第5回定期地方大会発言要旨
三河碧海支部の小林でございます。地方大会は初めてであり新参者でございますのでお手柔らかにお願いいたします。
今回の発言は、福祉型労働運動と「新たな郵政づくり」の2点のみで低レベルとなりますので、しばらくの間お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
福祉型労働運動は、労働組合としての視点の中で、家庭や社会生活を視野に入れた労働運動を実践し労働者、生活者、市民としての顔をあわせ持つ組合員をサポートしていくための運動であると言っています。
三河碧海支部が取り組んだ「元気ッス!へきなん」と「豊栄町盆踊り」の2つのお祭りは、組合員が市民として地域の様々な立場で活躍しているのを、JP労組としてバックアップしたことで実現したお祭りです。単なるお祭り騒ぎと考える向きもありますが、社会教育の一環として参加した中学生ボランティアと連携したり、地元の子供たちを楽しませたりすることでも、その組合員の自己実現や組合員自身を豊かにすることになったと思っています。
子供たちを地域全体で育て、安全で安心な街づくりを目指す地域社会に対して、その責務を地域に存在する労働組合としても一躍を担うことも福祉型労働運動ではないでしょうか?
次に、事業人としての視点では、地域社会に貢献することで地域の再生を目指し、地域社会に立脚した郵政事業を維持・発展させる取り組みで、新たな雇用を生み出す力もあると論じられています。
この部分は、久しく忘れていた政策・制度運動につながるものと理解して、こう考えます。
労動組合も会社側も人的依存度の高い郵政事業を、NPOのように、「人」を、価値を生み出すための最大の資源と認めて、「個」を尊重して、市民としての顔を合わせ持つ組合員の地域でのネットワークを活用した地域主体の新しいタイプのビジネスである「コミュニティ・ビジネス」を創出させることが出来ると考えています。
過去を振り返ると、郵便局は、地域コミュニティとの交流やつながりを重視し、地域の防災活動や交通安全、清掃活動などへボランティアとして参加していました。また、地域住民に対して趣味の教室として場所の提供や講師派遣などでも行なっていました。
あの当時、各郵便局が創意工夫して行っていた地域社会貢献活動は、そのすべてが郵便局の収入に直接むすびつくわけではなかった。どちらかといえば採算性よりもボランティア・ベース、社会貢献で提供してきたものが中心であったと思います。
今後、新会社を作り上げる中では、民間企業として地域社会に立脚した郵政事業を考え、企業の社会的責任として行う活動と本来業務として行うビジネス・ベースの活動とを明確に峻別し、より適正な対価が得られるビジネスモデルを作り上げることが必要と感じます。福祉型労働運動の行く末が、明るい将来展望を描くための「新たな郵政づくり」の中で活かされ「総合生活支援ネットワーク企業」を標榜すると勝手に考えれば納得出来るものです。
最後に、「新たな郵政づくり」に対して一言申し上げます。
新たな会社での株式売却の可能性について専門家ではないので詳しくは語れませんが、投資家たちが企業価値を判断する材料は、社員努力によって生み出された営業収益よりも、損益計算書の営業収益に対する一般管理費の占める割合で企業価値を判断していると聞いた事があります。この一般管理費とは、総務や企業全体を運営し管理するために要した費用をいいます。
23年度の決算報告書を見ると郵便事業株式会社の一般管理費が占める割合は、営業収益に対して5%を超えています。郵便局株式会社はと言えば9%を超えています。それに比べて、民間のヤマト運輸は、何と3%を切っています。1%で営業収益の金額でいえば100億円相当になるようです。現場がいくら単年度黒字と頑張っても数百億円を稼ぐには、相当な努力が必要です。
今後作り上げる新会社は、ヤマトまでとは言いませんが一般管理費がどのくらいの会社になるのか大変興味のあるところです。
「新たな郵政づくり」では、労働組合として、新会社のどこにメスを入れていくかは決断の時期にきていると考えます。今一度、声を出す時がきたのではと思っています。
以上。