家庭内LAN配線工事マニュアル
1.作業の前に、まず次の点をしっかりと
  事前検討しておきましょう。


 (1) パソコンはどこの部屋のどの位置で
   使うのか。

 (2)センターとなる、モデムやハブをどの
   部屋に置くか。

 (3)使用する目的と、頻度は明確であるか。
  [例]
  ・ネットサーフィン&Eメール
  ・各パソコンとのデータ通信、
              プリンターの共用
  ・自宅を仕事場としたソーホ
  ・自宅WEBサーバー等

  (4)やり直しが起きないよう、利用する家族
   の意見を把握しておく。

2.必要な器材を用意します。

 (1) 各パソコンにはLANカードを用意します。

   使用する目的やパソコンに合ったものを用意してください。
   10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T,10/100AUTO,10/100/1000AUTO
   などのタイプがあります。

   10BASE-Tは10Mbps、100BASE-TXは100Mbps、1000BASE-Tは1000Mbps
   の通信速度(理論値)が確保出来ます。実行値は理論値の7〜8割が目安です。

 (2)ハブ。
   パソコンがMAX8台までなら8口タイプ1台で可能です。
   カスケード接続で、複数ハブで口数を増やすことが出来ます。
   (カスケード接続は、10BASE-Tで4段、100BASE-TXは2段まで可能)
   又、用途により10BASE-T,100BASE-TX専用のリピータハブや両用出来る
   デュアルハブ、及びコリジョン発生の起き難いスイッチングハブがある。

   最近では、より高速な通信を目指した1000BASE-Tのスイッチングハブを
   ネットワークに活用する例が増えてきました。

 (3)LANケーブル。

    一般的に市販されている、カテゴリー5のLANケーブルを使用すると
   10/100BASE両用出来ます。

   各部屋を配線出来る十分な長さを確保します。
   天井裏へ入り、配線が可能かどうかをチェックして下さい。

   10BASE-Tのケーブルの最長は、パソコン間の最大経路長で500mまで
   可能です。又100BASE-TXでは、205m、1000BASE-Tでは、100mまで可能
   です。配線する時は、1〜2mほど余裕を取るくらいで必要以上に長くしない
   方がトラブルが少ないようです。
   又、電子レンジやモーター等のノイズの心配される場合や、1000BASE-Tで
   高速通信を目指す時は、価格が2倍程と少し高価ですがアルミ被覆された
   シールドタイプのSTPケーブルが市販されていますので活用して下さい。


 (4)ローゼット。

   壁に差込口を付けるタイプ、壁から配線を出すタイプ等があり、工事
   内容により使い分けてください。

LANカード

ハブ

LANケーブル

ローゼット

3.配線工事。
 (1) ローゼット位置を決める。
   配線が邪魔にならないように、床に近い100Vコンセント口の空きを
   利用したり、近くに並べて配置すると作業性も良くなります。


 (2)取付け穴を明ける。
   隣の部屋から壁を貫通させて配線する時は、柱の無い位置を選び、
   ロングドリル等で貫通穴を明け、配線を通します。

   コネクタかしめ済の配線を使う場合は、13mm以上のドリル径が必要です。

   1階板壁の部屋の場合は、壁板を1枚分外して天井裏へ配線を通し、
   壁板を取り付け直す。

   1階クロス貼りの部屋や土壁の部屋では、直接天井に配線穴を明け
   て通します。

   2階部屋の場合は、壁に明けた穴から配線を下ろし、1階天井裏へ
   通します。


   大きな穴を明ける時は、ホルソードリルを使うと便利です。
   明けたい口の内側を、連続して穴明けしてくり貫くと作業が早く出来ます。

 (3)穴を仕上げる。
   平ヤスリで差込口の金具などが入るように四角く仕上げます。

 (4)配線を通す。

   配線を通す時は、少し太目の針金を通し、それに配線を結び付けて
   通すと作業がし易くなります。
(1)位置決め (2)取付穴明け (3)穴仕上 (4)配線通し

 (5)天井裏の配線。

   配線が複数の場合、配線の識別が出来るようにしておく。
   天井裏からは、壁の位置等が判り難いので、部屋の間取り・壁の
   厚み等を頭に入れて作業に掛かってください。
   又、天井に穴を明ける場合は穴の位置を採寸して作業する。


 (6)天井から配線を出す場合。
   ハブの置いてある部屋へ配線を出すには、壁の中を通す方法と、
   天井から直接
部屋の中に配線を下ろす方法があります。
   作業のやり易さと、見栄えにより選択して工事してください。

 (7)壁から配線を出す場合。
   電話線プレートを使用すると見栄え良く仕上がります。

 (8)配線にコネクタをかしめる。
   先端より10mmほど被覆をはがし細線をコネクタに通します。
   (ケーブルのツイストよりほぐしは13mm以下にして下さい)

(5)天井裏配線

(6)天井配線出し

(7)壁配線出し

(8)コネクタかしめ

 (9)一般的なコネクタ配線色は以下の様になっています。
   10BASE−Tのオス端子を正面から爪を下にして見たところ。
端子番号 L5 L6 L3(TB) L1(RB) L2(RA) L4(TA) L7 L8
線の色 茶&白 青&白 緑&白 橙&白

 (10)コネクタの接続

 (11)ハブへ配線する。

 (12)モデムに配線する。
   屋外イーサネットからの配線(業者にて)と、モデムとハブとの配線。

(9)コネクタ配線色

(10)コネクタ接続

(11)ハブへ配線

(12)モデムに配線

 (13)差込コネクタへの配線。
   コネクタ配線bニ同様に配線色を間違えない様に被覆を
   はがし差し込みます。

 (14)プレート枠の固定。
   プレート
金具に差込コネクタを入れて、かしめます。
   金具枠をねじで壁に固定します。

 (15)カバープレートを取り付ける。

 (16)板壁の完成例。

(13)差込配線

(14)プレート固定

(15)カバー取付

(16)完成


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