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鉄路の彼方へ
鉄路の彼方へ
早春の旅路〈1〉
前の季節
雨水 啓蟄の頃
次の季節
上越線:沼田〜後閑
上州の線路沿いに
時折見かける側溝蓋
かつての碓氷峠ラックレール
刃先のすり減り具合に
先人の苦労が偲ばれる
上越線:土樽〜越後中里
人影稀な豪雪地帯の谷奥に
今年も深々と雪が舞い落ちる
幾年の冬を耐え抜いて
その度風格を増す橋脚
また一年歴史を刻む毛渡沢橋梁
上越新幹線:越後湯沢
暗く長い退屈な時間が続き
やっと飛び出した地上の世界
南からの旅人は皆目を疑う
トンネルを抜けると突然の雪国
それは今なお変わらぬ旅の風情
飯山線:森宮野原
昼間は簡単に運休してしまう
冬の飯山線も朝は特別
深夜からの除雪で準備万端
けれど降りしきる雪は容赦ない
排雪しながら営業運転
千曲川 冬景 (2015) 《平成27年2月中旬》
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飯山線:横倉〜森宮野原
千曲川に沿って走る飯山線
県内で一番標高の低い
最下流にあたるのだけれど
何故か沿線は豪雪地帯
立春過ぎても雪の中
飯山線:平滝駅
雪なんて積もることのない地域で育った身には
何とも気の毒に感じる冬の除雪
「毎日毎日きりがないねぇ・・・」
積み重なった雪の高さは
皮肉にも冬の雪国の活力源
長電バス:木島バスターミナル(長野電鉄:木島駅跡)
駅前で持て余す広大な敷地
向に並ぶ商店の面影
当時のままの待合室に
観光客で賑わった
繁栄の歴史を今に伝える
飯山線:森宮野原駅
長い冬に積もり積もった
雪は背丈を優に超えて
駅をすっかり覆い隠した
それでも暦通りに寒さ緩む
村民のこころ和む季節到来
長野電鉄:夜間瀬駅
りんご畑広がる高原の
小さな町の小さな駅に
今日は朝から澄んだ青空
ここはあたいらの特等席だニャン
温もりの日差しに至福のひととき
東海道新幹線:豊橋〜三河安城
まるで軍事施設のように
厳重に管理されている新幹線
普段はただ目障りなだけの厄介物
視点を変えれば絵になることも
気分ほんわか昭和レトロ
東海道新幹線:豊橋〜三河安城
方や普通はこんな雰囲気
これでもかっと言わんばかりの
縦横無尽の有刺鉄線
けれどこれだけ近くに寄ってみると
危険極まりないのは確かです
菜の花の季節がやって来た! 《平成29年2月中旬》
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豊橋鉄道:老津〜杉山
先月まではこんなところに
菜の花畑はあったかな?
思わぬ穴場の撮影地
寒いけれども光線も良し!
共演はやっぱり菜の花電車
豊橋鉄道:愛知大学前
愛知県は車社会
それなりに鉄道網も整備されているが
他の地域に比べ道行く人の
あまりの数の少なさに
帰ってくるとつくづく気付く
紀勢本線:朝来〜紀伊新庄
冬が終わり
真っ先に春の到来を告げる梅の花
無機質な風景が支配する
雑踏の都会を離れ
南へ向かう汽車に乗る
東海道本線:新所原〜二川
東海道線の愛知静岡県境付近
立岩は岩登り愛好家の手軽な練習場
見えない奥側から手前に向かって
登攀の難易度は高くなるらしい
本日はアイゼン付けて冬山登山の訓練隊
ふるさとの赤い電車〈光陰〉 《平成29年2月下旬》
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名古屋鉄道:西浦〜こどもの国
ふるさとを一望する展望台は県が作ったこども公園
物心つく頃に開園して以来賑わった園内は
時代の流れとともに輝きを失い
今では随分と閑散とした殺風景
見下ろす町並みはそれほど変わらないのだけれど・・・
ジェイアールバス関東:白棚線(鉄道省:白棚線跡)
幹線鉄道の恩恵に与れなかった
地域のかつての中心地棚倉と
白河とを結んで走った白棚線
紆余曲折の激動を乗り越え
そこここにその特異な歴史伝える
仙山線:面白山高原〜山寺
近年では有数の積雪という
山形の山寺 立石寺
午前八時開門の入山は
参道の根雪が凍って超難儀
しかし一番乗りの風景は格別
季節の一枚 ページ
奥羽本線:板谷〜峠
夜の帳が下りる頃
板谷峠の数少ない
鈍行列車はそろりそろり
音もたてずにやって来る
かつての引上げ線の脇を通って
奥羽本線:板谷駅
かつての引上げ線分岐器覆い
その屋根下に移設された新ホーム
ヨーロッパのドーム駅の様な雰囲気で
写真的にはなかなかの被写体
早春の降雪に白銀の贈り物
奥羽本線:板谷駅
新幹線開業前のかつての板谷峠は
専用機関車が行ったり来たりの
スイッチバックでその名を馳せた
豪雪地帯故の防雪施設は
上手く活用して今以って現役 〜
奥羽本線:板谷
〜 保線車両の基地として
線路も改軌され当時の駅へ
今は新ホームへと続く
通路伸びるその“スノーヒェット”
脇を新幹線は軽快に通り過ぎる
BLEUCRISTAL EXPRESS 《平成30年2月下旬》
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奥羽本線:板谷〜峠
予報に反して降雪は強まり
向きの定まらぬ突風も吹き荒れる
運良く事前に自作急造の
鎌倉もどきの風雪除けから
覗いたBLEUCRISTAL EXPRESS
奥羽本線:赤岩〜板谷
お隣峠集落と共に
一時は大いに栄えた板谷地区
石炭ストーブの煙突か
古風な休校舎脇を新幹線
車窓の視線は皆きっと無関心
名山の旅 付録ページ 吾妻山
奥羽本線:峠駅
奥深い山道の奥のその立地から
久しく訪れなかった峠駅
この冬は数十年振りの豪雪と言う
峠の道は雪壁に囲まれた一車線路
走って来ただけの価値ある別天地
驛 特設ページ 峠
奥羽本線:峠駅
峠駅の知名度を全国区に上げているのは
歴史あるホーム立ち売りの“峠の力餅”
スイッチバックが無くなってからも
お昼の汽車に合わせて毎日販売
帰りの足取りは売れ行き次第
奥羽本線:大沢〜関根
山形新幹線は福島を出ると
奥羽本線の難所 板谷峠越え
かつては喘ぎ登った急登も
今では最新電車で軽々と
峠を下ればそこは雪国 米沢盆地
奥羽本線:置賜〜高畠
立春も過ぎたと言うのに連日の
氷点下十度の米沢盆地
川縁には朝霧が立ち込めて
朝日に照らされ近づく影二つ
相棒と信頼し合って進む路
奥羽本線:置賜〜高畠
冷え込んだ雪原にうっすらと
夜半の粉雪朝日を浴びて
消えては漂う朝霧の彼方
遥かに飯豊の山並現れる
凛々しい一日始まる予感
季節の一枚 ページ
山形交通:高畠駅跡
それにしては立派過ぎる
駅の賑わいはまほろばの夢
その後の乗り合いバスも
何時しか消えて人影もない
先人の偉業だけが佇むのみ
北海道新幹線・海峡線:奥津軽いまべつ〜木古内
この地へは実に何年振りなのだろう
今回は直行の道程で長かった事・・・
片道千キロメートル近くの大移動の末
北海道へあと一歩の“玄関口”到達
残雪の“北の観光地”は未だ静寂が支配
北海道新幹線(奥津軽いまべつ駅) 《平成31年2月下旬》
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北海道新幹線・海峡線:奥津軽いまべつ駅
及び
津軽線:津軽二股
つい一昔前までは広大な原野と耕地
そんな所に新幹線の駅が出来て
場違いな幾何学的巨大建造物
箱物施設作りは過剰壮大中身無し
表面上の雰囲気で悦に入る国民性
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(八甲田丸)
国鉄時代と民営化後の廃止間際に利用
当時はそれ程までには特別な愛着も
抱いていたとは言い切れなかった存在
年と共に旅に対する感情も移り変わり
船旅ならではのあの独特の高揚感が懐かしい 〜
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(八甲田丸)
《思い出の中の風景》
羅針盤
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(八甲田丸)
《思い出の中の風景》
グリーン船室
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(八甲田丸)
《思い出の中の風景》
航送船室
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(八甲田丸)
《思い出の中の風景》
主要機関
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(八甲田丸)
《思い出の中の風景》
機関室
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(八甲田丸)
《思い出の中の風景》
郵便輸送
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(八甲田丸)
〜 そもそも鉄道にだってそんな感覚は
連絡船が活躍していた頃には確かに
存在していた様に記憶している
それらは徐々に徐々に薄まって
気付けば殺風景な効率偏重の時代
青い森鉄道 及び 奥羽本線:青森駅
あっちもこっちも上手く撮れない連絡船
諦めかけて駅を見下ろせば“四季島”発見
この手の汽車は団体周遊観光の豪華鉄道版で
そもそも旅情が感じられないので興味皆無も
見かければ撮り逃さずにはいられないのは性
津軽鉄道:津軽飯詰
そもそもの主目的だった青函トンネルと連絡船
そちらの収穫は見込めずと予定外の津軽鉄道
“予習”無しでの撮影地探しでまず目に留まったのは
古風な駅と林檎の貯蔵倉庫に駅前の未舗装道
鉄道貨物華やかな時代の賑やかな構内風景偲ぶ 〜
津軽鉄道:津軽飯詰〜毘沙門
〜 実はこの辺も一度撮影に寄り道していた場所と気付く
雪深い津軽も今冬は異常小雪で春の訪れも早い様
広大な田園上空ではひっきりなしに渡り鳥の編隊飛行
季節風はまだまだ冷たいけれどそろそろ北へ帰る予行演習か
“冬型”の空模様の中 小さな踏切 名物ストーブ列車行く
津軽鉄道:津軽飯詰〜毘沙門
例年の今頃はまだ深い雪景色の
津軽の遅い 遅い春のはずが
今年はかなりの記録的小雪
黒々とした大地が早々と
名残の冬空の下 顔を覗かせ
津軽鉄道:津軽飯詰〜毘沙門
数年前からストーブ列車には通常の気動車が併結されて
観光客と地元客の両方に便宜を図った運行だと言う事は
知っていたのだけれど編成にまでは知識が無かった
二本目の定期便は可愛い機関車牽引の二両連結便
見つけた丘の上から広大な残雪の田園見下ろす撮影に挑む
津軽鉄道:津軽飯詰〜毘沙門
三本目は午前同様に気動車と客車の一両ずつ
光線状況や見栄えも考慮して撮影地変更
と言っても朝の麓へ戻っただけ
曇りがちのお天気はあまり気にも留めず
寒さの中辛抱した甲斐はそれなりにあった
季節の一枚 ページ
津軽鉄道:津軽飯詰〜毘沙門
この旅初めてのそれなりの充実感に
車に乗り込み撤収し出して直ぐに
“感じる物あり”で咄嗟の手持ち撮影
朝から気にはなっていた木製架線柱
この手の撮影には背景が物を言う
津軽鉄道:津軽飯詰駅
“林檎倉庫”の朝の古風な駅に戻る
駅舎自体もかなり趣があるのだけれど
駅名板に住所が記してあるのも微笑ましい
“架線柱”同様ここでも背景が一役
暫く空の変化を待ちつつ時を過ごす 〜
津軽鉄道:津軽飯詰駅
〜 名残の西の空を背景に
最後に視線が捉えたのは
雪国伝統の素朴な防雪柵と
微妙に歪んで使命全うの
哀愁鉄道に潜む魅力の断片
五能線:深浦〜広戸
翌朝からは暫く五能線の散策
季節風吹く初日は波が絵になったので
あれこれ物色も結局既知の神社へ
果てしなく段丘が発達する沿線風景
この旅唯一の鉄ちゃん発見も霞が春を告げる
五能線:深浦〜広戸
フィルム機時代以来久々の五能線
長い沿線も好撮影地は局所限定
どうしても撮り易い其方へ足は向く
けれども彼是決定打を見出せず
岬・丘・岩礁・波打ち際と試行錯誤
五能線:驫木駅
今では愛好家の間でかなり有名な驫木駅
半世紀前の寅さん映画の最終盤のロケ地として
さくらが降り立った当時とあまり変わらぬ姿
劇中では何故か当地は鰺ヶ沢町驫木と紹介も
実際には当時も今も深浦町 雑念は邪念!
五能線:深浦〜広戸
深浦の街からすぐの有名撮影地
この時期は“季節”ではないのか週末も
鉄路にレンズを向ける人影は皆無
定番の道路脇からの画角に飽き足らず
翌日は反対側の崖によじ登り夕景撮影
五能線:十二湖〜陸奥岩崎
通称ガンガラ穴のある景勝海岸
以前はお天気の関係か通過しただけで
ここでの散策・撮影は今回が初めて
お天気も微妙で定番撮影地も微妙で
名も無い穴から白神岳を背景に一枚
名山の旅 付録ページ 白神岳
五能線:岩館〜大間越
少しずつ少しずつ僅かではあるけれど
自宅方向へ向かっての撮影行
この画角は以前経験済みのほぼそのまま
レンズが更に広角になったお陰で幾分楽に
磯を取り込みまとめる事は出来たけれど・・・
羽越本線:女鹿駅前
元々は列車交換用に森の中に増設の
信号所が集落の人々の熱意もあってか
国鉄の改革と時を同じくして停車場に
念願の現実はしかし極閑散ダイヤで
この先駅がある事すら疑わしい存在幾年
羽越本線:あつみ温泉〜五十川
脇の国道を通り過ぎる度に気になっていた
今回も移動途中ながらこの風景を初撮影
お天気はいまいちも船溜まりに人影が
時間直前になって“一休み”になってしまった
海草取りのおじさんと珍しい四混色列車
羽越本線:小岩川
街並が撮れそうだと寄り道の
小岩川集落散策 黒瓦の屋根
越の国に広く点在の美景に
その夏襲った震度六強の揺れ
報道の惨状空撮は此処であった・・・
羽越本線:鼠ケ関
地理好きはとにかく出来るだけの風景は見ておきたい
そんな衝動から進入路を逃がしつつも偶々立ち寄った鼠ヶ関集落
事前知識もなく目に飛び込んできた目立つ石碑は県境の証
個人的興味の正に対象物件遭遇に運良く背景は駅構内
偶然通りかかった越後側叔母さん三人組に実情も聞け充足
羽越本線(旧線):勝木〜府屋
羽越本線村上〜鶴岡間の風光明媚な
海岸沿いの鉄路は輸送力増強目的で
国鉄末期計画された新線複線化に依って
効率優先の味気無い暗闇鉄道へ風情捨て去る
相反する魅力融合の術知る賢者現る日は来るか
羽越本線:越後寒川〜勝木
村上市街から笹川流れを北上する国道
その終点近くの最後の漁村が特別情緒
以前から気にはなっていたのだけれど
イカ釣り漁船の先の鉄路は現役線だった
此処でこんな風景が撮れるとは今まで迂闊
信越本線:青海川駅
日本海に一番近い駅
青海川駅は観光名所
今日は生憎のお天気で
平日の為人気は無い
その侘しさが旅情の神髄
信越本線:米山
昭和の時代の青少年向け鉄道単行本
腰のある紙 A6版程の手のひらサイズで
厚みのあった人気シリーズ“コロタン文庫”
印象に残る故真島氏の重厚な作品は
確かこの米山でのものではなかったか・・・
えちごトキめき鉄道:関山〜二本木
関川の緩斜面に広がる田園地帯
豪雪の当地は冬は一面の銀世界
初めて味わったかんじき体験
苦い思い出も今では笑い話
当時の風景が未だ此処には有り
信越本線:妙高高原駅
上野から北陸へは「白山」や「越前」
名古屋から新潟へは「赤倉」など
国鉄時代までの多くの直通列車
JRに移行後は次第に無くなり
ついには駅も移管の春へ
近江鉄道:太郎坊宮前〜市辺
近江の街を散策すると
誰しも気になるあの子の存在
湖東の人口密度はひと際高い
近年色々に呼び親しまれているようだけれど
個人的には昔も今も“五分刈りくん”
早春の旅路〈1〉
前の季節
雨水 啓蟄の頃
次の季節
鉄路の彼方へ
早春の旅路〈2〉
春の旅路〈1〉
春の旅路〈2〉
初夏の旅路〈1〉
初夏の旅路〈2〉
盛夏の旅路〈1〉
盛夏の旅路〈2〉
秋の旅路〈1〉
秋の旅路〈2〉
晩秋の旅路〈1〉
晩秋の旅路〈2〉
初冬の旅路〈1〉
初冬の旅路〈2〉
冬の旅路〈1〉
冬の旅路〈2〉
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