3.ホームコンサート対策
ピアノ曲のネタでもないのですが、ピアノ選びでも無いので、いきなり中途半端になっているこちらのコーナーに押し込みます。
2012年11月18日に子供のピアノの発表会が、今回は先生宅のホームコンサート形式で行われました。で、今回も「特別出演」させてもらいました。弾いた曲は、セザール・フランク作曲のヴァイオリンソナタ イ長調 の、アルフレッド・コルトーによるピアノソロ編曲版、の第4楽章です。
フランクは19世紀のベルギー生まれで、フランスで活躍した作曲家です。渋めの曲を色々なジャンルで書いている中、飛びぬけて有名なのがこのヴァイオリンソナタで、フランス系のヴァイオリンソナタの最高傑作とも言われています。この曲の歴史的名演として最も有名なのが、ヴァイオリンのティボーとピアノのコルトーによる演奏なのですが、当のコルトーが「ティボー抜きでもボク弾けるもんね、」という意図があったかどうか、自分一人でも弾けてしまう編曲を作っていたのでした。曲目解悦はこちらにお願いしましょう。
この曲を敢えて選んだあたりについて薀蓄を垂れれば、このコーナーにより相応しかったのですが、薀蓄を垂れるべき当の本人に色々迷いが生じて、その方面では沈黙することにした、のですが、それはともかく、
自宅のピアノマスク付 RX-3CLE を全閉にして練習していたこの曲を、本番の4日前のレッスン日に初めて、先生宅のカワイSK−3の大屋根全開で弾かしてもらったのですが、自分の弾く音のでかさにビビッてしまって、かなり崩れてしまったのです。
スクリアービンのソナタ4番でも、カワイのショールームのSK−6を弾いて、タッチが軽い、浅い、よく鳴る、部屋が狭い、の4拍子でかなり煽られてしまった体験をしていましたが、イケイケドンドンの曲なので、煽られたなりに爽快だと思っていました。それに対し、今回のフランク=コルトーは、迫力が要るところもありますが、それ以上に「デリカシー」が必要な曲です。煽られて爽快、とはならず、むしろ当惑、でした。
それから4日間、ピアノマスクどころか大屋根も全開で練習しました。晩秋ですから、締め切った家屋内に在宅中のご近所様の迷惑にはならなかったと思いますが、先生宅に負けず劣らず良く響く我が家で、弾いている当人も結構やかましいと思いつつ、響くなりに「スケール大きめ」の弾き方を検討しました。
一応、何とかなるかな、で当日午前のリハーサル時に録音してみたのが、こちらになります。本番の録音もあるのですが、雑音が多かったので却下した、ということにしておきます。比較対象を提示できないのが申し訳ないのですが、本人的には4日間の成果は出ているつもりです。前に弾いたときには、音のデカさばかり気になっていたのが、SKの微妙に軽くて浅い鍵盤を感じつつ弾けるようにはなりました。
思えば、1年前に大ホールで弾いたときには、残響の長さは印象的でしたが、自分に聞こえる音のデカさは、ピアノマスク全閉での練習中と大きく変わらない、と感じていたようです。となると、大ホールであればピアノマスク全閉で練習して良し、ということになります。
ホームコンサートでもチビさん達の音をちゃんと届かせるには全開する必要があるのでしょうが、そこに大人が入るのであれば、本当はその時だけでも閉めた方がいいと思います、が、開けっ放しが前提であるのなら、ある時点から練習でも大屋根を開けるべきなのでしょう・・・季節によっては近所迷惑にも注意が必要ですが。