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・マイナーゲーに光を:壱・
マイナーPRGに限らず私の印象に残っているマイナーゲーを挙げてみます。
今回は「PANZER FRONT」・・・バトルシティより遥かに忠実な(当たり前)戦車シミュレーターゲーです。

PANZER FRONT
 私は戦車自体にそこまでの思い入れはない。
だが戦車は、『戦国自衛隊』において騎馬隊を蹴散らしたり、 『僕らの七日間戦争』において先生を追い立てたりトリを飾る花火を発射したりと、 映画内においてその存在だけで状況を覆せるかのような頼もしさ溢れる描写を されることが多く、その勇姿はこの胸にしっかり刻みつけられている。
そして、ドラマでいえば『西部警察』のラストでの戦車とのバトルも熱かった。

 このように日本において戦車は圧倒的な存在の象徴として用いられてきたのである。
翻ってゲームにおいてはどうだろうか?
『フロントライン』においては手榴弾一発で中の人が逃げ出し、主人公に乗っ取られるような尻軽っぷりを。
『バトルシティー』においては仲間の弾で痺れている間に敵の砲撃で破壊されるような貧弱っぷりを。
そして、多くのシューティングゲームでは単発弾を放ってくるヤラレ地上物としての影の薄さを私に示してくれた。
 時代が進み、『東京ウォーズ』(アーケード)が一人称視点&四人対戦という戦車らしい雰囲気を出していたが、 挙動そのものはほとんど車と大差のないものであった。

 だが、ついに戦車マニア垂涎ものの戦車シミュレーターが誕生した!
それが『PANZER FRONT』であるっ!!
・・・最初に記したように私は戦車マニアじゃないので本当に垂涎ものかわからないが(テンション↓)

と、ともかくこの『PANZER FRONT』、 第二次世界大戦時の戦場を当時の戦車や有名メカデザイナー作の架空戦車で縦横無尽に動き回れるのが魅力のゲームである。
だが、この文面以上に内容は硬派一徹、戦車マニア垂涎ものなのである
では、このゲームの持つ戦車マニア垂涎ものっぽい部分を説明してみよう。

【特殊な操作方法を採用することで戦車っぽい挙動を実現!】
ボタン設定で変更できるもののオススメの操作方法は、十字キーで照準操作、RLボタンで機体制御するタイプである。
というかこれでなくてはこのゲームの価値が40%位下がってしまうと思われる。
さて「RLキーで機体制御」と聞いてどのように操作するか想像できるであろうか?
ちなみに私は戦車好きではなかったので想像不能だった。
簡単にいえばR2(L2)が右(左)キャタピラ前進、R1(L1)が右(左)キャタピラ後退である。
つまり前進したければR2+L2、後退したければR1+L1を押せばよいのだ。
また右折は前進中R2を少し離し、左折はL2を少し離すことで可能である(後退時はR1L1で同様に)。
そして、注目は戦車のウリであるその場旋回「超信地旋回」が可能なことである!
これは左右のキャタピラを別々の方向に回すことでその場で機体を旋回させるテクニックだが、 先の特殊なキー割り当てのおかげで実現可能なのである。
具体的にはR1+L2で右旋回、R2+L1で左旋回である。敵に背後を取られた時には必須テクニックといえる。理由は後述。

【前面はほぼ無敵装甲、しかし側面や背面からの砲撃には脆い!】
戦車の装甲は全てが堅牢強固なわけではなく、側面や背面は正面よりも薄くなっている。
そのため火力不足な戦車が相手でも側面や背面をつかれれば一撃で破壊される恐れがあるのだ。
つまり相手に背面や側面を取られたらすぐに正面を向き直す必要があり、そのために先の超信地旋回が必須なのである。
ちなみに背面や側面でも砲弾に対して垂直位置にいなければ受け流すことが可能なのも面白い。
これはこちらからの砲撃に対しても同様のことがいえる。
一応相手よりもこちらの砲撃の方が正面攻撃時における破壊率は勝っているが、 それ以上に別の要素が絡むため一筋縄ではいかなくそれ故に面白い仕様になっているのだ。

【現実に則した弾道のため照準の読み方が職人的!】
シューティングゲーム等では弾発射時の反動はおろか射程すら無限であることが多い。
しかし、現実的には砲塔から発射された砲弾はまっすぐに飛ぶわけではなく重力に従い落ちつつ飛んでいくのである。
このゲームにおいてもそれをシミュレートしているため、 想定弾道よりも少し高めに砲塔を向けておかないと敵に着弾せず敵直前の地面を穿つだけである。
しかし、慣れてくると敵影を一瞥しただけで距離&砲塔の調整度合いが推測できるため、超遠距離砲撃が可能なのが面白い。
もっとも着弾しても距離があると致命傷にならなかったりすることが多いが;

 さて、ここまでは戦車マニア垂涎っぽい部分を紹介したが、ゲーム的に面白い部分を紹介しようと思う。
このゲーム、マップによっては僚機が複数おり、それぞれに移動場所・速度、砲撃位置等の細かい指示が出せるのだ。
これを利用すれば「敵の目を僚機に惹き付けさせて自分は敵陣を側面砲撃」「僚機に自分の死角を防御させつつ砲撃」等幅広い戦術が可能である。
またマップごとの敵機の配置は固定であるが、それは想定ルートを通った場合の効果的な配置に過ぎない。
それゆえ敵の配置を逆手にとり、森を突っ切ったり川を横切ったり、建物の影や敵機の残骸に身を潜めたりと様々な方法を編み出す面白さがあるのだ。
このため、私は体験版に入っていた一つのマップだけで何十回と遊び倒したことがある。
 特に一番好きなパターンを紹介してみよう。
僚機に味方兵士の護衛を任せ自分は街道沿いから味方兵士を目指す敵戦車を側面攻撃していた時だ。
敵の増援を告げる通信が入ったのでその方角に砲塔とスコープを向けると・・・
陽炎が漂う街道沿いの地平線から敵影がゆらゆらと姿を現したのである。
その時、私の頭の中には
「エ○ァシリーズ、完成していたのっ!?」という台詞とともに『魂○ルフラン』が流れ始めた。
敵影現る
♪わたしにかえりなさい〜
そこから始まった地平線からとめどなく湧いてくる敵機とのエンドレスワルツは今思い出しても鳥肌ものである。

 勿論このゲーム、ツッコミどころがある。
先に説明したように敵機の配置は固定であるが、最初から全ての敵が表示されているわけではない。
フラグや敵機の総数が減ってきた場合に配置ポイントに出現する敵機も多くいるのだ。
このため敵の配置を逆手にとり、敵陣深く切り込んで敵を屠っていると自機の周囲の何もない空間から敵が出現することがある。
イメージとしては伝説の『デスラー戦法』(ワープ能力のないミサイルや戦闘機を敵周辺にいきなりワープさせる奇襲攻撃)である。
「まさか第二次世界大戦時に瞬間物質移送器を完成させていたのか!?」とびっくりすること請け合いの不思議仕様なのだ。
 これは敵の配置ポイントと同時表示限界数、想定外の位置に自機がいたこと等が絡み合ったために起こったバグなのだろうが、 あまり変なことをするなという製作者側の戒めかもしれない。

 そういえば1500円シリーズの戦車ゲーは出来がコレに近いと聞いたことがあったようななかったような?

戦車は漢の浪漫やなぁ〜
無骨なデザイン、鈍色の装甲、たまらなんなぁ。
戦車って鉄の棺桶じゃないの?
それは旧日本軍の戦車や・・・ってあんさんも妙なことしっとるな。
アンタほどじゃないよ

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