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抜け毛の毛幹と毛根を見れば、その違いはひと目でわかり ます。毛幹が太く、毛根に丸みがあって付着がない場合 は、自然な脱毛。毛幹が細く毛根が萎縮しているのが、病 的な脱毛の特徴です。とはいえ、それを肉眼で正確に判断 するのは、なかなか難しいことです。気になるようなら、 やはり専門家に診断してもらうのがいちばん確実です。 |
毛髪は普通、2年から7年くらいの周期で、誕生→成長→ 休止→脱毛という、一定のヘアサイクル(毛周期)を繰り 返します。この周期を全うして抜けるのが自然脱毛、なん らかの原因で髪が成長しないうちに休止期に入り抜け落ち ることを病的脱毛といいます。病的脱毛には遺伝体質によ る男性型脱毛、ストレスによる円形脱毛、栄養不足による 脱毛、その他の原因による脂漏性脱毛があり、いずれも抜 けた毛は細く短いです。 |
1.自然脱毛
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一日50〜70本程度の抜け毛は生理現象 |
頭髪には、成長し終えて生えかわる時期を待っている毛が常にあります。正 常なヘアサイクルによって抜けていく自然な抜け毛は、一日50〜70本く らいが正常といわれ、身体の新陳代謝が活発になる春や秋に多くなる傾向が あります。自然な抜け毛の特徴は、太く成長しきった毛幹と、(休止期毛 の)丸い毛根をもっていることです。 |
2.遺伝体質による脱毛 |
男性型脱毛症 |
前頭部、及び頭頂部の毛が、しだいに細くやわらかくなり脱毛するのが男性 型脱毛症です。早ければ18才前後から抜けはじめ、30代後半で急激な後 退をはじめます。外見はよく似ていますが老化による老人性脱毛とは異な り、最近は、女性にもこの症状が多くみられるようになりました。 遺伝や男 性ホルモンの作用が原因だと考えられています。 皮脂の分泌が盛んなのも特徴のひとつで、頭皮に脂分がたまりやすくなりま すから、頭皮を清潔に保つことが基本的なケアといえます。次に育毛、養毛 剤を塗布したり、マッサージをするなど、頭皮を刺激して血行促進をはかる とよいでしょう。しかし根本的な治療法はなく、病気とも認められていませ ん。 |
3.何らかの原因での毛の栄養障害 |
円形脱毛症 |
年齢や性別に関係なく、突然円形、あるいは楕円形に脱毛することを、円形 脱毛症と呼びます。非常に多い脱毛症で、頭髪に限らず全身に及ぶこともあ り、大きさもまちまちです。 特徴は、短期間で大量の脱毛をみることと、毛根部が萎縮した状態を示して おり、成長期にある毛髪が、何らかの原因で栄養障害を起こし、脱毛したも のと考えられています。 原因はストレス説や抹消神経異常説、自己免疫説、アレルギー説などが唱え られていますが、はっきり解明されていません。単発性のものは、放置して いても7ヵ月ほどで治る例が多く、育毛剤、養毛剤の使用やマッサージなど で3〜4ヵ月で完治することもあります。何にしても病的な症状ですので、 自己診断せず、皮膚科医など専門家による診断と指示が必要です。 |
4.その他の原因による脱毛 |
脂漏性脱毛症 |
脂性のフケや頭皮のかゆみ、湿疹などの症状をともないます。頭皮が脂性の ため、微生物が繁殖しているのが主な原因で、毎日の洗髪、少なくとも二日 に一度は洗髪するようにしてください。殺菌作用のあるシャンプーも効果が あります。 |
5.女性特有の脱毛 |
産後脱毛症 |
妊娠によるホルモンの変化で、産後2〜3ヵ月のあいだに大量の脱毛をみる 場合があります。産後6ヵ月ごろから新しい毛髪が生え始め、約1年で自然 に完治しますが、症状が重いようでしたら医師に相談するとよいでしょう。 |
栄養不足による脱毛症 |
極端な低たんぱく食で栄養が不足すると、身体はまず毛髪への栄養補給を止 めて基礎体力の維持につとめようとします。女性に多い極度の食事制限によ るダイエットなどで、脱毛症状や髪質の悪化を招いているのもこの例です。 髪は栄養状態を示すバロメーター。髪に元気がなくなるダイエットは見直し が必要です。その際は自己診断をせず医師に相談すべきでしょう。 |