2005年2月18日(金)ソワレ  オペラ座の怪人  電通四季劇場〔海〕


オペラ座の怪人 高井治 クリスティーヌ・ダーエ 沼尾みゆき
ラウル・シャニュイ子爵 石丸幹二 カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグジリー 松元美樹 マダム・ジリー 秋山知子
ムッシュ・アンドレ 林和男 ムッシュ・フィルマン 青木朗
ウバルト・ビアンジ 半場俊一郎 ムッシュ・レイエ 田代隆秀
ムッシュルフェーブル 鈴木周 ジョセフ・ブケー 寺田真実
    アンサンブル
関与志雄 長裕二 平野万里 岡山梨都子
孔大愚 小林克人 石野寛子 イジンヒ
増田守人 吉末高久 笠井真由美 鈴木さおり
岡智 西山愛由美 古屋敷レナ
笠井優 李朱蓮
【オーケストラ指揮】 西野淳 畠山// 田窪万里子


またもや必死の形相でチケット取って(笑)行って来ました、東京へ。
先回の観劇から3週間程。すっごい久し振りに感じる私は狂っていますかね?
映画効果もあって、ものすごい競争率ですよ!ほんと。
それでも勝ち抜いている自分・・素敵(爆)

沼尾さんのクリスティーヌ。京都以来なんですよね。
だから自分で見た時の印象なんて、もうだいぶ忘れてて・・。
顔が怒っていることと、常にバタバタ歩いているイメージしかなくて(苦笑)
ネット見てても、あんまりいい印象って書かれていないじゃないですか。
ある意味、そういったネットからの情報だけで作られていたような沼尾さんの印象が、いい意味で裏切られた。
というか、しっかりファントムを想った演技をされていた〜♪♪
沼尾さんの歌声はクリスティーヌにキャスティングされているだけあって、やはり合っていると思いました。
繊細でどこか頼りなげで幼くて。太い声ではないけど、それでもしっかり一本通った声。
・・・ただ動作がどうもボテボテで。
歌はいいのに、所作が大雑把で勿体無いな〜・・って強く思いましたね。
ハンニバル・・Think of meのヴェールの使い方、ミラー前での一連の動作。
とってもちゃきちゃきしてて(苦笑)
これで動きにもうちょっと滑らかさや自然さが加わったら、すごく良くなるんでしょうね〜。

しかし、沼尾さんのクリスティーヌと佐渡さんのクリスティーヌは、かなりの雰囲気の差があると思いますね。精神年齢は・・10歳以上違うでしょ・・。
沼尾さんのクリスは守ってあげたいと思わせるものがありましたね。
沼尾さんを見たことで、佐渡さんのクリスティーヌはすごく自立しているなぁ・・って改めて感じた。
それはファントムやラウルに対する演技にも感じる事で、佐渡さんだと3人が対等に演技されていた印象(3人が主役)があったんですが、沼尾さんだと少し弱い。
高井さんや石丸さんの演技を見ると、もうちょっと沼尾さんが前に出てくるといいなぁ・・と思いましたね。
でもこういうクリスは好きです(^^)

沼尾さんのクリスでいいなぁ・・と思ったのは、ファントム・オブ・ジ・オペラ。
正直、佐渡さんの時、すごく違和感があったナンバーだった。佐渡さんの声がどうも強くて・・。あと発音とかもね。
それがいい感じに2人の歌声が融合していて、聴き応えがあった。
そうそう、これは特筆すべきことだけど、オケの音量が上がっていたんですよ!
そして。ファントムがミュージック・オブ・ザ・ナイトを歌っている時、夢見心地の表情・・。
あぁ。クリスティーヌはこの声で支えられているんだなぁ・・って。

私の大好きな墓場にて。よかった!!本当に!!
ファントムとクリスティーヌのお互いへの想いが歌声となってました。
いい意味で年齢差(師弟関係)を感じる歌声で。そしてその関係を超えて、一つになっているのが伝わってくる歌声でした。

ポイント〜・・はもうちょっと沼尾さんに色っぽさを感じるといいですね。
難点を言ってしまうと、沼尾さんがずぅっと少女なんですよね。

クライマックス。怪人の隠れ家。
ファントム。ラウル。2人の間に挟まれて、限界ギリギリのところでもがき苦しんでいる姿を見た気がします。
やっぱりこのクリスティーヌは若い。弱い。
そんなクリスティーヌの決断は、決してラウルを助けたいからファントムにキスをしたわけじゃなかった・・・
キスした後のフラフラになっている姿を見れたのも、何だか感動しましたね。
沼尾さんのクリスティーヌ。期待大ですね。
経験をどんどん積んで欲しいですね。


さてさて。高井さんは。
自分の思ったとおりに喉が動いてくれてないんだろうな〜・・と思わせる歌声でしたが、決して疲れを感じさせる声というわけではなく。
少し軟らかさがかけたかな・・と思わせる歌声でした。
というか、迫力満点!という表現がふさわしい、物凄い勢いでミラーからミュージック・オブ・ザ・ナイトを歌ってましたよ。
マイクの音量が上がっていたかもなんですが、声量が大きいとかじゃなく、強く声を出すものだから、勢いに圧倒されてしまった(苦笑)
欲を言えば、もうちょっとささやくように歌って欲しかった。
今の高井ファントムの状態だと、突き刺すのが愛情表現なんだろうか。
でも、天使像の上や墓場にて、ポイント〜はいつもの調子で歌われていて。
正直、ミュージック〜で勢いある歌声を聞いた時は、今日は叫び系のファントムだろうか!と、
京都公演の7月に見たあの舞台を一瞬思い出しましたが、後半はしっかりコントロールが利いた演技でした。
ただ。高井さん自身はファントムとして良い演技をされていたとは思うんですが、今日の沼尾さんのクリスティーヌに対して演じているのではないな・・とちょっと違和感は感じたんですよね。
沼尾さんの向こうに見えているクリスティーヌはどんな姿なんだろう・・誰なんだろうとと。
佐渡さんのクリスティーヌ相手でもいける演技だな〜・・とも思ってしまったし。


ここまで書いていてなんですが、実は私、1幕は浸りきれなかったんです。
夜勤明けで見たからという理由ではないと思ってはいるんですけど、今日新しく拝見したルフェ−ブルの鈴木さん、メグの松元さん。カルロッタの岩本さんにどうも馴染めなくて。
いやぁね、これがリピーターの悲しい性。
特にルフェーブルとメグは今まで拝見してきた印象とは結構違ってて、ビックリでした。
ルフェーブル。オークションでのセリフ、微妙に違うし。
セリフの言い方もめちゃめちゃ淡々としてる。正直、棒読みに聞こえてしまって(苦笑)
鈴木さんの演技に最後まで馴染めず、終わってしまった・・。明日は良さに気付けるかな?

松元さんは声が低くて、冷静で大人なメグですね。
可愛い!って感じじゃなく、しっかり者!といった感じで。

岩本さんは体が細い分、貫禄があまり感じず。
元のお顔が可愛らしく優しい印象だからかな。どうも目立ってこないカルロッタだな・・と。
ハンニバルやドンファンも他のアンサンブルに馴染んじゃいますもん。
でも逆に、そのギャップでわがままやらのマイナスの面が出てきたら、面白いだろうな・・とは思った。後半、そんな姿も見れましたしね。
表は良さそうな人、でも実は裏では・・・っていった人が一番厄介ですよね(苦笑)

石丸さんや林さん、青木さんは実に安定した演技をされてました。出てくる度にホッと息がついけたかも。
そうそう!今日、密かに思わず声を出して吹きそうになったことは、小林さんがドンファンの練習の時、ちゃんと歌わないピアンジに対して、『あんたね〜!!』ってキレテいた(笑)
もう笑えて笑えて、何気にいつも演技を変えられてません?
小林さんといえば、増田さん(なんじゃそりゃ)。
気になっていた姿勢の悪さが見事に直っててビックリ!背中に物差し(←ラウルだよ)が入っているぐらいにまっすぐでしたよ。指摘でもされたのかしら?


今日は周りのお客さんが喋ったり、カバンをゴソゴソしていたり。
そして前の列のお客さん。不倫カップルさん(苦笑)寄り添って見るのはやめてください!
でも後半はグッと来て。周りのお客さん達も舞台に引き込まれたのか、物音一つしなくなった(笑)
ラスト、ファントムが玉座から消えた瞬間、『手品みたい〜♪』と後ろから聞こえたのは、ガクッときたけど(爆)

あぁ。それにしても、やっぱり高井さんの歌声が聞けるってのは単純に嬉しいですね♪

明日の舞台はどんなかな〜☆



おしまい。


◆2005年『観劇キロク』にもどる ◆『演目いちらん』にもどる



2005年2月19日(土)ソワレ  オペラ座の怪人  電通四季劇場〔海〕


オペラ座の怪人 高井治 クリスティーヌ・ダーエ 沼尾みゆき
ラウル・シャニュイ子爵 石丸幹二 カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグジリー 松元美樹 マダム・ジリー 秋山知子
ムッシュ・アンドレ 林和男 ムッシュ・フィルマン 青木朗
ウバルト・ビアンジ 半場俊一郎 ムッシュ・レイエ 田代隆秀
ムッシュルフェーブル 鈴木周 ジョセフ・ブケー 寺田真実
    アンサンブル
関与志雄 長裕二 平野万里 岡山梨都子
孔大愚 小林克人 石野寛子 イジンヒ
増田守人 吉末高久 笠井真由美 鈴木さおり
岡智 西山愛由美 古屋敷レナ
笠井優 李朱蓮
【オーケストラ指揮】 西野淳 畠山// 田窪万里子


うぅうぅうぅ・・とても感動した舞台だった。。
ボートのトラブルがあって、ちょっとハラハラしたけど、逆に役者さん達が動揺しちゃいかん!!という思いからか、凄く集中した演技が見られたような気がします。
役に皆さん、生きてましたよ〜・・・うぅ。思い出すだけで泣けてくる!
参りました、参りました。本当に参りました・・。
終焉後、何度こう呟いた事か!新橋で叫びそうになったオバカなみつです。
・ ・おかげで悪酔いしたさ(苦笑)

高井さん、目力が強い!ミラーから力強く歌声が響き、ミュージック・オブ・ザ・ナイトは・・。
ボートが出てくるタイミングが遅くてね、動きもガッタンガッタン・・沈むんじゃないの、そのボート!?って感じで、いかにも人動で動いている感じ(まぁ本来の形なんだけど)。
途中で止まってしまったかのように、ボートを揺らしながらファントムがクリスを下ろし、気付けばボートの姿がおかしい。・・というか、ボートだとは分からない形。
多分、後ろ前が逆だったと思うんですよ・・う〜ん、それとも最初からいつものボートじゃなかったのかな。
だから、客席から見ると、ボートの上に上がっている方が手前にきてるんで、一体それが何に乗ってきたのか分からないかも。
そういや、今日はドライアイスの量が凄かった!きっと後ろでスタッフさんが押していたんでしょうね、だから分からないようにドライアイスが多かったのかも。
ボートの中のクッションも全く見えず。初見の人、ボートだって分かったのかしら?
まぁ、ファントムが一応漕いでいたから分かるかな、・・映画見てたら分かるか(笑)

しかし、そんなトラブルなんて、どうでもいいのだ。そんなことに動揺するようなファントムじゃないのだ。
全身からめちゃめちゃ気迫が伝わってくるの!情熱的なミュージック・オブ・ザ・ナイトにワタクシ圧倒されました。
昨日も思ったんですが、沼尾さんって本当に歌声に酔っているようなお顔をされますね。
その歌声に全身を委ねている・・・そしてそれは無邪気なの。
ファントムはクリスティーヌを異性としてみた愛情、クリスは無邪気にパパを想った愛。
そんな微妙なすれ違いが今日は強く伝わってきて、切なかったな〜。
それにしても、高井さん。本当に情熱的な歌声でしたね、
愛するクリスティーヌに仮面をはがされ、罵声を突きつけた後にクリスに向かっていく所なんて、何だかリアルで。
というのは、思わずクリスティーヌを抱きしめてしまうのではないか・・と思ったよ、
←そんな筈がないのは分かっているんだけど、ちょこちょこそう思ってしまうことがよくある。そう。よくあることなのよ、もうしょっちゅう。(←言ってみたかった(笑))

一息つける支配人室(爆)は贅沢の一言です。
この重唱を聞くのが楽しみで、楽しみで。これこそ、オペラ座の怪人だ!と思わせるものがある。
ファントムが舞台上にいる時の緊張感から、解き放された時、緩和剤ですね、この場面は(笑)
林アンドレと青木フィルマンの声、やっぱり好きだな〜。声がよく通りますしね。
イルムートの宝石商サン達はノリノリですよね。特に増田さんとか。
この場面の岩本さん。可愛らしいですよね!

All I ask〜は沼尾さんの「あの声は〜全てを包み〜」でふわ〜っとする感じになるのがすごく好き。
というか、私はこの部分をいっつもチェックしてしまいます(笑)
はかないというか弱いですね、沼尾さんは。
そういえば、昨日見た時より、ばたつきが気になりませんでした。・・・私の目が慣れたのかしら^^;

マスカレード。
ジリー母子が一緒に踊っていることを今になって初めて気付いた・・。
映画を見てから思うんですが、私はマスカレードの部分は舞台版の演出のガ好きだな〜。見た目的にも凄く華やかだし。
何よりも、マスカレード〜!!の振り付けが好き(笑)・・と1人パソコンを打ちながら踊ってみる(^^ゞ

墓場にて。
くぅ〜!その2人の声が重なった時!
鳥肌が立ちました。今日は高井さん、本当に感情が歌に乗ってる!

ポイント・オブ・ノー・リターン。
コレが見たくて、東京に来ているかも(?)と一瞬頭によぎったぐらい、好きなシーンかも。
何ナノかな。歌声と手だけで、こうも人の心をドキドキさせることが出来るのか。
一度、高井さんの声を何かの専門機関に細かく研究させて欲しい。何がでてますよ、あの声は!(爆)
改めて思う、手の美しさ。
歌声と手に今まで何度惚れ惚れさせられたか。きっと、これなんだな。私が高井さんを追いかける理由は・・←1人で納得してます。

ラスト。
怪人がクリスを再びさらって行く時。幕が上がったら、二人はボートではなく、立っていて。
やはりボートの調子が悪いんですね。
ファントムがクリスの手をずっと引っ張りながら、湖を渡っていく・・という普通だったらおかしい演出なんですが・・・。
真正面に向かって、見たことがないぐらいの凄い目力で歌ってくるものですから、何だか一瞬にして囚われてしまった!!何もかもが!!
あの目力を真正面で受けたお客さん(私は席位置的に少しずれていた)、固まったと思いますよ、すごい気迫でしたから。
声量も物凄かったし!
・・しびれました。
クリスティーヌがうつむきながら、ファントムの後を追っていくんですが、ボートの調子の悪さは別にしても、それトラブルを忘れさせるぐらい・・
むしろ、トラブルに感謝したいぐらいの素晴らしい演技を見せてもらって・・(>_<)
きっと初見だったら、何も気付かなかったでしょうね。

そのへんから高井さん、スイッチが入ったように、今日の演技の集大成。
高井さん、激しい、激しい。
クリスティーヌはもうフラフラ。
福岡で見た、大前クリスが高井ファントムの熱い想いを全身に受けてしまって、フラフラになっていたのを思い出しました。
もうクリスティーヌはギリギリのラインで舞台に立っている(その場にいる)といった感じ。
一生懸命、クリスティーヌが何とかその場の状況を対処しているようで。
もうちょっと長いシーンだったら、確実に沼尾さん、倒れこんでいるのでは?
そのぐらい、ぐわ〜〜っ!とくる覆い被さるような演技をされいたんですね、高井さんは。
私ももうフラフラ(苦笑)
その想いを全身で受けたクリスティーヌ。。やはり指輪は返すよね・・そんなことをふと改めて感じた。
でも、村田さんが昔インタビューで言ってましたが、精神的には結ばれた瞬間でもある・・そうだと思いました。


・・・本当に素晴らしい舞台を観させて頂きました。
汐留に移り住みたい(笑)←今まで何度も言っているけど、やっぱり今日も思ったのだ(>_<)
海劇場の地下に私も住もう、うん!
どうしましょ、ますます高井さんのファントムが目が離せない、想いが募ってしまった(ため息)
・・ここだけの話、このまま余韻を楽しみたくなっちゃった、もう1泊して、東京にとどまることにしたんですよね(笑)
そう。次の日も休みだったんです、公演もある日曜が。
でも、もう1公演観たくなるのではなく、明日見れなくてもいい。むしろ、このままのがいい!
と思えたんです。何だか、もう凄く満足してしまって(^^)


舞台は生モノ。これだけの回数を観ていても、感動をよべる舞台。
素晴らしい!!
本当にありがとうございました。


◆2005年『観劇キロク』にもどる ◆『演目いちらん』にもどる


2005年4月24日(日)マチネ  オペラ座の怪人  電通四季劇場〔海〕

オペラ座の怪人 高井治 クリスティーヌ・ダーエ 沼尾みゆき
ラウル・シャニュイ子爵 内海雅智 カルロッタ・ジュディチェルリ 岩本潤子
メグジリー 荒井香織 マダム・ジリー 西島美子
ムッシュ・アンドレ 林和男 ムッシュ・フィルマン 青木朗
ウバルト・ビアンジ 蔵田雅之 ムッシュ・レイエ 長裕二
ムッシュルフェーブル 喜納兼徳 ジョセフ・ブケー 寺田真実
    アンサンブル
関与志雄 小泉正紀 平野万里 黒田あきつ
孔大愚 佐藤圭一 石野寛子 室井優
増田守人 吉末高久 笠井真由美 岡山梨都子
岡智 西山愛由美 小野誠子
種市万里子 高木美果
【オーケストラ指揮】 西野淳 ちな 田窪万里子

先行予約日ということもあって、早番出勤の時よりも早く家を出て、行ってきました、東京!
10時までに新橋に着いていたかったんで(苦笑)新幹線の中は爆睡でしたよ^^;

さてさて。舞台のほうは・・。2ヶ月ぶりという気負いもなく、結構落ち着いた観劇が出来ました。
舞台のほうも実に落ち着いた雰囲気で、ジワジワと切ない余韻が残るような舞台でしたね・・。

今日のラウルとクリスは若い!これが強く印象に残る。
可愛いロッテ・・幼い日の懐かしい思い出。そんな子どもの頃の2人がそのまんま大きくなっちゃったみたいな。
内海さん、沼尾さんコンビはそんな無邪気で純粋な印象を受けました。
こうやって考えると、石丸さん、佐渡さんコンビは「子ども頃の私達じゃないのよ」のセリフ通り、今という現実を生きている印象を受けましたね。
人生の酸いも甘いもかぎわけた・・とまではいきませんが、それなりの経験をされて今の姿がある・・と。

福岡以来の内海さん、変わってないですね〜(^^ゞ
何事も一生懸命なおぼっちゃん、苦労もさほどせず、すくすくと大きくなった・・とでもいうんでしょうか。素直なおぼっちゃま。
何ていうかな。ファミリーミュージカルで出てくるような王子様・・みたいな^^;
あくまでこのミュージカルの舞台はパリ・オペラ座。その場にあった貴族らしい立ち振る舞い、オーラ・・が感じられないんですよね。
クリスティーヌのことを守ろうとする一生懸命さから、クリスティーヌのことを愛しているということは伝わってくるんですけどね。
友達とも話したのですが、内海さんのラウルはまんまとファントムの罠に引っかかりそう。←そんなところが個人的にはすごく好きなんですけどね♪
でも石丸さんだと、最後の最後まで用意周到に細心の注意を払って、クリスを守り抜きそうな雰囲気がするんですよね。
むしろ、最後の最後で首に縄をかけられるような詰めの甘さは、石丸さんだったらしなさそう。
内海さんはクリスティーヌを見つけた瞬間、すっかり首を狙われる危険を忘れそうですもん(^^ゞ
また、内海ラウルにはファントムの闇を引き立たせる光というものに、少し弱さを感じる分、今日のファントムに闇はあまり感じなかったんです。
それは高井さんの演技の仕方もあったかもしれませんが。

今日の高井ファントムは、声が緩急自在に出てました。思った通りの音を喉が出してくれていたんでしょうね〜。
決して勢いだけで歌うのではなく、のびのびと切々とクリスティーヌに愛を傾けていました。
ミュージック・オブ・ザ・ナイト、顔がね〜、とっても嬉しそうなんですよ、はにかんでるんですよ、ファントムが。
大好きなクリスティーヌと一緒にいれる喜び、それが全身から感じるんですよ。
その歓喜に酔いしれながら、歌っている感じ。
初めて恋心を覚えたファントム、目が少年のようでした。純粋にクリスティーヌを想う気持ちが伝わってきましたね〜。
ただただクリスティーヌに自分の存在を感じて欲しい・・目線をクリスティーヌに合わせているような・・。いつものような支配力をさほど今日は感じず。
大切にクリスティーヌを自分の領域に招き入れた感じ・・。
何だか今日のファントムは若い!
だから、内海さん×沼尾さんの若々しいコンビに、ファントムが1人哀愁を感じさせるのではなく、
クリスティーヌを大切に想う気持ちはラウルと変わらない純粋なものなんだな〜・・と思ったわけです。
そんな二人から愛情を受けるクリスティーヌはやはり幼くて。
成熟しきっていない少女でもなく、女性というわけでもなく・・。
今日はバランス的には良かったのでは。こういう三角関係も良いな〜・・と思いました。

石丸さん×佐渡さん×高井さんのコンビの時は、実に濃厚で大人な舞台を感じたものですが、今日は印象が爽やか・・だったのかな。
ただ欲を言ってしまえば、やはりもうちょっとラウルとクリスティーヌが前に出て、もうちょっと大人になってくれてもいいかも(^^ゞ
オペラ座の怪人という舞台の中では、ちょっと翳んでしまう。豪華絢爛、格式高いこの舞台、それにもうちょっと見合う演技をされるともっと良くなるのでは?

話は戻って高井ファントム。
墓場のシーンでは先回同様、溶け合う2人を見れました。
あぁ・・良かったね、ファントム(>_<)と。
しかし、ポイント〜では、少年ファントム(←言い過ぎかも(^^ゞ)から、一気に大人なファントムへ。
喉の調子が良いことも合って、もう声が誘ってる(爆)湿気帯びて、湿気帯びて。
それでいて、自由自在に声を発するものですから、色気度120%(笑)
息遣いも含め、ファントムがそこにいるだけで、何だか濃厚で熱い時間が流れてました。
あの少年ファントムがどうしてこう変わるのか。。とちょっと違和感感じるぐらいでした^^;
沼尾さんのクリスも先回に比べると、演技力もUPしてて、大人なファントムに応えていたかな。
表情は時々はっと目をひくものがあるんですが、歌声にももうちょっと感情が出るといいですね。
墓場の場面からは、畳み掛けるようにどんどんとヒートアップするのが、沼尾さんだとちょっと物足りない。
どんどんと熱く感じさせるような緊張感とかも出てくると、もっと良くなるのでは。

ラストのファントムは切実とクリスに問い掛けてましたね。
決して、こうなりたかったのではなく、お前を愛するが為にしょうがなくこうしちゃったんだ・・と。
自分は悪くないんだ・・と子供のように訴えかける姿に悲しさが伝わってきました。
「行け〜・・・行ってくれ〜!!!・・・・・・お願いだ〜〜!!!」はお願いだ〜!の前に、少し間があったんですよ、今日は。
最近こういう演技をされているのかな。
だから、お願いだ〜〜!!!の叫び具合が、いつも以上に凄くて(@_@)
今日はファントムの背中がいつも以上に小さく見えましたね〜・・(T_T)
そんなファントムが切実に訴えかける「I love you」・・・優しくいたわるように目を向けるクリスティーヌにホロッ(+_+)
優しさから離れていくクリスティーヌにポツンと残ったファントム・・・。
ヴェールを愛しいように抱きながら伝える最後の伝言は、今日のファントムならではの切なさでした。
綺麗で純粋で・・。魂が浄化されて消えてなくなるかのような言葉でした。
圧倒されたのではなく、幻を私は見ていたのか・・と思わせるような静かな最後でした。

う〜ん・・素敵な舞台だったな〜・・。


さて。他のキャストで気になった方達の感想を少しだけ。
初見の蔵田ピアンジ、面白い演技をされますね〜。
半場ピアンジと違って、カルロッタに隠れて浮気とかは絶対にしないような小心者のピアンジですね。
常にカルロッタの顔色をうかがっているんだもの、プライドというものをあんまり感じさせないピアンジでした。
舞台を進行する上で邪魔にならないぐらいの細かい演技満載で見ていて、面白かった!
ドンファンの練習の時も、最初のコーラスの時は片方の耳に指を突っ込んで、曲の切り替えと同時にピッって耳垢を飛ばしたのか?って思うような動作をされるんですよ。
それがどうもツボに入ってしまって(笑)
レイエに違う!と言われても、まずはクリスティーヌのほうを見て、「あんた違うんだってよ!」と責任転換してるし(笑)

岩本さんのカルロッタは前より意地悪で、わがままになってました(笑)
決してコーラスガールから成り上がったカルロッタではなく、最初から主役の道を歩んできた、苦労知らずでわがままなカルロッタだと。

荒井さんのメグは可愛い!もう安心して演技も歌声も聞いていられます(^^)

長レイエ、喜納さんのルフェーブル、好き♪
アンドレ、フィルマンのお二人も流石の演技。ほんと、しっかり支えていますよね〜、この舞台を。
以前小林さんが入っていた枠をやっていた方、佐藤さんかな。歌声が体格もいいこともあって、よく響きます☆
まだ演技が固いのが気になりますが、良い声です〜。

最後に1つだけ言わせてもらいたいのは・・・。
音楽ってあんなに音小さかったですか(*_*)席位置でも違うとは思うんですが、どうもオケの音やらが異様に小さく感じちゃって(苦笑)
私、耳が悪くなったのかしら!?と真剣に考えましたもの。
ちょっと・・テープの頃が懐かしい・・。

勢いでダ〜ッ!と書いてしまいましたが、あくまで私はこう感じたって事で、ご了承ください。
ジワジワジワ・・静かに余韻が押し寄せています(T_T)


◆2005年『観劇キロク』にもどる ◆『演目いちらん』にもどる

2005年4月29日(金)マチネ  オペラ座の怪人  電通四季劇場〔海〕


オペラ座の怪人 高井治 クリスティーヌ・ダーエ 沼尾みゆき
ラウル・シャニュイ子爵 佐野正幸 カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグジリー 松元美樹 マダム・ジリー 西島美子
ムッシュ・アンドレ 林和男 ムッシュ・フィルマン 青木朗
ウバルト・ビアンジ 半場俊一郎 ムッシュ・レイエ 喜納兼徳
ムッシュルフェーブル 岡本隆生 ジョセフ・ブケー 寺田真実
    アンサンブル
関与志雄 小泉正紀 平野万里 黒田あきつ
孔大愚 石井雅登 石野寛子 室井優
内海雅智 岸佳宏 笠井真由美 岡山梨都子
岡智 西山愛由美 小野誠子
種市万里子 高木美果
【オーケストラ指揮】 西野淳 ちな 田窪万里子


またもや怒涛の観劇週間へ突入^^;中4日の観劇ですわ(苦笑)
そういえば、福岡でもこんなことあったっけ(爆)・・いや、もっと間が短かったことがあった気がする・・。

今日はラウルに佐野さんが入られ、カルロッタ、ピアンジ、メグ・ジリー、レイエ、ルフェーブルも入れ替わり・・
また新鮮な気持ちで観ることが出来て良かったです☆
この前観た席から1つずれただけの席だったんですが、驚きましたよ。
聞こえてくる音楽の音量が全然違う!大きくなってたんですよ。
そして、入れ替わったキャストが皆声量がある方達ばかりなんで、聞こえてくる歌声やセリフも大きい、大きい!
ただマイクの音量が上がっているだけ・・と言ったらそれまでなんですが^^;、種子島さん、半場さんと復帰後だけあって、艶々の声が本当によく聞こえてきましたね。
何気に種子島さんに関しては、以前より演技が細かくなっていたような気が・・。今までだったら歌い上げていたところも、わざと弱く歌ったり。
セリフの言い方もメリハリが前よりついたというのかな。所々、そう感じる事がありました。
最近、岩本さんのカルロッタを観ていたから、その影響もあるのかもですが。

密かに林さんのアンドレが今回は面白くて面白くて。元から目を引く演技をされてはいたましたが、カルロッタに歌を歌ってもらうところとか、
いつも演技変わられません?(笑)
今日は微動だにせず、ただ歌声に酔って、カルロッタに目配せ(でいいのか?)されると、めちゃめちゃニヤケテました。いやらしく(^^ゞ
今日のアンドレはちょっと全体的に軽めの人間だったと思われます。いい意味でテキトーに支配人やってる感じ(^^ゞ
目がどのシーン見ても、真剣じゃないんだもの(笑)

半場さんはこの前の蔵田さんの演技を観ていると、少し物足りなく感じますが、しかし歌声はさすがですね〜。
声量たっぷりで、カルロッタと対等に歌い合ってましたよ。
やっぱり、半場さんのピアンジは、カルロッタに隠れて、そこらへんのコーラスガールに手を出しそうだ(笑)
そしてプライドが高い!

岡本さんのオークショナーやルフェーブルは渋い!知的な美声俳優である・・とキャスト表にも書かれているとおり(→いつも読む度にすごい表現だと思う^^;)、
何ていうかな、雰囲気がある声ですよね(なんじゃそりゃ)いい声だ〜。
李香蘭の時から思っていたんですが、私は岡本さんの間の取り方や、台詞回しがお気に入りなんですよね。
・・・ちょっと、はだかの王様姿がちらついてしまい、消すのに苦労しましたが(ーー;)

喜納さんのレイエも好き♪
この前見た時はルフェーブルだったわけですが、私はレイエのがお気に入りですね〜。
いかにも専制君主で、芸に厳しい演出家って感じですもん。プロの姿ですね。
成功を修めたクリスティーヌに頑張ったね!と言わんばかりの「うん!」が好き。
厳しい演出家だけに、あのメッセージはクリスティーヌとしたら、絶対に嬉しいだろうな・・といつも思うのです。

そしてそして、密かに。。いえいえ、か・な・りチェックしていました、アンサンブルの内海さん。
枠的には全て増田さんと同じになるんですが・・・
内海さん、頑張ってよ!素敵なラウルになる為の試練だからね!と見ながら常にメッセージを送ってましたよ(^^ゞ
今日はラウルじゃないんだから!と自分に突っ込みつつ(笑)
しっかし、どうでもいいですけど、内海さんはほんと目が細いですね、そして、誰かさんと一緒で色白。
全く持って余計なお世話ですが、どうしたら内海さんがラウルとして素敵な子爵様になれるか考えていたんですけよ。
やっぱりまずはメイクかしら?そして髪型。
柳瀬さんばりにアイラインをしっかり入れて、目をまずはパチッとキリリに☆
そして、ファンデも濃淡つけて、メリハリある顔に!
そして髪型・・。多分癖毛だと思うんですが、役者さんなんですから、ストレートパーマでもかけて、イメチェンとか?
もうちょっと、カラーを入れてもいいかも♪
なんせ、声はいいですからね〜。もうちょっと、見た目がパッとすれば、かなりいい子爵様に見えると思うんですが・・。
メイク栄えする、高井さんや柳瀬さんをしっかる参考にして!

・・・す、すみません、好き勝手言いました(爆)
これも応援してるからこそ!ですからね〜!!ファンの方、ごめんなさい^^;
というか、今日観て思ったのです。私、内海さん。好きかもと(爆)
そのうち、お気に入りの俳優さんに入ってくるかもしれません。


はっ(ーー;)気付けば、主役3人以外の話ばかりしてました(゚o゚)
全体的な感想としては、今日は上質で熱い舞台かな。この前とはまた違った落ち着き具合。
やっぱり、ラウルが変わったことで印象はかなり変わってきますね。

ミュージック・オブ・ザ・ナイト。クリスを連れてきた喜びは先回と同じで、強く感じたのですが、
それに加えて今日は力強かったです、歌声が。そういうところに男らしさを感じましたね。
そう、前もそうだったんですけど、「歌え、エンジェル・オブ・ミュージック!!」のところ、クリスティーヌを見ながら、微笑んでいるんですよ。
何ていうかな、ファントムにとって今幸せの絶頂、興奮の絶頂なんだな。。とつくづく感じてしまうぐらいに、言い方も本当に高らかで力強くて。
まっ、私もそんな状態なんですけどね。
髪をなでつけるところも、自信満々ですもん。どうしようか!と思うぐらい(笑)
今日はやはりマイクの音量が全体的に上がっていたのかも、ですね。
でも高井さん、気合いが入ってるな〜!と思いましたね。ちょっと歌も走り気味といったら、走り気味でしたし。
声はもちろん艶々ですしね〜、伸びがありますからね。言葉の節々の処理が綺麗ですし。
ブレスの仕方ですら、余裕があるように思います(^^)
そういえば。私、ミュージック・オブ・ザ・ナイトで誰1人拍手しなかったのを初めて体験したかも。
起きなかったんですよ、拍手。
皆がその歌声に引き込まれたのを肌で感じたような気がしましたもん。
きっと、クリスのような心情になっちゃんたんだな・・・そりゃ、あの美声だもの・・・。
緊張と緩和を取り入れた歌い方にはもう参ります!それがあの手の動きとリンクしてるんだもの!
ほんと、技術力がUPしましたよね〜・・・(>_<)

そうそう!!これを最初に書くべきだったんですけど、ファントムとクリスティーヌ。ラウルが入る隙間がないぐらいに、惹かれあってましたよ。
今日はクリスティーヌの沼尾さんから、ファントムへの愛情をとても強く感じたんですよね。
沼尾さんがね〜、観れば観るほど、演技に深みが出てきているような気がします。
あんなに表情豊かだったっけ?あんなに柔らかい雰囲気を持っていたっけ?と思うぐらい☆
とっても、可愛らしいクリスティーヌですよね。守ってあげたくなるもの、女の私でも(爆)
メイクもパンフに載っているようなものに比べたら、随分薄くなった気がしますしね。
への字口も今、感じないですもの。

高井さんとの声の相性も見る度によくなっているような気がしますしね。
毎回言ってますが、墓場の場面がいい!鳥肌立ちますから・・。
そっか・・ついに沼尾クリスも高井ファントムの歌声の前では逆らえうことが出来なくなったんだな。→変な表現ですね。
誰もがひざまづく・・ですから。
物腰も見る見るうちに柔らかくなって・・。観ていても、感情が途切れることなく、物語に浸ることが出来ます。


少し気になったのが佐野さんのラウル。今回の東京公演では初登場ですよね。
まだ手探り状態なのかしら。もちろん、ベテランの方なんで、見せ場はしっかり見せてくれて、やっぱり観ていて、安心出来るものもあるんですが、
どうもセリフや歌声に固さを感じてしまった。確か佐野さんってカツゼツがあんまりよくなかったと思うんですが、やはり意識されているのかしら。
セリフの一句一句に神経がいってらっしゃるので、セリフがいい具合に流れないな〜・・・と今日は思いました。
マスカレードの後のマダムジリーとのやりとりも、どうもぎこちなくて。
あと歩き方も。ヒールが少しある靴を履いてらっしゃるわけですが、何だか歩き方がおかしい。
私達でも、ちょっと高めのヒールを履くと、慣れるまで妙に足元と動作があっていない歩き方になりますが、まさにそんな感じ。
かくっかくっかくっ!^^;ちょっと、ラウルが歩く度にどうも気になってしまって(^^ゞ
それ以外は、素敵な子爵様でしたね〜。
最初オークションのシーンも、佐野さんの老ラウルを観たことで、演技の違いがこうも与える印象を変えるのか・・と思いました。
緊張感を持たせて、よりこの物語の深さ、そしてこれから始まる舞台の面白さを予感させてくれました。
役者さんが変わると、同じセリフなのに、感じるものが違うから不思議ですよね〜・・。
こうやって、リピーターは増えるんだろうな(笑)
佐野さんはセリフの1つ1つに意味があることを感じさせてくれるような気がします。
包み込むような優しさは健在!
しかし、今日のクリスティーヌはそんなラウルの優しさに甘えて、常にファントムへ想いをはせていましたね〜^_^;
でも、佐野さんのラウルは例え魂をファントムに置いてきたクリスティーヌだとしても、しっかり最後まで支えてくれるんだろうな・・。


それにしても、本当に高井さんの声は惚れ惚れしますね。
ポイント〜・・これでもかと言わんばかりに、声で責めてきますからね。正気か!と突っ込みたくなる(意味不明?!)。

こんな歌声に惚れてしまったら、そうそう他の人に気を移す事は出来ないだろうな〜(爆)
今日もクリスティーヌは指輪をじっと見て、ファントムに返していました・・。
ありったけの想いを込めて。
今日は思わず泣いてしまいそうなぐらいに、グッとくるラストでしたね。
同じ舞台をこれだけ観ていても、微妙に受ける印象が毎回違うってのが、生の舞台の魅力。
その微妙なところを記録に残しておきたいと思って書くものの、感情というのはそのまま文字にすることって出来ませんよね。
それが悔しいところでもあるんですけど、文字に出来ないものがあるからこそ、私はまた劇場に足を運ぶのかもしれません。


全体的にバランスがとれていて、とても見応えある舞台だったと思います(^^)
しいていうなら、今日はオケのミスが目立ちました。
アンマスクのところ。完璧にホルン(だと思う)がとんでもない音を出してました・・。
役者さんとの息は合ってきたかと思うんですが。
そして・・そうそう!音響のミスなんでしょうか。
アンマスクからブケーがダンサー達に驚かせているところらへんで、下手側のスピーカーから、
何故か男の人の歌声が聞こえたんですよね、小さくですがはっきりと。
誰か袖で発声練習でもしていたのをマイクが拾ったんだろうか・・。
ちなみに高井さんの声ではありませんでした。→しっかりチェックしてる私(笑)
そこらへんは、明日に期待!

明日はマチソワ・・。いいんだろうか・・。こんな贅沢して。
沈むとこまで沈んでしまいそうだ〜!!!助けてくれ〜。お願いだ〜〜〜!!!
・・・と叫んでみました。

おしまい




汐留のとあるホテルにて。
2005/4/29


◆2005年『観劇キロク』にもどる ◆『演目いちらん』にもどる


2005年5月21日(土)マチネ  オペラ座の怪人  電通四季劇場〔海〕

オペラ座の怪人 高井治 クリスティーヌ・ダーエ 佐渡寧子
ラウル・シャニュイ子爵 佐野正幸 カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグジリー 松元美樹 マダム・ジリー 西島美子
ムッシュ・アンドレ 林和男 ムッシュ・フィルマン 青木朗
ウバルト・ビアンジ 半場俊一郎 ムッシュ・レイエ 深見正博
ムッシュルフェーブル 岡本隆生 ジョセフ・ブケー 岡智
    アンサンブル
関与志雄 孔大愚 平野万里 戸田真美
小泉正紀 佐藤圭一 石野寛子 ちな
石井雅登 太田玄 久居史子 小野誠子
岸佳宏 笠井真由美 黒田あきつ
高木美果 畠山
【オーケストラ指揮】 西野淳 室井優 田窪万里子


迷いに迷って行った東京。
この迷いの理由の一つには、高井さんの歌声の調子、あと佐渡さんとのバランス・・。
先回観た時が自分的に良かっただけに、今回どう感じるか不安でもあったんです。
正直、それが的中してしまったのが、マチネ公演でした。
・・・というか、違うんです。自分の集中度の無さ!が最大の原因。
日記にも少し書いたのですけど、マチソワとも全く同じ席が取れそうだったんですよ、前予の時。
とっても良い席なんで、どうしようか迷った挙句、同じ日に観るなら違う角度から観たい!ってことで、手放し違う席にしたのが、このマチネ。
これが間違っていたのかな(^^ゞ
良席を手放して、手に入れた席。決して悪い席では全然ないんです。センターではありますし、特別後ろの席でも全然無い。
しかし・・前の席に座った方の頭で、舞台の真ん中が見えない・・・(T_T)
どう自分の体を傾けても、やはりセンターを見ると被さるんです、前の方の頭が(苦笑)
しかも、ちょこっとどころか、そこそこ前方の席だけに、視界の中の3分の1以上が被さる勢いなんですよ。
私、もしかして今日はサイドだけを見るしかないのか!?
これはやばいぞ!と焦りながらも、でもファントムに関してはど真ん中で演技をすることはあんまりない!
そう思ってたのは甘かった・・。舞台のセンターが観れない観劇というのは、本当に集中できませんね(苦笑)
これなら、舞台後方で皆豆粒ぐらいにしか見えないけれども、被さるものがない!っていうほうが、まだ良かったのかも。
日頃、贅沢にも観易い席ばかりで観ている私にとっては、辛い現実でしたね。

そんなこんなもあって、今回の観劇はマイナスに観ているところが多いのです。
まずはキャスト別にいきます。

高井さん。
声がざらついてましたね。先回、先々回とまだ交代して間もない時に観ているだけに、その差に気付いてしまった。
ミラーから、あっ、声が濁ってる!と思ったまま、ミュージック・オブ・ザ・ナイト。
音が外れているわけではないけれども、声が一本に響くのではなく、なんだかユラユラ・・・ざわめいている。
高井さん自身も気付いているんでしょうね、思ったように声が出てくれていないことを。
歌えば歌うほど、自分の殻に入っていってしまっているようなファントムな気がしてしまった。
クリスティーヌに向けて歌っているのではなく、一生懸命何とか歌いきろうとする高井さん自身がいたように感じた。
ファントムにとっては、最高に嬉しい時間を過ごしている筈なのに、嬉しそうには見えなかった。
そして、クリスティーヌへの想いもあまり感じることが出来なかった・・。
そのことにクリスティーヌ自身も気付いていないような気がして。それはまた佐渡さんの時に書きます。
軽いショックを覚えたミュージック・オブ・ザ・ナイト。
やばい、この調子だと、その後を聞くのが怖いかも!観ること自体を迷っていた原因が頭をよぎりました。
この声の具合なのに、何故か先回よりエコーのかけ具合が弱い気がした。
先回はそのエコーの効き具合に、折角の美声が台無し!なんて思ったのですが、
今回はそのエコーがもう少し欲しかった。。。高井さんの為にも。

でもそこまで思ってしまったのは、このナンバーだけなんです。
天使象の時は、声もしっかり持ち直してました。「許しはしないぞ〜〜〜!!」の「ぞ〜!」の伸び具合自体は短かったけれども、
まぁ今の調子だったらむしろ短くして正解だと思いましたしね。
というか、短い時のが最近は多い気がします。

墓場のシーン、佐渡さんのマイクの音量が少し下げてあったのかな。
しっかり、高井さんの声が聞こえてきた。声の溶け具合は沼尾さんの時のが好みだけど、高井さん自身の声は決して悪くなかったです。
ただ・・。ミュージック・オブ・ザ・ナイトで感じた影響もあってか、どうも今回の高井ファントムはクリスティーヌを想っているのではなく、自分自身の殻に閉じこもっている・・というか、何とかこの舞台をやり切ろうとする高井さん自身を感じてしまった^^;
こう思ってしまう、自分が一番嫌でしたね。何でこう意地悪く見てるんだ?みたいな(苦笑)
今思えば、そこまで感じることもなかったような舞台だったとは思うんですけど。

ポイント〜・・・・あぁ舞台の真ん中が観難いという辛さ。
椅子に座っているクリスティーヌとファントムとのやりとりがいまいち見えず。
高井さん自身、いつもの色気たっぷりで、惹かれる演技はされていたんですけどね〜、
あぁ、この席が憎い。


感情移入があまり出来ないまま、あれよあれよとクライマックスへ。
この3人の立ち位置上、真ん中が観難いってのは結構辛いですね^_^;
いつもラウルはあまり見ていないとしても、やはりラウルは絶対に必要だし。
3人いて、初めて成立する場でもあるし。いっくらファントムとクリスティーヌで結ばれて欲しいと思っても、
ラウルがいらないってことは絶対にないもんね。
高井さん、良い演技をされていたと思います、やはり決めるところはしっかり決めてくれたと思います。
しかし、今日の私はファントムの感情の流れってものを途切れ途切れに感じてしまった為、最後までファントムの想いを分かってやることは出来なかった。

・・・・あぁ、こういった観劇も辛い。じゃぁ来なきゃ良かったか?と聞かれたら、そうとは言えないし、やはり高井さんの声を聞けたのはとっても嬉しかったし。
しかし、マイナスな観方をしてしまったのが、残念。
まぁ、たまにはこういうこともあるか!
私にはソワレがある!(笑)

佐渡クリス。
沼尾さんのクリスを先回観ていた為、いい意味で悪い意味で違和感は感じるだろうとは思っていた。
やはり強くはどうしても感じてしまう。はかなげといった点は佐渡さんには感じない。
幕間に周りのお客さんが「クリスティーヌ、綺麗だけど・・勝気だよね」と言っていたけど、そう。
佐渡さん、今日は特に勝気ということを感じてしまった。
アムネリス入ってたもの。何だか、貴族の振る舞いに見えてしまったのです。
楽屋前でのメグと話す時、対等に感じなかった。
自分を慕うファンにでも話す感じ・・う〜ん、ちょっとうまいこと表現できませんが、下に見ている感じがしたんですよね、メグを。
・・佐渡さんの綺麗さに嫉妬していたのかしら、私(爆)
そう美しいんですよね〜、佐渡さん。華がある方ですよね、ほんと。個人的には口元が好き(^^ゞ

ミュージック・オブ・ザ・ナイト、高井さんのところでも少し触れましたが、今回のファントム、決してクリスティーヌに強く想いを表現しているような感じがしなかった。
しかし、佐渡さんのクリスティーヌはファントムと一緒に過ごせる喜びを感じている。
これは別に佐渡さん自身のおかしな演技をされているわけではないのは分かっているんだけど、ファントムが殻に閉じこもっているだけに、妙な違和感があったんですよね。
佐渡さん自身は決して変な演技をされているわけではない。
しかし、バランスという意味では、まだ佐渡さんは他に合わせる演技をするまではいってないんですよね。

声はまぁ・・佐渡さん独特の歌い方、以前ほど苦手意識はなくなったけれども・・・こう歌いたい!っていう佐渡さんの意識を感じる歌ではありました。
そういう意味では、初日らへんに観た時は、佐渡さん自身がそういった歌い方をしないように、気を使っているのを感じ、それがいい具合に表現されていたけれども、慣れと疲れが出てくると、どうも癖が強く出ちゃうのかな。

でもポイント〜の演技はやっぱり佐渡さん、色っぽい。酔った表情なんて、女の私から見ても魅力を感じるんだから、あれを目の前で受けるファントムからしたら、どうなんだ!隙だらけの表情ですもん。今だったら何だって出来る!みたいな(爆)
ファントムに手を掴まれた時の表情。ハッと目をひかれますね。
しいて言うなら、どうも佐渡さん。ファントムのフードや仮面やらを外すのが遅い・・。
ついでに言うと、アンマスクの時のファントムの素顔を見て驚く時のタイミングも遅い気がする・・。
アンマスクで思い出しましたけど、佐渡さんってどうしてあんなに髪が乱れるんだろう・・。
ファントムの怒りように驚いて、倒れこむわけですけで、後ろ髪が前にきてしまって、乱れまくり。
いくら美しい佐渡さんでも、あの乱れ具合はいただけない。そのクリスティーヌを愛しく思って向かっていく高井さんも、ちょっと戸惑わないのかしら(^^ゞ
そして、観客席から見る私達、その乱れた髪の具合で、クリスティーヌの表情が見えないです・・ちょっと勿体無い気がします。
そうなんです。佐渡さん、そのへんのことはあまり気にされない方なのかしら。
ラストでも、「悲しみの涙、今・・憎しみに変わる〜〜!」のところ、今度はファントムがかけたヴェールが顔にかかっちゃってる・・。
佐渡さん自身も歌いにくいと思うし、そこはクリスティーヌの顔をじっと見ている高井さんも感じるものがあると思うんだけど・・。
う〜ん。ここは1つ、高井さんが佐渡さんに一言、言うべきじゃないんでしょうか。
「佐渡さん、折角の美しい顔が台無しだよ」
高井さん自身、自分の演技に関しては密かにそういった細かいところまで気を遣うタイプだと思うんですよね〜。

それにしても、佐渡さんのファントムに対するキスは、ぶつかるようにいきますね。
村田さん、五東さん、沼尾さん・・と微妙に本当にしているかしていないか・・と思わせるような演技なのに対して、佐渡さんは間違いなくいってますもんね。
決して嫌いじゃない。。むしろそんな佐渡クリスが好きなんですけど(笑)、首元に手を置いているその手も力強い気がして(^^ゞ高井さん痛くないかな〜・・と余計なことを思ってしまった。
ファントムとしても高井さんとしても、あのキスは驚くべきものなんじゃないかな・・とほんと、余計なことを思ってしまいました^^;

クリスティーヌが指輪を返す時の表情がとっても良くて・・。
溜めがあるんですよね、間の取り方もいいな〜。
ファントムとクリスティーヌがしっかり見つめ合う瞬間は、誰も入ることが出来ません。

前半はどうも違和感があったけれども、後半はぐっと佐渡さんの演技に惹き込まれました(^^)


佐野さんのラウル。
先回見た時より、ぐっと演技に深みがありました。やっぱり佐野さんはすごい。
佐野さん、周りにしっかり合わせた演技をされるんで、いい意味で邪魔になることがないんですよね。
しっかり、クリスティーヌを包み込む大きな懐を感じるラウル子爵です。



ソワレ分もあるので、マチネの観劇キロクはこれぐらいにしておきます。
カーテンコールは私の気持ちとは裏腹に、随分盛り上がりました。
スタンディングされている方もチラホラいましたし。
そう。私自身はこんな観劇となってしまったけれども、他から観たら良い舞台だったんでしょう☆
もしかしたら、今回のキロクを読んで不安を覚えて方もいらっしゃるかもしれませんが、心配無用なんです!
私だけがそう感じただけかもしれないんですから。
私自身はこんな見方をしてしまったんで、高井さんの顔も曇っているように見えてしまった。
あぁ、役者さんも人間、そして観客も人間、その時の精神状態で舞台の内容も本当に様々に見えるものですね。
何だか、随分マイナスめいた観劇キロクになってごめんなさい。
・・・ソワレに向けて、気持ちを切り替えるのみです。







私の見方が悪かったこともあって、どうも観終ったと、戸惑いを隠せなかった私。
ソワレに期待しつつ、それ以上に不安が先走ったんですよね。
マチネ以上にマイナスに感じてしまう舞台だったら、どうしよう!と。
幸いにもソワレは一緒に観ることが出来る友人がいたので、マチソワの間に気持ちを切り替えることが出来たような気はします。



5月23日 記
◆2005年『観劇キロク』にもどる ◆『演目いちらん』にもどる



2005年5月21日(土)ソワレ  オペラ座の怪人  電通四季劇場〔海〕

オペラ座の怪人 高井治 クリスティーヌ・ダーエ 佐渡寧子
ラウル・シャニュイ子爵 佐野正幸 カルロッタ・ジュディチェルリ 種子島美樹
メグジリー 松元美樹 マダム・ジリー 西島美子
ムッシュ・アンドレ 林和男 ムッシュ・フィルマン 青木朗
ウバルト・ビアンジ 半場俊一郎 ムッシュ・レイエ 深見正博
ムッシュルフェーブル 岡本隆生 ジョセフ・ブケー 岡智
    アンサンブル
関与志雄 孔大愚 平野万里 戸田真美
小泉正紀 佐藤圭一 石野寛子 ちな
石井雅登 太田玄 久居史子 小野誠子
岸佳宏 笠井真由美 黒田あきつ
高木美果 畠山
【オーケストラ指揮】 西野淳 室井優 田窪万里子


最初に言っておきます。
マチネはやはり私の集中力の無さから感じた舞台だったのかもしれません。
ソワレはマチネとは全然違う印象を受けてしまったもの・・。あれ〜!?っていう具合に(^^ゞ

それではソワレは細かく(?)いきます。

オークション
岡本さん、先回より更に滑らかに言われるようになってました。
佐野さんはラウルの中でも一番しゃがれた声を出しますよね。
決して今現在、ラウルが幸せに暮らしているわけではない・・と強く感じる演技をされます。
更に言ってしまえば、そんな姿に繋がる演技を佐野さんは全体を通してされる気がする。
ラウルと去ったクリスティーヌとの生活がどんなだったか・・何となく想像が出来るような気がします。
そう、マチネ分でも書きましたけど、佐野さんの演技は深い。

ハンニバル
種子島さんと半場さん、ちょっと声が疲れているかな。伸びが足りないかも。
あと最近見る度に思うんですけど、指揮者を見るのか目がちょこちょこ下に動きますよね。特に半場さん。
お二人とも目が丸いだけに、そういった目の動きが気になってしまいます^^;
アンサンブルの佐藤圭一さんの声がよく響いてきますね〜。この時の役名が出てこなくて、申し訳ないです(^^ゞ
小林さんがやっていた枠です。京都楽辺りに関して言えば、佐野さんがやっていた役。
佐渡さん。手が長いですよね〜、手の表現力は他のダンサー達に比べても負けてはいない。
動きに関してはやはり固いというか、力が入っているような気はしますけど。ちゃきちゃき。
これはしょうがないですよね。佐渡さんはシンガーになるんですから(^^)
レイエの深見さんが、本当に厳しい演出家と感じますね。目が元々キツメの方ではありますが、更にそれが厳しい目つき。
アンドレの提案を聞いた時、楽譜をパンッ!と閉じる瞬間は、ビクッとします。
そして、クリスティーヌが抜擢されて歌わせる時も、疑った目で見てる^^;
話は戻りますけど、やはりアンドレの林さんはマチソワある時は演技を変えていらっしゃる。
カルロッタが歌ってもらう時、マチネは微動だにせず、声に聴き入って、カルロッタがアンドレのほうを目配せ(?)みたいにする時は、ハッと気付いて「ありがたく頂戴いたします」と言わんばかりに会釈。
ソワレは、声に酔ったように体を揺らし、目配せの時は「ど、、どうも〜!!」と少しおどけて喜びを見せる・・といった感じかしら。
周りのダンサーじゃないけど、客席で見ていても笑ってしまいます。
あぁ、最近アンドレから目が離せなくて困ってます(笑)

Think of me
佐渡さん、歌、強い・・と最初は思ってしまいますが、こんな感じじゃないと、カルロッタの代役は務まらないだろう・・とも思った、
スポットライトがクリスティーヌにしっかり当たるわけですが、佐渡さん、光りますね〜!キレイ。
高音もしっかり伸びてました(^^)
拍手喝采を浴びたクリスティーヌに対する、ダンサー達の賞賛。どうもマチネでも感じたんですけど、1人声が大きすぎる方がいる・・。
ちょっとうるさく感じてしまった。
いっつもチェックしているレイエの態度。よくやった!とニコーッとクリスに向かっていく感じで、更にこうすればもっとよくなる・・・とアドバイス。
クリスから離れるところ、もっと指導をしたそうに一瞬するものの「いや、今日の君は素晴らしかったんだから、言うことはない!」と、自分のお節介さを恥ずかしがりながら、去っていく・・。
そんな感じでしょうか(笑)

エンジェル・オブ・ミュージック
マチネとは打って変わって、クリスティーヌが今回初めてデビューを成し遂げて、まだ実感が湧かない一人の少女に思えた。
メグとも対等。そしてまだ見ぬ声の持ち主からの賞賛に純粋に喜ぶクリスティーヌがいた。
佐渡さんは、メグに声を掛けられた時、とってもびっくりしたような演技をされますよね。
そして、気付いてもまださっき聞こえた声に酔っているよう・・。
佐渡さんの笑顔はとっても愛くるしいな〜。

楽屋
あぁ、不思議。とっても佐渡さんが柔らかく少女に見える。
ラウルとの再会を単純に喜んでいる、幼い少女が見えました。

ミラー
声が聞こえた瞬間から実感するまでの時間を感じる佐渡さんの演技。
高井さんの声も力強く聞こえました。
・・あぁ席と舞台が近いって素敵。役者さんの表情が見えるわ〜♪
邪魔になる物は何にも無いし!

ファントム・オブ・ジ・オペラ

トラベレーターの佐渡クリス、やはり手が長い。
ダミーの方達から本物に変わった時、体での表現の仕方に差を感じたものですが、佐渡さんはダンサーの方の表現にも見劣りしませんよね。
体型もあるのかな。

怪人の隠れ家

マチネも注目してしまったし、先回もじっくり惹き付けたところ。
「歌え!エンジェル・オブ・ミュージック!!」とファントムがクリスティーヌに叫ぶ時。
最近の高井さん。その自分の天使の歌声に合わせタクトを振るように、優雅に手を動かすんですよね。
そして表情はその声に酔っている。私はたまらなくその演技が好きかも(^^)

ミュージック・オブ・ザ・ナイト
もちろん、絶好調!とは言えない声ではあるけれども、マチネに比べたらざらつきも最小限に押さえられていましたし、何よりもクリスティーヌに熱く想いを傾けていた。
あぁ。これよ、これ。私はとっても嬉しくて嬉しくて♪
佐渡クリスティーヌと高井ファントムの演技・・感情がピタッと合いました。
私も声にしっかり酔いました。
今回は私の席の2列前の方が、爆竹のような拍手をする方で・・しかもちょっと先走って拍手するんで、ちょっと苦笑いでしけど。→全体を通してそういう拍手をする人だった(ーー;)

アンマスク・・・やっぱり佐渡さん、後ろ髪が前にいって・・お化けみたいになってる。
う〜ん、高井さん、やっぱりここは一言注意されたほうが(^^ゞ
しかし、マチネと違って、ミュージック・オブ・ザ・ナイトがあれだけ集中して、しかも感情移入できると、こうもこのシーンの見方が違ってくるか・・と思いましたね。
仮面を取られたファントムの悲しみ、そしてその悲しみを知ったクリスティーヌが伝わってくるものね。


舞台裏
ブケーでは初見となった岡智さん、ハンニバルでも感じたのですが、もうちょっと影をしょこなえるといいですね。
子どもがダンサー達と遊んでいるような無邪気さを感じてしまうのです。

支配人室
緊張から解放される支配人室の場面(^^ゞでも、たまらなく好きなシーンでもあります。
支配人2人の掛け合いに最近はずっと目を引かれてます。あの絶妙なタイミングで繰り広げられる支配人達のごますり(笑)
神業ですね、あれは青木さんと林さんの長年やっているコンビだからこそ、見れる演技だと思いますね。すごい!
しかし、ここんとこ見る度に思うのは半場さんのピアンジ・・。歌う時以外、素になってないかしら(苦笑)
どうも、石井さんや蔵田さんの演技を見てしまうと、物足りなく感じます。歌は素晴らしいですけどね〜。

イル・ムート
マチネでも思ったんですけど、一応男役をやっている筈の佐渡クリス、可愛すぎます。笑いすぎ^^;
もうちょっと口をとんがらせてもいいのでは?(笑)
老伯爵を演じている佐藤圭一さん。・・・う〜ん、もうちょっと笑いが取れるといいですよね。声は本当に響いていいんですけどね〜。
マチソワと、今回も私は周りのお客さんへ、上でちょこちょこ顔を出すファントムに気付かせる役目をしていました(笑)
そういえば、マチネの時、上のほうで演じられるシーンだけに、実に邪魔するものがない状態で見れるので、嬉しかったな(^^ゞ

オール・アイ・アスク・オブ・ユー(→英語で書けって?爆)
佐野さんと佐渡さんはよくお似合いですよね、素敵なカップルに見えます(^^)
佐野さんのラウルがしっかり佐渡さんのクリスティーヌを守り抜く。そんな決意をとっても感じ、この包容力が佐野さんならではだな〜!と。
それにしても、今思えば沼尾さんのクリス相手の時は、佐野さんラウルがクリスの体を抱えて周る時、めちゃめちゃ体が宙に浮いてましたよね。
まるでお父さんが子どもを回すかの如く(爆)
しかし、マチネに比べて佐渡さんのクリスが実に柔らかく感じます。表情だけでなく、あの声自体が何だかいい意味でセーブされているような気がする。

天使像の上
高井ファントム、怒りも絶好調。声がしっかり強く響いてましたね〜〜!しかも「ぞ〜!」が良く伸びてました。
マチネとは打って変わって、私自身大満足。
やはり、マチネは私の見方が悪かったのかも(苦笑)


マスカレード
マチネでも感じたんですけど、佐渡さんは衣装の上部のとこが、沼尾さんより濃いブルーですよね。どうやら五東さんもらしい。
深見さんはレイエの時も、ルフェーブルの時も、猿のぬいぐるみについて周る・・何て言うんだろう、トライアングルじゃないほう。
客席から見て、上手側の役をいつも演じらてますね。
あぁ、何度見てもマスカレードは華やかだわ(笑)やっぱり、このシーンは映画より舞台のが好き(^^ゞ
そうそう、リフトは佐渡さん相手だと無しですね。
佐渡さん、ダンスになるとやっぱりちょっと力はいりますね〜。手の表現はほんと誰かさんと一緒で、柔らかいのに・・。

支配人のオフィス
どうでもいいけれども、この時の佐野さん、他のラウル・・というか柳瀬さん?に比べて、汗かかれないですよね〜。
といか、佐野さんに関しては汗かいているのを見たことがない・・・というか、いつも肉眼の私なんで、当てにならないことではあるけれども(爆)
佐渡さんの「いや〜〜!!」はメグがピアンジの死体を見た時に叫ぶばりの絶叫ですね〜^^;
あと、セリフとなると、佐野さん、やっぱり一句一句かまないように気を使っているのが分かりますね(^^ゞ

墓場にての前の練習風景(でいいのかしら^^;)
深見レイエ、やっぱり厳しいんです。ピアンジに気を使って「大体いいんですけど・・」と言いそうにないもの。
ぴしゃりとはっきり物事言いそうなレイエですよね〜。

墓場にて
う〜ん・・やっぱり佐渡さん、歌い方が柔らかくなった気がする・・というか、私の耳がマチネ見たことで免疫がついたのか?(^^ゞ
最初見た時に比べると、表現の仕方も随分柔らかくなったような気がします。歌うだけじゃなく、所作と共に表現するようになったと思う。
ファントムとのバランスも良かったです。
高井ファントムの宣戦布告だ〜!もしっかり決まりました。迫力満点。

ドンファンの勝利、
オケとのバランスかもしれませんけど、テープの時と違って、随分抑揚がついた歌い方になりましよね〜?私だけかしら、そう感じるのは。
しっかし、マチソワとも何故かしら、以前は内海さんが演じられていた枠の人を注目してましたね、思っている以上に先回の観劇で内海さんチェックしていたのかしら(笑)

ポイント・オブ・ノー・リターン
あぁ、濃厚ですね。このコンビは。
私の全くの勘違いなんですけど、マチソワとも今までより照明が暗くなった!と思うぐらい、何だか渦巻いた暗いものを感じたんです^^;
ここからは、もう畳み掛けるように物語が進んでいくんですよね〜・・。私も含めて、客席も本当にシーンとなって、ただただ舞台上の2人の演技に集中している緊張感を感じるんです、これがある意味心地いい(笑)
ファントムの溢れるようなクリスへの熱い想いを吐き出した「クリスティーヌ・・・君が全て〜〜〜〜・・・」
あぁ、今思い出して感情が高ぶってしまった。あの高ぶりはたまらないですよね。
もうソワレの私は、舞台にかぶりつきです(>_<)
ファントムの興奮の高まりと同化しているのかな。

怪人の隠れ家
・・・・・ファントムのすがるような目つきにやられた。そう、このファントムはクリスティーヌに母性を求めてる。
「もう・・駄目だ〜・・取り返しは尽かぬ・・・」
泣きながら、クリスティーヌにわずかな期待をかけているファントムがいたんです。
私、高井さん、泣いてる?って真剣に思いましたから。
・・ちなみに別の席で一緒に観た友達も同じようなことを感じていたんで、やっぱりそういう表現をしていたんでしょうね。
佐渡さんのクリスティーヌはそんなファントムを包み込むかのようにキスをされてました。
マチネでは力強く感じたその場面が、ソワレでは何もかもを忘れさせてくれるような包容力を感じたんですよね。
耳に添えているその手さえが、慈しむように・・。

ファントムがクリスティーヌとラウルを逃がしたのが強く納得出来るシーンだった。
浄化されたんだろうな〜・・ファントムの過ちが。
マチネの時も思ったわけですけど、佐渡さんのクリス、ラウルと地下の湖を離れていく時、舞台袖に入っていく寸前。。見えなくなるまで、ずっとファントムを見続けているんですよね。
振り返るのではなく、ずっとファントムの方を見ている。
確か以前佐渡さんで見た時は、振り返るだったと思うんですけどね。役作りする上で変わったのかな。
高井さんの「行け・・行ってくれ・・・・・(溜めが入る)・・お願いだ〜〜〜〜!!」の絶叫。
息することすら忘れます。
ぐっと背中を丸めたファントムはぐっと小さくて。
指輪を返しにきたクリスティーヌに、涙をこらえたかのように見つめるその姿、佐渡さんに一度聞いてみたいですね。
指輪を返すのは本当に辛いと思います。
時間が止まったかのように、ずっと見詰め合うファントムとクリスティーヌの姿に・・私自身気持ちが浄化されていくような不思議な感覚がしましたね。
悲しいというよりも、切ない。そしてファントムを想う愛しさを感じる最後でした。


は〜〜〜〜〜〜っ・・。
自分で書き終わってため息ついちゃいます。
いい舞台でした。後にぐっと残る舞台。
高井ファントム、佐渡クリス、佐野ラウルとのバランスがとっても良くて。
佐野さんの存在は大きいな〜。
カーテンコールはそりゃ盛大な拍手に包まれました。
1人1人出てくるところまで、ファントムに対してはまた格別に大きかった。
それを嬉しそうに見つめる佐渡さんの笑顔。
何だか嬉しかったな〜〜。
不思議なもので、高井さんの顔が満足しているように見えてしまうんだもんね、ファンとは勝手なものです(笑)
素敵な舞台でした。


おしまい。




5月23日 記

◆2005年『観劇キロク』にもどる ◆『演目いちらん』にもどる