・マイナーRPGに光を:二十三・
私の印象に残っているマイナーRPGを挙げてみます。
今回は『空想科学世界ガリバーボーイ』。
PCE末期に発売された天外シリーズなどの超大作RPGの集大成的作品!
発売時期がもっと早ければ・・・PSやサターンと同時期じゃなければ、
評価がかなり違ったのではないかと思われる、生まれた時代が悪かったパターンですが、
個人的には天外2ほどではないにしろ、かなり好きな作品だったりします。
下の画像は主人公のガリバーっぽい人。
まぁ、どっちも海モチーフだし、問題ないでしょ(適当)


空想科学世界ガリバーボーイ・・・プロデューサーが広井王子さんでキャラデザが葦田豊雄さんという
グランゾートやワタル2を彷彿とさせる組み合わせで、タイアップでキャラ設定等が異なるアニメも放映していたりと、
PCE末期にしては力を入れていたのだが、時代は次世代機の波が押し寄せる1995年。
PCEにもかかわらず滑らかなアニメを再生する(が画面はざらつく)HuVIDEOの採用など
力の入れ具合ほどには知名度がない不遇な作品と思われる。
しかし、ゲームのボリュームやシステムなどはPCE末期を飾るにふさわしい超大作感が漂っていたので今回紹介したいと思ったのである。
といっても本当にボリュームたっぷりなので、かなりかいつまんで、印象に残っている部分だけになってしまうが。

簡単にストーリーを紹介すると、ベニスの商人の息子ガリバーが友人の発明家エジソンと謎の少女ミスティと共に
近代兵器でその版図を広げるイスパニアのジュドーの野望に立ち向かう!といった感じ。
このごった煮感がいかにも広井王子プロデュースと言った感じだが、さらに実はミスティはジュドーの妹というあたりがいかにもである。
このジュドーとミスティ絡みのイベント・・・というかジュドーの城にある二人とその親子の過去のシーンを時系列で人形?により再現したものが
かなり悪趣味で、それを飾っているジュドーの心の闇が垣間見えるのだけれど、今回は端折らせていただく。

エンカウントはシンボルエンカウントで、敵シンボルが無限湧きする場所で連射キーを押しっぱなしにしておけば、オートレベルアップが可能である。
戦闘システムはキャラの速度順でキャラごとにターンが回ってくるタイプ・・・簡単に言えば天外2のようなシステム。
ただFFのATBのようにキャラの上にゲージが表示されているので、行動順が分かりやすくなっている。
そして、戦闘方法についてだが、ガリバーが魔法と魔拳グローブにセットされた魔拳ディスク・・・
これはクリティカル時に発動する必殺技で天外1のジュウベエぎりやシュウサクぎりを任意で付け替えらえるものと考えてもらえば・・・
って天外1の紹介をしていないので伝わらなかったら申し訳ない;
ミスティは歌と指輪に込められた属性攻撃。
問題なのはエジソン。
その名の通り、発明王のため様々な発明品が使えるのだが、その中でも速度を上げる加速ビームと
全員にかけることができて攻撃を無効化する電磁バリアがチート。
これを覚えたら、大体のボスは余程低レベルでもない限り、電磁バリアが切れていないかをしっかり確認すれば余裕である。
あとエジソンの発明品の動力は電気ウナギを使った電力なのだが、エジソンの中の人は某電気鼠なので、つまりそういうことである。

もちろん時系列的に逆であるのはいうまでもない。(ガリバー発売:1995年 ポケモソアニメ:1997年)

そうそう、天外2と違い、パーティにかかっているバフ・デバフがステータスで確認できたのも集大成的な改善点だった。
ちなみにパーティは四枠あるので、もう一人パーティメンバーを入れることができる。
そのメンバーはガリバーのお師匠さんの弟子たちの獣人で旅先で仲間にすることで増えるが、
進行上勝手に仲間になるのがスチール・バッド、ビック・マウス、アイアン・コングである。

最初に仲間になるスチール・バットだが、か わ い い

ではなくて、次に何をするか分からなくなった時にスチール・バットに話しかけると
「美少女スパイ スチール・バットがお送りする最新情報!」と物語の進行状況に応じた情報を教えてくれるのがありがたい。
この辺も天外2の京都の貧民街の役割をもっと使いやすくしている感じでよかった。
あとスチール・バットがかわいい(二度目)。声もドキンちゃん風味だったし・・・うぅ(´;ω;`)
ちなみに余談だが、クリア後に行けるスタッフルームでスタッフの一人がスチール・バットの薄い本をご所望しているのが印象的だった。
(閑話休題)
スチール・バッドは戦闘でもそこそこの攻撃力と単体回復で活躍してくれるのだが、
最終的には回復に長けたアイアン・コングの使い勝手が良すぎて、四人目はこのゴリラが占めることになるのが定番である。

ストーリーに話を戻すと、目的はイスパニアのジュドーを倒すことなので、そのために各地を巡ることになる。
その中でそこかしこに聖魔教会というのがあり、その信徒たちがイスパニアに迫害されていることがわかる。
ジュドー許すまじ!と思って、苦闘の末にジュドーを倒すと・・・聖魔教会が真の姿を現す!
なんとジュドーが聖魔教会を抑え込んでいたおかげで、聖魔教会が崇める世界の支配者ハレルヤの復活が阻止されていたのだが、
ジュドーがいなくなったことで彼らの活動を邪魔するものがいなくなり、世界はハレルヤ復活に向けて動き出してしまうのだ!
しかも聖魔教会の活動はジュドーよりもえげつなく、洗脳、薬物による廃人&奴隷化など、まったく手段を選んでいない。
主人公達が世界の敵だと信じて倒した相手が実はもっとヤバい存在の抑止力だった・・・
例えるなら、『グレンラガンの螺旋王とアンチスパイラル・・・
螺旋王が人口が増えないように間引いていたのは人口が一定数に達すると
宇宙を管理しているアンチスパイラルに目をつけられて人類が滅ぶから』
のようなパターンはゲームでは当時珍しく、大体は倒した敵よりも
さらに強大な敵がいた(例:バラモスを倒したらゾーマがいた)展開の方が多かったので、
このガリバーのパターンはかなり印象的だった。

そういえば、スチール・バットの話でさらりとスタッフルームの話をしたが、
実はゲーム中で聖魔教会にかなりの額を寄付しているとエンディング後にスタッフルームへの鍵が貰える。
そこには先述のようなスタッフだけではなく、木星人・・・

初出はイース4のスタッフルーム?の謎のマスコットキャラがいて、この木星人を育成するミニゲームが出来る。
プレイ方法は一週間のスケジュールを打ち込むとそれに応じたパラメータが上昇し、
エンディングが変わるという某ときめものようなものだが、
実際はパラメータはエンディングに一切関係なくただのランダムだったりする。
とにかく木星人のゆるい雰囲気が笑えてくるので、そんなゲーム性部分はどうでもよかったが。
なんか端折られちゃってるボスとヒロインの過去が気になるんだけど?
簡単にいうと『生まれつき体が弱くて機械の補助なしでは
生きられなかったジュドーが、ミスティ誕生により
親の愛を受けられなくなって病んでいき父親を殺害』
って感じなんやが、両親が繰り返す「かわいそうなジュドー」や
「かわいいね、ミスティ」ちゅう台詞が無感情すぎてトラウマものなにゃ
確かにそれを自分の城に飾っているのは悪趣味だね
しかも城の途中からこの頃のRPG定番の内臓モチーフのダンジョンに切り替わって
それが生身の体に対するジュドーの執着みたいでなぁ・・・
内臓ダンジョンは結構ラストダンジョンのイメージがあったから、
絶対ジュドーがラスボスやと思っとったんやが・・・
なるほどね。
だから聖魔教会とかいうのが出てきてびっくりしたんだ?
敵の敵は味方とは限らないっちゅう感じでびっくりしたっちゅうか、
むしろただのモブ団体やと思うとったからなぁ

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