職場の基盤整備に向けて
・各社の人事政策と労働力政策の確立も急務の課題ですが、郵政改革法案の動向、郵便事業会社の経営計画の見極めや、郵便局会社の「新たな所要人員算出標準(案)」に対しての慎重な論議を進めることが必要です。
・支部内でも郵便事業会社の要員配置の適正化により、順立要員配置の廃止が実施され、職場の労働力構成は大きく変化しました。労働力の適正配置の観点からすれば、順立要員の廃止は小手先だけの改善だったと言わざるを得ないと判断しています。
・今後は、外務員の局内作業の効率化には何が必要なのかを見極めたうえ、一人あたりの負担の増大につながらない、引受から差立、そして配達の各作業について、本務者と期間雇用社員との作業領域の兼ね合いも鑑み、内務・外務の作業領域も検討することとします。
・2012年度について、新規採用者が見送られたことからも、安定した雇用となる期間雇用社員の確保のために、安易な雇止めや労働条件の引き下げを行わないよう対応を強化し、期間雇用社員組合員の雇用に対する不安払しょくに向けた労働法制の学習会を開催することとします。
⑤ 連合運動への参画と福祉活動の推進
・JP労組は単一組織であるものの、連合との関わりにおいては産別としての役割も果たし、複数の産業にまたがる郵政グループの責任組合として、連合の政策づくりに積極的に関与しています。
・支部は連合三河西地域協議会(刈谷、安城、碧南、知立、
・組合員福祉の一環として、引き続き「ろうきん・労働者福祉協議会」に役員を派遣し組合員メリットの充実に取り組みます。
・引続き、連合加盟組合等との提携施設の割引利用や、組合契約の割引利用の出来る施設等(今年度も長島リゾート)組合員のニーズに合わせて契約することとします。
⑥ JP労組エコ運動の構築に向けて
・現在JP労組が取り組んでいるさまざまな活動を基本に、職場、地域、家庭の各場面に分け、JP労組エコ運動の基本方針に基づき、支部として出来る運動を策定し具体的に行動展開をはかることとします。
・支部としては、福島原発事故に端を発した浜岡原発停止に伴う夏の電力需要不足に対応するため、7月から9月までの3ケ月間、電気使用量の通知書の電気使用量が前年を下回った組合員の家庭に対して報労等を検討することとし、組合員の節電意識の高揚を図ることとします。
⑦ 男女共同参画社会の実現
・ワーク・ライフバランスの実現に向けJP労組男女共同参画推進計画「アクション21」に基づき取り組むこととします。男女共同参画社会を実現するためには、女性が働きやすい職場環境の醸成をいいかに行うのかが重要になってきます。
・支部としても「アクション21」を意識し、「女性が積極的に活動できる」「意見を言える」環境を整えるため女性フォーラム設置の実現に向けて取り組みを進めることとします。
⑧ 広報活動の充実に向けて
・現在、支部ホームページの管理人と支部ニュースの作成・発行および郵送までを、郵便事業会社碧南支店の鈴木さんに依頼し、組合員の皆様に情報提供を行ってきました。しかしながら、支部ホームページについては、支部役員からの行事予定や支部から組合員への情報提供の掲載要請もなく、寂しいホームページの内容となっているとのことです。
・今後は、各種会議予定・会議報告、行事予定、組合員への周知等、タイムリーな形で情報提供が出来るよう、支部役員の責任者を配置する等してホームページの内容充実に取り組みこととします。
・支部ホームページの掲示板は組合員の意見交換の場として活用されていますが組合員への広がりが不十分であると考えます。しかし、掲示板を使って全国大会速報など東海では三河碧海支部だけが即日報告できたと他支部よりの激励もあり、今後も掲示板の活用については重要と考えます。今一度、支部ホームページの周知を行い、支部ホームページ掲示板への支部役員の定期的な投稿を義務付けすることとします。
支部ホームページへのアクセスは
ヤフー等の検索画面にJP労組三河碧海と入力し検索をクリックしてださい。
・郵便局会社(旧無集配特定局)の組合員に対しては定期的に支部から活動報告や往復運動のできる形での情報交換を実施することとします。
⑨ 文化・レク活動の充実
・毎年恒例となりました、潮干狩りについても引き続き開催することとしますが、内容については実行委員会等を組成し各分会からの意見を取り入れ開催したいと考えています。
・旧無集配特定局職場組合員間の交流をはかる目的で、今年度は、部会別ボーリング大会を開催することとし、来年度には、部会対抗ボーリング大会が開催出来るようにします。
⑩ 退職者組織との連携
・地方、連協台での退職者組合の状況については、次年度の課題へと先送りされるようです。三河碧海支部としては、引き続き、現退交流会を実施しながら情報交換を行います。また、退職者組合の総会へも毎年2名参加し親組合としての要請や支援活動について連携を図っています。
・退職者組合員の長年培ったスキルを活かすため、福祉型労働運動の展開と合わせて地域社会や地域福祉への貢献活動を連携して取り組みます。
Ⅲ、当面する交渉課題への対応
1 グループ各社の主要課題への取り組み
① 各社共通
ア 新たな人事・給与制度の構築に向けて
・新たな人事・給与制度については、郵政法案の成立見通しが不透明であるものの、日本郵政グループをとりまく環境等が大きく変化していることをふまえ、会社側も所要の見直しを検討していることから労働力政策議論と並行して慎重に扱うこととなっています。
イ 労働力政策の構築に向けて
・郵便事業会社は、必要労働力算出の方法と計画人員の方向性(案)、労働力構成ガイドラインが示された。「郵便の物数・能率と要員算出の仕組み」とした従前からの要員算出の考え方が示され、あるべきオペレーションの姿について論議を進める中から、必要労働力の算出等について慎重な協議と対応を行っていくこととなっています。
・郵便局会社は「新たな所要人員算出標準(案)」を適用させた、想定「郵便局別必要労働力」についても一定の考え方を明らかにさせるとともに、新たに作った算出標準(案)が職場実態を反映した正しいモノサシとして了解できるものなのか否か、労使協議を進めていく段階に入っています。また、渉外員のあり方についても「渉外要員のあり方に関する労使協議会」で論議を行い慎重に進めることとなっています。
・ゆうちょ銀行は、「事務所要時間調査の調査結果概要」および「直営店窓口サービス部の基準人員の考え方」が示され、渉外部の労働力の考え方について明らかにするよう求め、議論を進めることとなっています。
・正社員比率の引き上げは、「理想的な労働力ポートフォリオ」の実現に向けた議論を含め「行き過ぎた非正規社員化の是正」も求めてきました。
郵便事業会社
ア 新たな集配ネットワークの構築に向けて
・新たな集配体制の論議は、現在の集配ネットワークに関する総括をふまえておくことが必要との立場で会社対応をはかってきました。二輪の高い機動力を最大限活用することを基本に地域性、市場性等を考慮した地域別の集配体制のイメージを示してきています。ビジネス地域・住宅地域・ローカル地域を基本としたパターンの具体化に向けて支部内での議論を進めます。
ィ 班長を中心とした小集団営業マネジメントの定着に向けて
・小集団営業マネジメントの定着が組織的営業へのシフトに重要な要素であるとの認識については、支部としても異論は唱えませんが、市場性を考慮し収支バランスの取れた小集団営業マネジメントとなるよう求め、各支店の営業のあり方について注視していくこととします。なお、営業のあり方については、エリア営業を求めつつ、市場性・収益性を考慮することが必要です。
・今期は年賀の中小口・個人対象の予約活動を原則廃止との会社判断から、支部としては、かもめ~るの予約・販売活動の実態を総括の上、年賀販売時期には予約活動は絶対に行わせないようチェック機能を強化することとします。
・かもめ~るの販売でのコンプライアンス違反(勤務時間外での販売、勤務時間内での現金管理機操作、行き過ぎた朝礼等での発言、買取の強要)については、会社側に厳正なる処置を求めることとします。なお、親戚・知人等への販売については、購入顧客の住所の支店実績となるよう販売実績の付け替えを強く求めます。
・営業収入確保に対しては、数字のみを求める姿勢を改めさせ、収益率での推進管理等抜本的に見直すことを求めます。
エ 収支改善に向けた取り組みについて
・経費の効率的使用の観点から、順立ファイルのペーパーレス化に向けて情報端末の使用を先行実施できるよう働きかけていきます。
・収支改善に向けた営業のあり方については、営業専門要員の配置を強く求め、配達作業中での声かけ営業は廃止とし、コンプライアンスの守れる販売・勧奨方法等、営業知識を習得した社員が担う領域と考えます。
・営業専門要員を生み出すために、業務運行に支障を生じさせたり、各区の超勤等でカバーして要員を生み出している現状には反対することとします。真の意味で営業専門要員を生み出すために、配達エリアの見直し(450分区)を行ってから営業専門要員を生み出すよう求めます。
なお、要員配置の適正化やシステム投資による効率化にて生み出された要員を安易な営業専門要員への振り向けには反対することとします。
ウ 労働力の適正配置の対応について
・今年度実施した労働力の適正配置(支部内では順立配置の廃止のみ)について、業務運行確保等について支障が生じている支店もある。今後は、各支店の実態(出勤時間の繰り下げ、朝礼の簡素化、昼休憩時間での順立の見過ごし等、)を把握し、労働力の適正配置のために支部と分会が連携し、必要な労働力の再投入に向けて対応することとします。
・具体的な問題点としては、順立要員の廃止により外務員の作業量の増大が顕著である。毎日の業務運行を確保するために、日々行うべき作業(事故処理や資料整備、バイク乗車前点検の形骸化)がやれない状況であり品質管理及び安全面を危惧せざるを得ない状況です。また、兼集区であるため、取集めた郵便物の結束が守られていない状況も散見されています。
支部としての改善は、【ナカタモデル】を試行実施して検証を重ねた上で、現状での労働力の適正配置の考え方について問題点を洗い出します。
・更には、郵便の新処理導入時の順立は必要ないとの認識からスタートした当時を振り返り、さらなる2パス率の向上に向けて内務・外務一体となった業務改革と要員政策を検討し具体化を図ることとします。
② 郵便局会社
ア 会社経営基盤の強化に向けて
・経営資源の効率的・効果的活用による生産性の向上を図る必要があります。委託元会社との連携強化のため、一体的な営業推進態勢、一元的な業務指導態勢の構築をはかったことから職場実態をふまえた交渉を強化します。
イ 部会を単位とする柔軟な要員配置の試行について
・社員の休暇取得等による労働力の後補充対策として、部会を単位とする柔軟な要員配置の試行を2010年7月から全国128部会で実施しています。
・支部内では、労使共通認識のもと積極的に取り組んでいただき、概ね順調に休暇取得及び新規採用者フォローが出来たと判断しています。特に、安城部会においては、普通局・集配特定局・無集配特定局と繁閑度合いの差も考慮に入れた大胆な取り組みを進めモデル部会と評価できるものです。
・今後は、真に実効性ある制度とするためは、要員の有効活用を求めつつも繁閑に応じた要員配置ができるよう、引き続き試行局の試行延長を求め、現場で働く組合員のモチベーションアップ、新規採用者フォローアップ強化、組合員のキャリアパスの自由度の増大等、様々な効果を期待するところです。
ウ 総合服務の円滑な推進に向けて
・ お客さまサービスの向上や社員のキャリアパスの自由の増大等、郵便局会社における重要な取り組みであると認識しています。
支部としては、移行判定が目的化し、実態が伴っていないことも直視しなければなりません。この反省の上に立って、今後は、各局が取り組みやすい方法(運用パターン、スキル取得の方法、担務ローテーションのあり方)を示したガイドラインを作成し、ソフト・ハード両面の整備を行い、各局の業務実態に応じた総合服務が円滑に実施されるよう、支部・分会と連携を図り状況を注視していくこととします。
エ 窓口事務繁忙加算額等の見直しについて
・新営業手当導入等の状況をふまえ、渉外社員配置局加算額とあわせて、両加算額を廃止し、当該原資を活用して、郵便関係業績に着目した営業関係手当の改善(内務サポート手当への繰入)をはかる見直しは、当該原資の活用により、郵便営業に対するインセンティブが高められるようこと。ゆうちょ銀行併設局・被併設局間の手当水準格差の是正も図れること。等から以上を勘案した場合、支部としても受け止めることとします。
・新契約システムは、フロントラインにおける効率的・効果的な営業活動や不備対応事務の軽減等の、お客さまサービスの向上が図られるものと判断できます。業務開始後の実態を見据え検証を行い対応することとします。
③ ゆうちょ銀行
・エリア本部機能の充実により、郵便局とエリア内の直営店が一体的に営業を展開できる環境整備を図ることとしています。営業、業務両面の一体運営の強化は必要との認識のもと、実効性のある体制整備やその効果および今後の対応について職場実態をふまえた交渉対応をはかることとします。
④ かんぽ生命保険
・郵政改革の進捗が不透明であり、この見通しが立つまでは、営業人材の育成や効率的な営業活動を行うためのシステム基盤の整備等、営業効率の向上に重点を置いた取り組みが必要と考えます。
⑤ 部内医療機関
・郵政グループ社員の部内医療機関としての名古屋逓信病院について、組合員の人間ドック受験者増に向けた対策として、支部として組合員に対してドッグ費用の半額補助及び病院までの往復交通費について補助します。
引き続き、部内医療機関としての名古屋逓信病院の利用促進に向けた広報活動を展開します。
2 政策・制度運動の推進
① 事業政策委員会への対応
・2008年度は「民営化に伴う諸課題の改善」、2009年度は「営業戦略」、2010年度は「新たな郵政づくり」をテーマに協議し、意見等については各地方の意見を補強しながら会社に意見・提言を行い施策改善や一定の成果につなげてきています。
・今後は、地方における「事業政策委員会」の設置がある場合、支部段階においても現場で働く組合員の知恵やアイデアを幅広く集約できる場を設けて、地方本部に提言・意見を反映できるようにします。
② 政策提言活動
・地域における社会政策課題について、組合員の地域活動状況を把握し組合員同士で情報交換やお互いの地域活動への協力・支援が出来るようフォロー体制を確立することとします。
Ⅳ、共済活動の推進
・共済商品整理統合後において、よりスケールメリットの活かされた共済商品を提供していくために、共済商品未加入者対策を強化することとします。
・支部共済運営委員会の充実を図るため、支部執行委員が各分会における共済担当者との連携を図り、請求もれのないよう世話役活動を充実させることとします。
・旧無集配特定局組合員に対しての共済商品の請求に対するフロー図(いつ・誰に・どのように請求するか等)を作成して組合員に周知することとし、世話役活動については、引き続き【こんにちは運動】の中で展開します。