2002年7月26日(金)ソワレ  赤毛のアン  新名古屋ミュージカル劇場

キャスト
アン・シャーリー 野村玲子 マシュー・カスバード 日下武史
マリラ・カスバード 末次美沙緒 ステーシ−先生/スローン夫人 五東由依
ギルバート・プライス 田邊真也 ダイアナ・バリー 秋本みな子
レイチェル・リンド夫人 平野万理 バリー夫人 横山幸江
スペンサー夫人/パイ夫人 佐藤夏木 ブルーエット夫人 高嶋田薫
ジョシー・パイ 高城信江

ルーシー/店員ルララ 佐和由梨 ベル 林梨恵子
マクファーソン夫人 佐野葉子 ティリー 伊藤瞳
ルビー 阿部幸

フィリップス先生 須郷裕介 郵便配達/チャーリー 布施陽由
農夫セシル 川口雄二 キット 村瀬美音
牧師/:駅長 田中 臣 ジェリ− 岩本達典
ムーディー 有賀光一 トミー 野島直人

赤毛のアン。ファミリーミュージカルなんて・・と、どこかで見下していた自分に喝を入れてくれましたね。
とっても良い舞台でした。
結構、以前お見かけした方が多く出演されていた為、倍楽しめたような気がします。

私、赤毛のアンって、ストーリー全然知らなかったんですよね、実は。
実際、赤毛のアンって、とっても長い?というか、簡単に読めるようなものではないと聞いたんですが、その一部となるのかな。
この舞台だと、アンがマシューに家に預けられ、無鉄砲的なアンがドタバタ周りを騒がせて、
最終的には皆から祝福されるまでに成長するというようなものなんですが、
最後ハッピーエンドで終わるのが好きな私なんで、ストーリー的には最高でした。
自分の思っていることが、素直に口に出てこないマシュ−。
何とか、アンへの父子的な愛情を口で示したいと考えてますが、マシューを見てれば、
不器用ながらもアンを大切に思っているような、父のような感情を持っているのは分かります。
アンを見れば、ほらマシューを父親のように慕ってる。
やっぱり人間、口ではなく心で伝わることってありますよね。
また、アンに憎まれ口ばかり言ってしまう、マリラ。
マシュ−から見れば、何でも素直に言えて羨ましい存在だったと思いますが、実はマリラ自身は思ったことを口に出せてなかったんですよね。
よく喋る人でも、本心は言えない人って案外います。
そんな、マリラの気持ちが見えたクライマックスあたりは、泣けて仕方ありませんでした。もう、マシュ−が亡くなったところから、泣きっぱなし。
去年の10月に見た、オペラ座以来です。感激して泣けたのは。
アンを取り囲む学校の皆も、楽しくいい人ばかり。皆で楽しく食べるアイスクリーム。食べたくなりましたね〜。
残念ながら、食べる機会はありませんでしたが、このシーン。見てて幸せになりました♪
親友のダイアナと唄う「腹心の友」。私が歌うなら、誰と歌うかな・・なんて考えてしまいました。
アンもクライマックスに向かうにつれ、行き過ぎてた空想癖もなくなり、成長してることが良く分かりました。
でも、マシュ−が亡くなる直前に言った、「ロマンも大事だよ・・」考えさせられます。忘れてたな、ロマンなんて。
いつから、現実主義になってしまったんだろう、自分は。
赤毛のアンは、大人にこそ見て欲しい。
大人になるにつれて、落としてきた何かが、これを見ることによって、気付かせてくれるような気がする。拾うことが出来る気がします。
今の自分を見直すきっかけにになりました。

最近ファントムばかり考えてましたが、他の演目もそれはそれで素晴らしい要素がある。つくづくそう思いました。
ちょっと、単純に舞台の素晴らしさに気付いたあの頃。原点に戻れたような気がします。


アン=野村さん。
ハムレットのオフィーリア。優等生的な感じがする野村さん。実は苦手でした。
それが野村さんのアンを見て、ビックリ(@_@)結構なお歳だとは思うんですが(失礼)、10代に見える!可愛いんです。
こうも変わるかって思うぐらい、アンそのものでした。
最初、ちょっと歌声が不安定なところもあったんですが、物語が進むうちに気にならなくなり、
要所要所にあるアンのコミカルさが面白くて、笑ってばかりでした(^^)
出ずっぱりなんです、アンって。さすが主役なんですが、セリフも歌も多い!
それをこなすのは当たり前といえば当たり前なんですが、やっぱり稽古のたまものでしすよね。
アンが舞台にいると、舞台が明るく感じるんです。アンの天真爛漫さが光となって出てる。
自然と、周りの人たちも元気になってしまうような気がしました。
よく考えたら、アンってほとんど笑ってるんです。
一つ一つの表情もコロコロ変わって、見てて面白い。実際は笑顔ばかりではないかもしれませんが、見終わって思い出すのは笑顔。
観客も楽しくなってきてしまうんですよね(^O^)
おてんばなアンが、皆と生活にするにつれて、ロマンを失わないながらも人のことを思いやられる子に成長していく。
やっぱり、人間ってお互い様ですよね。関わるうちに自然と学ぶ。自分にないものを相手から貰う。
一人では生きていけないですね。


マシュー=日下さん。
四季の大御所(笑)ハムレット、異国に続き3回目になるんですが、日下さんって何だか注目を集めてしまうオーラがありますよね。
私的にはマシュ−をやってる日下さんが1番好きかな。
音程が合ってるのか合ってないのか分からない(笑)、不安定な歌声(初めて、日下さんが歌ってるのを見ました!)も、
マシュ−の物静かでぶっきらぼう、何を考えてるのか分からないような性格にあってる気がして、良かったです。
でも、実際、日下さんって歌はどうなんですかね〜??多分、ダメ(失礼ですが)なんですよね、きっと。
オペラ座で見る、立岡さんと一緒ですね。ハラハラしてしまう(>_<)

日下さんの演技って、安心して見れますね。日下さんの中で役に対する考えがあって、頭で計算しながら演じてる。
その分、絶対に間違うことはなく、模範的なものが見れる。
ちょっと、見方を変えれば面白みがないのかもしれませんが、こういう方が居なければ、舞台は引き締まらない。
やっぱり脇をしめますね、日下さんは。酸いも甘いもかみ分けた、経験がある!

マシュー・・。見てて微笑ましかった。アンが来たことで、最後の最後で何かがはじけたんでしょうね。
リンド夫人が言った、マシューは最後の1年が一番楽しかったでしょう、という言葉。本当にそう思います。
アンの奨学生に決まったのを聞いて、アンと最後に話して、亡くなったことに、後悔はないでしょう。
マシューがアンの為に流行りの服を買う為に、街の店に行った時。思ったことがここでも口に言えず、大騒動。
それでも何とか、自分の欲しいものをてに入れた時。
一目散に店を出て行きましたが、マシューはアンに一秒でも早く服を送りたかったんでしょうね。
アンの喜ぶ顔が見たくて。
アンもマシューと出会って、運命変わりましたよね!

しかし、光枝マシュ−バージョンも見てみたかった。もっと早くに行っとけば良かったです(ーー;)


マリラ=末次さん
末次さん、好き〜(笑) 末次さんって、包容力のある落ちついた大人の女性役が似合いますね〜。
お母さん役をやらせら、ピカイチというかね。というか、そういう役しか、私見たことないんです(^^ゞ

最初、アンを迷惑そうに思いながらも、マリラこそアンに色々貰ったんでしょうね。
忘れていたものを。
マシューの身体を人一倍心配しているのが、冷たい口調からも分かりました。
最後に、マリラがアンを思っていることを口に出せないことことに悩んでいるところ、ほんと泣きましたね〜(>_<)
マシューとマリラ。愛情表現は違うけど、アンを愛しく思っているんですよね(^^)


ギルバート=田邊さん。
か、かっこいい〜(@_@)田邊さんって、こんなにかっこよかったですかね。
と言っても、初見なんですか(笑)
背が高くて、おっとこまえ!目立つ、目立つ・・(^O^)

アンが学校に初めて来た時から、ギルバートの目はアンを追っますよね。アンのことをにんじんってからかうのも、愛情の裏返し。
子どもって、そういうところありますよね。
アイスクリームのところですかね。ギルバートが好きなジョシーが、ギルバートのそばに来て踊ろうとした時、
一瞬「えっ、アンじゃなくジョシーが来ちゃった(ーー;)」っていう表情をされたのには、目をひきましたね。
目がアンを追ってるとこに、オペラ座のマスカレードを思い出したり・・(^^ゞラウルがクリスを追ってますから。
アルプで、末次さんが中堅の田邊って言ってましたが、お歳はいくつぐらいなんですかね?!
若くみえますよね〜。
ユタの田邊さんも見たかったな〜。怪我も治り、無事に演じられてるのを見て安心しました。
しかし、田邊さんも今後にも注目していきたいですね


最後で、アンと仲直りし友達になって良かったです。
アンの譲った、奨学生として遠い学校に通いますが、アンとの絆は消えることがないでしょうね(^_^)


スティシ−先生=五東さん。
素敵な先生演じてらっしゃいました。もうこの方を見て、オペラ座を思い出したのは言うまでもない。
五東クリス・・見たいぃ〜(>_<)
こんな先生、出会わなかったな〜私は。
フィリップス先生の時は、あんなに反抗的(?)、いたずらばかりしてた生徒が、皆スティシ−先生の顔を笑顔で見てる。
私も、あんな先生だったら、ついていきたい!
肩のあたりが広がって、腰がきゅっとなってる衣装のせいか、とってもスタイルよく見えました。また背も高く見えたな〜。
一度、五東クリス見てますが、やっぱりクリスの時と歌声も違いますね〜。笑顔も素敵でした。
しかし、五東さんって、ほんと地声と違う声を出しますね。
地声はあんなにかわいいお声なのに・・。しっかりしている先生にあった声を出しますね。
やっぱり、皆さんプロですね〜。
あ〜、ほんとに笑顔が素敵でした。
アンもスティシ−先生を尊敬の眼差し(?)、何を教えてれるんだろう!?という、好奇心旺盛な目で見てましたね。
目がイキイキしてました。

・・う〜ん、五東さん、ファントムに戻ってきて(爆)


ダイアナ=秋本さん。
アンの腹心の友。しつけの厳しいお母さん(でも噂好き)にも負けないで、アンとよく友達になってくれました。
優しく、ダイアナもアンに負けないぐらい、好奇心旺盛だと思いますよ、私は。
目が常にキラキラしてます。←秋本さんの目が大きいから(笑)
秋本さんって、歌うまいですよね〜。ちょっとアンの野村さんの声とかぶるような声でした。
秋本さんって、いっつも楽しそうに積極的に演じてるような気がして、いつも見てて嬉しいです。
ちょっと、おしゃまなダイアナですね。
間違えてお酒を飲み、よっぱらうところは面白かったです。


リンド夫人=平野さん。
平野さんって、コミカルな役似合ってますよね〜。
平野さんがいるだけで、何か楽しいんですよね。
オペラ座の時も、何かやるんじゃないか・・なんて思いながら見てます。
全く、リンド夫人。噂好きじゃないと自分で言ってますが、十分噂好きなおばさんです(笑)


バリー夫人=横山さん。
ダイアナの母親で、上品なおばさんの筈ですが・・。噂好き(笑)
横山さんって、どの役を見ても絶対に分かりますね。お顔に特徴があるのかな。
ちょっと、こうるさい、自分は上品だと思っている、勘違いなお金持ちって感じです。
久し振りに横山ジリーが見たいなぁって、思ってしまいました。


スペンサー夫人/パイ夫人=佐藤さん。
一番のくせもの(^^ゞおばさんですね〜。
マシュー家の為に養子を施設から紹介してくれながらも、間違えて女の子を貰って事にも、決して謝らない(笑)
でも、スペンサー夫人のおかげで、マシューやマリラは幸せになれたんだから、ヨシとしましょうか!
佐藤さんはユタ以来でしたね〜。


ブルーエット夫人=高島田さん。
子どもを召使いとしか思っていない、恐い方でした。
表情豊かで、夫人達は舞台前方で歌っている時、目が離せなかった。
ちょっと恐かったんです、口を明け過ぎで(笑)


ジョシー=高城さん。
可愛かった。ギルバートが好きで、好かれているアンを憎むのも単純で(笑)
ギルバートに一生懸命な女の子。ほんと可愛かった。
高城さん、背が小さいのでよく似合ってました。高城さんもユタ以来です。


プリシー/店員ルシラ=佐和さん。
密かに壁抜け以来、気になってた佐和さん。
そんなに目立つ役ではなかったですが、フィリップス先生の子がおなかにいる姿は可愛かったです。
結構なお歳だと思うんですが、似合いますね〜。少女っぽい服。
そっか、プリシーもフィリップ先生すきだったんだと、驚きました。
勝手に、フィリップ先生の片思いだと思ってました。って、年齢差すごくないですか(@_@)

店員ルシラの時、少し歌声が聞けて嬉しかったです。
密かに夫人の役もやってらっしゃいますよね?!色んなシーンでお見かけしました。


フィリップス先生=須郷さん。
面白すぎです!キャラ濃いです。
この方こそ、目が離せない。プリシーに対する、あのデレデレは何でしょうか(ーー;)
何だか、先生が生徒に手を出すのって、リアルですね〜。
今のご時世にあってるというか・・。

壁抜けに続き(?)あの髪型で登場。
ワカメがひっついちゃってるというか(笑)。独特の(?)表情で、ホント目が離せませんでした。
アンとプリシーに対す態度、変わりすぎ(^_-)
ちょっと、須郷さんも今後注目ですわ。
パンフレットの紹介写真と全然印象が違いますよね〜。
あの髪型、ある意味かつらのようです。


ムーディー=有賀さん。
友達と密かに応援している有賀さん。今日も頑張ってました。
いたずら好きなんだから(笑)
後、髪型。ちょっと笑ってしまいました(^^ゞ


ジェリ−=岩本さん。
友達の指摘で気付いた、私達が見たた壁抜けで墓堀役をやっていた方。
こんなところに、いらっしゃったんですね!何だか、あか抜けて(?)ました。


以上、キャスト別感想です。
赤毛のアン。ほんと良かったです〜。機会があれば、もう一回見たい。
お薦めですね。

今回の1番はアンの野村さん!
さすが、四季を代表する女優さんですね(^o^)丿


◆2002年『観劇キロク』にもどる ◆『演目いちらん』にもどる