大井川鉄道で行った井川・紅葉狩り 

 

家内が10月の終わりに「東海ウォーカー」を買ってきて、紅葉狩り特集を見つけたのが発端。
やりとりを短縮して再現しますと・・・

妻「大井川鉄道の紅葉見に行って、良い子をSLに乗せようか」
夫「え゛〜遠いよ。日帰りなら土曜でなきゃ・・・SLは土曜日の予約一杯だ!。日曜日も6日か27日しか取れないよ」
妻「じゃあ、向こうで一泊して・・11月の週末は寸又峡温泉は全部満室!」
妻「アプトラインって面白そう。終点の井川周辺の宿はネット予約できないところばかりだから私が電話かけてみるわ・・・」

1時間後、昼寝していた夫のもとに
妻「なんとか宿取れたから、SL予約してちょうだい!」

大井川鉄道沿線のような名所に、思い通りの旅程で紅葉狩りに行くには大幅に出遅れていた、と分かりましたが、まずまずの計画となりました。

(参考)大井川鉄道公式ホームページ


2005年11月5日出発、三河安城から掛川まで新幹線。

前回の新幹線デビューの写真を撮り損なっていたのでここでパチリ。


掛川から在来線2駅で金谷に出て、大井川鉄道に乗り換えます。

やってきたのは旧近鉄16000系、大阪−吉野間を走っていた特急電車です。
もしかしたら私が20年程前に乗った車両かもしれません。


「茶飯べんとう」を持って乗り込みます。

近鉄特急としては「エースカー」世代ですから、10年前でも近鉄で出会ったなら「はずれ」と思ったでしょうが、大井川鉄道で乗ると凄く豪華に思えます。


1時間15分のんびり走って、本線の終点、千頭駅に到着。

隣は動態保存のC56です。


その先、井川行きのアプトラインは既に立ち客がある混雑で、1本見送ることにしました。

大井川沿いの広々した土地です。


金谷から後続のSL急行が入ってきました。

動態保存の9600型機関車に乗ってパチリ。

1時間半あまりを千頭の駅で過ごしてトロッコ列車に乗ります。

最初は運転席かぶりつきに陣取ったのですが、あまりに膝が窮屈で、1つ後ろに移動しました。

右側2席、左側1席の小さな車両で、景色は断然右がいい。


普通の前方の写真をもっと撮っておけばよかった・・・。

ディーゼル機関車が後ろから押す編成なので、前方視界があります。

トンネルに入るだけで「ダンジョン」に入っていくようなディズニーのアトラクションそっちのけのスリルがあるのですが、その写真はどうにもうまく撮れませんでした。


出だしの頃はこの程度の風景でも喜んで写していた、という記録。

車掌さんというより観光ガイドという感じで色々放送で見所を紹介していました。


「アプトいちしろ」駅で、ディーゼル機関車のさらに後ろにアプト式電気機関車(右のやたらと立派に見える方)を取り付けます。

ここから一駅だけ電化で、且つ、ラックレールが敷かれています。
今気がつきましたが、この電気機関車をこの駅まで小さなディーゼルが引いて来たのですね。

この日は駅前で柏餅の出店も出ていました。


長島ダム建設に伴い、旧線の一部が水没するので線路を付け替えた際、90/1000の急勾配になったのでアプト式を採用したとのこと。

眼下のキャンプ施設あたりを旧線は通っていたそうです。


その長島ダムが真正面に。

傾斜が分かるよう、わざと窓枠を入れて撮影しました。

かつての信越本線碓氷峠よりさらに急勾配なのが感じられます。


長島ダムで出来た「接阻湖」(せっそ・こ)です。

写真では意外と近く見えますが、水面から100m上、JR以外の私鉄では日本一高い関ノ沢橋梁です。

同じ橋の上からもう少し遠くを写してみました。

紅葉はさほどでもなく、時期が少し早かったか、それとも今年が外れ年なのか、という感じですが、紅葉関係なしで絶景の連続です。


「山の十二単(じゅうにひとえ)」だそうです。

確かに見事な景色です。


正面に井川ダムが見えてきました。

元々このダムを建設するための線路だったそうです。


千頭から25kmを1時間半かけて到着、終点井川駅です。
ほんとに何もありません。

ここが「静岡市葵区」だというのは、「雲取山が東京都だ」というどころではない衝撃があります。


駅から10分走ったところにある井川の集落は、時が止まっているような静けさです。

山の中に小屋一つならむしろそう感じないと思うのですが、意外と大きな集落なのが余計に別世界感を強めます。

泊まったのは「大西屋旅館」。やまめ料理が中々美味でした。


井川ダム展示館の中から写したダムの上下。

ダムの上が車の十分すれ違える道になっています。


アプトラインで千頭まで戻ってSL急行に乗ります。

当初メインイベントのつもりでしたが、アプトライン及び井川が凄すぎて、ここに至っては「つけたし」「最後のデザート」でした。

タンク型機関車C11だから当然なのかもしれませんが、後ろ向きに走るのも余り格好良くない。


レトロな車内は1時間40分だけ乗車するには楽しい。
垂直の背もたれはそれ以上の長時間乗車だと厳しいでしょう。
天井が高いのは気持ちいいです。

「急行」と言いながら、各駅停車の電車よりさらに遅くなります。

先頭客車でも、乗ってしまうと汽笛が聞こえる以外は特にSLを感じませんでした。

 

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