手作りパンと私
パン工房へ戻る
私と、手作りパンの出会いについて、少しお話しましょう。
友人が、部活に、自分で焼いたロールパンを持ってきてくれたのが、始まりでした。
それが、美味しかったのかどうか、記憶にないのですが、
今まで、クッキーや、ケーキを焼くことはあっても、
自分でパンを焼くなんて、考えもおよばないことでしたので、
友人のパンは、大きな感動をもたらせました。
「そして、私も、あんな風にパンを焼いてみたい」と、気持ちが高まっていったのです。
私の住んでいたところでも、まだ、手作りのパンのお店は、少なく、
ほとんどが、大手パンメーカーのパンでしかありませんでした。
まったく、何から始めて良いのやら、どんなレシピで、作ろうとしたのか、思い出せませんが、
当時、電気オーブンは、ありましたし、コタツで、醗酵させたことは、覚えています。
こね不足、醗酵不足のパンは、大して膨らまず、イースト臭の残るものでしが、
それでも、「膨らむ」と言う醗酵のプロセスは、私にとって、とても魅力的なことでした。
学校を卒業し、社会に出て、結婚をし、一年おきに3人の男の子が生まれ、
しばらくは、家事、育児にと、パンのことは、忘れていました。
そんな時、別の友人の家で、再び出会ったのです。
彼女の焼いてくれたパンは、
手作りパン屋さんに、引けを足らない美味しいものでした。
自分で、こんなにも、美味しいパンが焼けるんだ。
それは、学生だったころのただ膨らめば良いと言うものではなく、
私も、「美味しいパンを焼きたい。」
という気持ちに、高まっていったのです。
本を買い、読みあさり、自己流で、パンを焼きました。
やはり、こね不足、醗酵不足、生地を乾かしてしまったり、
そのころは、オーブンレンジでしたので、温度調整を間違えたり、
レンジと、オーブンの切り替えを忘れたり、
やっと、焼きあがったのに、食パンの型から、抜かずに、居眠りをして、
金型の中で、蒸れて、しぼんでしまったりと、
我ながら、情けないほどの数かぎりない失敗を繰り返しました。
そこそこ食べれるパンが、出来るようになったころ、
私は、本屋さんで、「天然酵母のパン」と言う本に、出会いました。
それは、矢崎さき子さんのホシノ酵母でのパン作りの本でした。
紹介されていた本のパンは、いろいろな雑穀を混ぜてあったりするパンで、
とても香ばしそうに、並んでいました。
この「天然」と、言う言葉に、ナチュラル思考だった私は、
またも、気持ちを奪われてしまったのです。
でも、天然酵母のパンを私は、まだ一度も食べたことがなかったのです。
「天然酵母のパンは、きっと美味しいに、違いない。」と決め付けた私の思いで、
パン作りに、力が入りました。
実際、イーストなら、3時間以内で出来るパンも、
早くても、6時間以上の時間がかかりましたし、
ドライイーストのように、混ぜれば、良いと言うものではなく、
まず、パンを作り始める前に、48時間かけて、天然酵母を眠りから、
目覚めさせなくては、いけません。
この間の温度管理が、大変で、長くは、出かけられない、
まさに生き物を飼っていると実感するものでした。
この目覚めさせたホシノ酵母の生種を冷蔵庫で、保管するのですが、
その日の気分で、醗酵具合も、味も変わってくるのです。
これは、本を見ても、なかなか分かることでもなく、
かといって、教えてくれる人もなく、そこで、私は、
大学ノートに、日記のように書き記すとことにしました。(日時、天気、気温、レシピ、粉の種類、生種は、何日目のものなのか、
醗酵の温度、醗酵時間、何で醗酵させたのか、
作り方は、ストレート方だったのか、それとも中種子方だったのか、
焼き時間、感想などなど・・・)
大学ノートは、1冊半になりました。
何度となく、マイブームの中で、作ったり、やめたり、繰り返されたけれど、
この大学ノートのおかげで、久しぶりでも、1からのスタートにならずにすみました。
本を片手に、自己流であったせいか、イーストのやわらかさは、つかめなかったけれど、
イーストより、はるかに風味だけは、良いと思いました。
それが、さらにイーストのように、ふんわりしていたら、どんなに良いか。
そこまで、ふんわりしないのは、天然酵母のせいなのか、
私の腕のせいなのか、それも分からなかったんです。
だって、他の人のホシノ天然酵母のパンを食べたことがなかったんですもの・・・
実際、いまだに私は、食べたことがないんです。
最近は、自家培養の天然酵母のお店も、数は少ないですが、出来て、
レーズンだったり、オレンジの酵母だったり、イチゴだったり、
季節感のある天然酵母のパンが、お店に並んでいます。
それらのパンを作る場合のほとんどは、国産小麦使用で、
噛みごたえのあるパンで、ふんわりしたパンでは、ありません。
これは、好みの問題だと思うのですけれど、
私は、必ずしも、それを美味しいと思って食べたことがないのです。
今まで買って食べたどの天然酵母のパンにも、
あのホシノ天然酵母の風味は、ないのです。
まだ、出会っていないだけなのかもしれませんが、・・・
拓がお世話になった方から、近所で、パン教室を始められるから、
一度、基礎から、習った方がいいかもよ。と、紹介してくださり、
自己流の天然酵母のパンは、パンということで、平行して、
イーストのパンの教室に通うことにしました。
数え切れない種類のパンを習いましたが、
いつも、家で焼くパンの種類は、数種類と決まっていましたので、
レパートリーは、基礎さえしっかりしていれば、レシピがあれば広がりますので、
そこまでは、習う必要は、ないかとも思いました。
でも、楽しかったですよ、お知り合いも出来て・・
このころは、拓が、養護学校の小学部1年生。
やっと、朝だけは、バスに乗せてもらえるようになっていましたが、
帰りは、迎えに行かなくては、いけません。
教室で、パンが、焼けると、試食する暇もなく、お先に失礼しますと大慌てで、
学校まで迎えに飛んで行きました。
そこから、学校までは、車で1時間以上の道のりでした。
結局、イースト、天然酵母と繰り返し、ガーデニングに益々はまり、
ネットにはまり、HPを作ると、自然に、パンを作る回数が、減ってきました。
少し前に、村上祥子さんの「電子レンジで、パン作り」と言うテレビで特集を見ると、
なぜ、こねずに、レンジで、醗酵できるのかという疑問から、
またも、忘れていたパン作りへの意欲が、湧き上がってきました。
今までのように、一人コツコツとではなく、
ネットで、情報交換しながら出来るのですから、楽しさも、倍増です。
家族にも、園芸だけに力を注いでいるよりも、恩恵もあり、喜ばれます。
我が家は、家族6人、一度に、20個作っても、食事には、なりません。
おやつで、消えていってしまうのです。
でも、その分、買い置きのお菓子がなくても平気かな?
って、思えば、家族の健康管理にも、良いような気がします。
けっして、お菓子のように、甘いパンでは、ないのですから・・・・
そして、最近、目にする天然酵母「白神こだま酵母」の本を
読みふけっているこのごろです。
この話の続きは、白神こだま酵母のパンを焼いたら、
発展していくと思ってくださいね。
一言に、手作りパンと言っても、さまざまです。
自分に合った方法で、さあ、一緒に、レッツ、クッキング〜♪
パン工房へ戻る