4.量子力学の測定理論 量子力学の経験的基礎は、現象によって与えられる。 とくに測定結果の報告によってである。 他方、そのような測定で起こっていることは、物理的相互作用である。 そして、それは原理的に量子力学のモデルになければならない。 二十世紀という時代は、 そうしたことを述べるのに使えるリソースに応用できる理論によって生み出される パラドックスが日常的で、悪循環やパラドックス、不整合の脅威にすぐに直面する。 4.1.物理相関の研究 数字を出力して終了する手続きの全てが測定というわけではない。 他方、測定に対して期待されている全ての事柄が、 測定に対して本質的であるわけでもない。 おそらくは、’ただ’見るという理想は神のみがなせるものであろう。 いかなるものも攪拌しないで、対象との相互作用により情報を集め、 対象が何であるかを知り、どうなっていくかを予測するのに役立つ。 そのようなありもしない理想化は、実際の測定についての考えに 用いるべきではない。 はじめのターゲットは、ボルンの解釈の規則に見られる 「測定」という用語である。 オブザーバブルMの測定が状態Wにある系になされたなら、 Eの中に結果がある確率はTr(WIME)に等しい。 これは条件言明である。 そして、我々は次の二つを説明する必要がある。 いかなる条件の下で前件が真であるか、 相関的にいかなる時に後件が真であるか。 我々が与える説明の適切さの基準は、測定の完全な意味づけをすることではない。 そうではなくて、次のような測定のプロセスを正しく選び出すことである。 (a)測定という用語の意図するところの最小限の基準を満たす。 (b)ボルンの解釈の規則に含まれる言明が、真であることが維持されうる様なもの。 このことをふたつのやり方で見ましょう。 一方には、理論が経験的に適切かどうかを見るだけの科学者がいる。 すなわち、現象がモデルに合致するか? 他方には、量子力学を用いて科学者がやっていることも記述する信者がいる。 どちらもフィクションである。 しかし、全ての人がある程度、各々の立場に荷担しているだろう。 まず第一に、現象は、典型的な測定結果(オブザーバブルMは値bを持つ)や、 より一般的に、その様な単一の結果の頻度のカウントであるような言明で記述される。 量子力学的状態は次のようなものであることが必要だ。 報告された現象から、その様な状態への逆推が可能である。 たとえば、我々はスクリーン上のスポットのパターンを見る。 我々の作り出したモデルにおいて、それらのスポットは、ある状態にある電子源から 出てきた電子の衝突点である。 経験的適切さは次のことを要求している。 スポットのパターンが、ボルンの規則を使って 状態Wと結びついている位置の確率分布に合致しているような 状態Wが少なくとも一つ存在すること。 このちょっとした議論のはじめと終りで、 少なくとも次のことを導出する。 測定の結果は値付与命題だ。 その命題は「オブザーバブルがある値を持つ」というものだ。 このオブザーバブルは対象に関係するのでは無く、 測定器具に関するものだ。 しかしながら、その結果は、ある統計的なやり方で、 対象の可能な初期状態と対応していなければならない。 量子力学的世界像を信じている人に目を向けてみましょう。 我々は、彼に彼の観点からどれくらい多くのことが理解出来るのかを 問わなければなりません。 わたしははじめに次のことを言いました。 測定中に起こっていることもまた相互作用である。 この事は次のことを意味しません。 我々がある種の物理的相互作用を与える事が出来る。 そして次のように言う。 これが測定という言葉の意味することだ。 わたしは、心身二元論の議論に入る気はない。 しかし、その様な問題を単純に捉えないようにして 測定を議論したい。 水銀温度計を使って紅茶の温度を測定したという時、 結局、ある物理的相互作用を起こすことを暗黙のうちに述べている。 しかし、わたしは次のことも含意させている。 そのエピソードをお茶による温度計の温度の測定とは区別する 意図的で良く考えられたなにかをする。 わたしはあるオブザーバブル(紅茶の温度)を 測定されるオブザーバブルとし、他のもの(水銀の高さ)を 値を示す(指す)オブザーバブルとする。 そうした時、次のことを前提する。 温度計はその様な測定に対する器具として選ばれるのに適した 物理的性質を持つものとする。 我々の研究の第一段階では、測定が意味することを全く見出してはいない。 次のことだけである。 系XとY、Xに関するオブザーバブルA、Yに関するオブザーバブルBとする。 Bを持つYを用いてXについてのAを測定するのに、 最小限に要求されるそれらのものは何か? Bを持つYによるXの測定されるAに対する必要条件として 最小限に要求される条件は何か? それらの質問は物理学の用語だけで答える事が出来る。 その答えを物理の領域の中で完全なものとみなすなら、 −ある選択をしたり、意図を持ったりしている人という要素を省略して− 混乱することなく次のように言う事が出来る。 測定相互作用は、ある種の物理相互作用である。 もちろん私自身ここである仮定に頼っている。 測定結果の確率を振り分けるボルンの規則が、 単に物理的相互作用そのものに関するものとして読まれるべきである。 という仮定である。 ある人が現実に意図を持っているか、その様な選択をなすかどうかを それらの確率とは無関係であるとする。 この仮定にもとづいて、測定相互作用という言葉を、 我々によって測定の必要条件として要求される種類の 物理プロセスを指すものとしたい。 この仮定に対しては、弁解する気も保証を与える気もない。 4.2.測定のメタ基準 測定のもっとも一般的概念は次のことだけを要求する。 結果の情報から測定される対象系の初期状態についての情報を 推論する事が出来る。 この事は次のことを要求する。 対象系XのオブザーバブルAの測定プロセスは、 次の4つの要素で特徴づけられる。 測定する器具Yのヒルベルト空間、値を示すオブザーバブルB、 器具の基底状態W、展開演算子U。 この時点では、Uがユニタリーであることは仮定しない。 またこの時点では、次のことも特定すべきではない。 最初に、対象と器具の系がどのように結びついているか。 器具のはじめの還元された状態は、基底状態Wでなければならない。 全体系(X+Y)の初期状態がVで、#V=T、V#=Wであるとすると、 次のことが要求される。 Uはそれを終状態U(V)にかえる。 器具の終状態であるそれの還元W'=U(V)#は、次のようなものに従う。 (M1)すべてのボレル集合Eに対し、PAT(E)=PBW'(E) しかし、このことは測定とするには十分では無い。 状態x*yで始まりy*xで終るように(X+Y)を変化させる プロセスを考えましょう。 そうすると次のように言える。 XのすべてのオブザーバブルAに対し、A=Bとセッティングすると、 条件(M1)が満たされる。 実際に、この事が受け入れられるなら、Y=Xと置くことが出来るだろう。 そして、Xに関するすべてのオブザーバブルがX自身によって 瞬時に測定できると言う事が出来るだろう。 しかし、確かに、いかなる単一のオブザーバブルもここでは測定されない。 非可換なオブザーバブルは言うまでもない。 器具は古典系でなければならない、もしくは、 値を示すオブザーバブルの固有空間を分割する 超選択即の支配を受けなければならない、 と言わなければならないのだろうか? そのことは、測定器具は巨視的でなければならないという信念や、 それらはすべて、巨視的オブザーバブルであるといった信念に 基づいて示唆されている。 その問題に答えなければならないところに行くまで、 それはほうっておきましょう。 その理由は次のようなことを真として信じるような立場を はじめから取ってはいるわけではないからだ。 量子力学がボルンの規則をもちいて、構造的に同様の微視的プロセスの結果に対する 確率も与える。 もっとも穏やかな要求は次のものである。 (M2)W'はBの固有状態の混合である。すなわち、 Tr(W'iIBb(i))=1として、W'=ΣpiW'i これは上で課せられた直観的困難を取りのぞくことが出来るか? まだ、偶然的縮退からでてくる困難がある。 次の議論を考えよう。 ときには、非可換のオブザーバブルをともに測定することが可能である。 AとBをヒルベルト空間中のオブザーバブルとし、 直交規定{|a(i)>}と{|b(i)>}に関するdisjointをもつ。 しかし、次のように仮定しよう。 a(1)=a(2)=a [|a(1)>,|a(2)>]=[|b(2)>,|b(3)>]=S 単純にするために次のようにも仮定しよう。 測定器は同じヒルベルト空間を持ち、 AとBはそれ自身、AとBに対する値を示すオブザーバブルとして役立つ。 そのとき、後者の初期状態がSの中にあるなら、 (M1)(M2)によって次のように結論づける。 器具の終状態はW'=IAaである。 しかし、次のようになっている。 IAa=1/2IBb(2)+1/2IBb(3) それゆえ、 W'=1/2IBb(2)+1/2IBb(3) 対象に対するBの測定に対する値を示すオブザーバブルとしてデザインされているB自身で、 次のように結論付ける。 Bの測定にたいして(M1)(M2)の両方が満たされる。 それ故、非可換のオブザーバブルがともに測定されてしまう。 このことは次のことを示している。 (M1)と(M2)は、ともに量子力学的に測定を特徴づけるのには不十分である。 しかしながら、これは偶然的縮退の場合である。 それは我々が特定の初期状態を選んだから起きた。 この問題のこたえの一部は、少なくとも次の事実の中にある。 そのプロセスは、対象のいかなる初期状態に対しても、 満足されるようなものでなければならないと主張すべきである。 はじめと終わりの状態で(M1)(M2)をみたすプロセスが必ずしも測定ではない。 器具Mは次のような物理構造である。 このプロセスが始まるときはいつでも、対象の初期状態とは関係なく、 (M1)(M2)が成立しなければならない。 一般的アイディアは明らかに次のようなものだ。 一緒に測定できない量を表現するために非可換オブザーバブルを選ぶことにより 現象をモデル化しているから、 測定の量子力学的な相関は、測定されるようにデザインされたオブザーバブルが 可換であるプロセスである。 この終わりで、その相関をこの条件を満足するように特徴づけることを要求する。 他方、多くの違った種類の測定が存在するだろう。 量子力学の違った解釈の一部を形成するさまざまな測定の説明の選択肢が存在するだろう。 だから、非常に慎重に二段階進んでいくことを提案する。 まずはじめに、測定のセットアップと呼ばれる、物理的相互作用のクラスを定義しよう。 その段階をおくために、次のものを考えましょう。 二つの系X、Y、それぞれのヒルベルト空間HX、HY Yは次のようになっている。 基底状態WにあるYが初期状態TにあるXと結びつくと、 ある時間間隔の(X+Y)の展開は、展開演算子Uで支配される。 重要な要素はWとUだ。 それらを特定することには、HXとHYを同定する情報を含んでいなければならない。 HXだけが、Xがなんであるかということに関係している。 器具Yを対Y=<W,U>と同一視しよう。 いま、Uで支配されるプロセスを測定と見做すなら、 注意して、HX上に定義される測定されるオブザーバブルAと、 Yに関係する値を示すオブザーバブルBYAを選ぶことになる。 この対応は、このやり方で状況を見るために我々の議論によって定義される。 そうすると、Aと同じ固有値を持つBYAを選ぶことが可能である。 そして、AとBYAの対応は一対一のようにする。 しかし、これらは次のことを意味する。 我々の考えをこの対応とは独立にする。それをcmpと呼ぼう。 cmp:A,Y → BYA もちろん、対応の選択は(M1)が成立していることを前提としている。 定義:次のようなとき、S(Y,A)=<A,W,U>は、    系XのオブザーバブルAに対するcmp測定のセットアップである。    Y=<W,U>は基底状態としてWをもち、    展開演算子Uは次のやり方で(S+M)の初期状態T*Xを展開する。    そのやり方は(M1)をYの還元された終状態と、    値を示すオブザーバブルB=BYAと、    HX上の全ての可能な初期状態Tに対して成立するようなものである。 ある種の測定のいかなる定義においても、その様な器具Yが joint測定のトリビアルではない場合で役に立つ可能性を考えなければならない。 それゆえ次のメタ基準を課す。 理想測定のメタ基準:cmp測定セットアップのクラスCSは、 すべての関係する器具Yに対し、次のような場合に限り理想測定のクラスである。 (M2)Yの還元された終状態W'は、S(Y,A)がCSの中にあるような、     すべてのオブザーバブルBYAのjoint固有状態の混合である。 (M3)もし、S(Y,A)がCSの中にあるなら、Yのすべての可能な     還元された終状態に対して直交しているすべてのxに対し、     BYAx=○/ (M4)i=1,.....,nに対しS(Y,A(i))がCSの中にあり、     fがn−aryボレル関数なら、     次のようなオブザーバブルAが存在する。     S(Y,A)がCSの中にあり、     f(BYA(1),......,BYA(n))=BYA 新しく言い換えても、(M2)は強められない。 (M4)の中の値を示すオブザーバブルの関数は、はっきり定義されている。 (M2)と(M3)が値を示すオブザーバブルが互いに可換であることを帰結するからだ。 ちょっとの間、それらの要求のモチベーションと範囲を少し議論しよう。 しかし、厳密な同一性を書き下ろす時は、実際の純粋な説明とはかけ離れてしまう。 (M1)ですらある側面では誤ってしまいうる。 この点に立ち戻るべきである一方で、 理想測定のあるクラスを特殊な事例として、 ある定義された測定のクラスが含まなければならいということを 加えるべきであると考える。 後に議論するフォンノイマンの測定やフォンノイマン−リューダースの測定の クラスは文献のもっとも卓越した部類に入るだろう。 それらがこのメタ基準を満足することを見ていきましょう。 それらのメタ基準が、量子力学の実地において一般的にその様に認識される 種類の測定を除外するなら、それらはあまりにも厳しいものであろう。 しかし、それら自体において、この基準はさほど厳しくはない。 次のように仮定しましょう。 クラスCSに対しシングルトン{S(Y,A)}をえらぶ。 そうすると(M2)は次のことを言っている。 器具は、BYAの固有状態の混合状態で終る。 そして先の議論は我々に少なくともそれより多くのことを要求させる。 S(Y,A)が(M3)を満足しないなら、それはcmp対応のせいである。 しかし、次のように仮定しましょう。 その対応の下で、BYA=Bである。 B'を次のように定義しましょう。 Yの可能な還元された終状態の要素によって張られた 部分空間Sに対するBに似たオブザーバブルであり、 それは直交部分空間を○/に射影する。 (すなわちB'=IsBIs) BYA=B'とおく新しい対応cmp'は(M1)を満たしたままで、 (M3)を満たす事が出来る。 最後に、CSはたった一つのメンバーしか持たないので、 (M4)は自動的に満たされる. それらのメタ基準の重要性は何だろうか? 量子力学の解釈は、測定とみなされるものを追い求めなければならない。 解釈を構成する時、この特定についてのそれ自身の考えを、 過度に強く主張する利点は無い。 次のことを確かめた方が良い。 測定の可能な特定を仮定すると、その解釈が可能となる。 そうすると、それらのメタ基準が受け入れられるなら、 良い解釈を持つために、測定として言われている相互作用のクラスが それらのメタ基準を満足するとしたなら、 それは有効に働くものを持つのに十分である。 メタ基準(M4)はまだ動機づけされていない。直観的にはそれは期待できないように見える。 15のダイアルを持つ器具を想像しなさい。 各々同時測定の結果を記録する。 たとえば、対象を車とする。 そして、ダイアルを重さだとかタイヤの空気圧だとかに合わせる。 紙と鉛筆の操作(舟注:要は手計算)は導出的性質に関する値を計算するのに十分である。 平均のタイヤの空気圧、重さとタイヤの空気圧との比、......。 その条件は次のことを述べている。 定義された値を示すオブザーバブルで測定される対象に対する オブザーバブルが、実際に、存在する。 joint測定についてのメタ基準: もし、CSが理想cmp測定のクラスなら、 S(Y,A)がCSの中にあるようなオブザーバブルAは互いに可換である。 証明。 (M2)(M3)を見ると、全ての値を示すオブザーバブルは共通の全ての固有状態を持つ。 それゆえそれらは可換である。 Fineのjoint分布(JD)の定理によって(6章の3節をみよ)、 それらは、JD条件を満足する。分布PATは分布PB(Y,A)W'に等しいから、 (M4)は次のことを帰結する。 S(Y,A)がCSの中にあるような測定されるオブザーバブルAの族も、 JD条件を満足し、それゆえ同じ定理によって、それらも互いに可換である。 証明と描写 測定の物理的相関を定義するために、あるプロセスが、 基底状態や時間間隔、値を示すオブザーバブルを同定する規約に基づいて 我々が測定をするのにもちいるものの候補者であるために、満たすべき条件は なんであるかを述べなければならない。 わたしが書き下ろした条件は、器具が巨視的であることを含意しない。 そして、わたしは付加的な条件をさらに加えることが出来るようにしてある。 そして、色々な付加的な条件を課したり、 用いたりしている文献のなかの測定の重要な説明が存在する。 物事が成立するなら、物理的条件は微視的プロセスによっても満たされることが出来る。 そのことは、ボルンの規則は人間の観察できない事象に対する予測も含意することを意味する。 それがそうあるべきということを、どのように考えるかである。 経験主義は、 理論は、観察できないものについて何事も予測できない、 とは主張していない。 わたしの見解では経験主義は違ったレベルにあるべきだ。 偶然的縮退の問題を扱うため、時間発展をする演算子に条件を課したが、 初期状態と終状態には条件を課さなかった。 それゆえ次のことを除外しなかった。 同じ初期状態にある系に対する、二つの非可換演算子の二つの測定において、 終状態が同一でありうる。 測定のタイプが全体としてのプロセスに関係してるなら問題がないとしても、 このことは少し奇妙である。 このことの除外が現れることの問題に対する他のアプローチがある。 加えて、一意に値を示すオブザーバブルを選ぶ選択の条件を含意することによって、 それの選択をする必要性を排除しているように見える。 これはZurekによって取られた考えだ。 しかし、測定の一般的説明がどうあるべきかという考えはまったく違っていた。 測定において、Zurekは三つの意味のある要素を特定した。 対象と器具と環境である。 次に議論するフォンノイマンの測定のように、 でてくる相互作用はユニタリーでなければならず、 対象に関するオブザーバブルAと器具に関する値を示すオブザーバブルBが 相関していなければならない。 合成終状態は、φ=Σci|ai>*ya(i)をもつ。 対象+器具と環境との相互作用はすぐにそのような相関を破壊してしまう。 測定であるために、結果は十分に安定した記録を構成しなければならない。 それゆえ、環境との相互作用は値を示すオブザーバブルを撹拌しないものでなければならない。 これは時間発展に対する条件である。 すなわち、プロセスを支配するハミルトニアンに対する条件である。 これにしたがってわたしの拡張条件は次のようなものである。 器具−環境相互作用を含むプロセスへと拡張する。 前に呼び慣わしたように系と器具をそれぞれXとYとし、環境をEとしよう。 全体の系はE+Y+Xである。そのプロセスは、次のハミルトニアンで決定される ユニタリー演算子Uに支配されている。 HEYX=HE+HY+HX+HEY+HYX+HEX 簡単にするために、次のように仮定した。 全ての相互作用はペアのみであるとした。 Zurekは次のことを仮定しさらに単純化した。 HEX=0 相関の状態に達したとき、器具と対象の相互作用がおわる。 重要な新しい条件は次のものである。 値を読むことは環境の作用によって撹拌されてはならない。 もし、この条件がBを一意に取り出したなら、終わったものと見做せる。 電荷などの測定の記録から、この一意性は両立可能性にたいして成立してなければならない。 両立可能性は推移的ではないから、それまでは次のことを除外しない。 Bと両立不可能なB'とHEYと交換する。 HEYが最大のオブザーバブルなら、このことは真ではない。 器具のヒルベルト空間のなかの最大のオブザーバブルBとB'たいしてですら、 HEYが最大のオブザーバブルでないなら、このことは可能である。 もし、HEYが知られていて最大なら、Aの測定のあらわれは、 (器具+対象)の適切な終状態のあらわれを通じて同定される。 このことは特筆すべきことではあるが、 Zurekの条件を測定相互作用の定義の一部とすべきではない。