2.弾いて家族に嫌われるピアノ曲
嫌われるのが元より納得できる曲もいくつもあって、例えば、スクリアービンのソナタ6番、これは後述の弾けていない曲にも永遠に該当しそうですが、これはどう?と冒頭だけ弾いてみましたが、好きではない、とのことでしたので、家内の前では弾かないことにしています。
また、曲そのものが嫌いでなくても、練習途中の曲というのも、つき合わされる家族には迷惑なものなのでしょう。フランクのバイオリンソナタのコルトーによるピアノソロ用編曲、バッハのブランデンブルク協奏曲第3番第1楽章のフリードマンによるピアノソロ用編曲、その他を同時に入手して同時に練習し始めた頃には苦情が来ました。ので、譜読みまでは電子ピアノである程度進めました。まあまあ弾けてからは、嫌われていないようです。
こういうのはどちらも納得がいくのですが、そうでもない曲もありました。
その1:フォーレ作曲「舟歌第10番」
知人のM氏の掲示板に書き込んだ内容になりますが、夜想曲と舟歌の、各9番10番11番に狙いをつけて、
”舟歌10番を弾いてみました。本人的には大分弾けるつもりになったところで、
家内に「最近弾き始めた曲、どぉ?」と聞いてみたら、
「あの幽霊みたいな曲?」「陰気な曲だと思ってた」
「このまま盛り上がらなかったら承知しないぞと思って聞いていた」
「この人急にどうしたのかと思った」
・・・「聞かれたから言ったんだけど」ということですが、散々です。”という事態になりました。
作曲年代で見ると、夜想曲9番10番11番に対応するのは舟歌8番9番10番なのでしょうが、ともかく、いわゆる「フォーレの後期」のそのまた前半になります。弾いてみて嫌われてみてからこんなこと言うのもなんですが、かなり「危ない」曲群のような気もします。フォーレだったら、これらより前の時期の夜想曲6番とかピアノ五重奏曲第1番とか、或いは、もっと後のチェロソナタ第1番(これ結構好き)以降の曲とか、が健康にはいい、かもしれません。
(つづく?)