KT−88 PP
ウルトラリニア接続アンプ 製作:1989年3月
マッキントッシュMC−240で使用され、お馴染みとなったビーム出力管KT−88ですが、
オリジナルは、GEC社の球が使われており、ウルトラリニア(UL)接続で頓に有名となりました。
本機は、GECと同じUKのメーカー「M-OValve社」の人気の高いゴールドライオンを2ペアーで使用
し、KT−88のハイパワーと低域の迫力あるサウンドが魅力的な真空管アンプに仕上がっています。
本機でも採用しているウルトラリニア(UL)接続は、出力管にNFBをかける方式の一つとして人気が
あります。これは、出力トランスの一次側巻線にタップを設け、これをビーム管や5極管のスクリーン
グリッドに接続することによって、出力管のプレート側に向かって巻線比で44%のところにタップを
設け、プレート出力電圧の44%をスクリーングリッドに加えることで約20dB(無負荷の時)のNFBが
かかります。したがって、内部抵抗も20dB(1/10)に相当する低減効果があります。負荷が接続
されている場合は、3〜6dB(出力管によって異なる)のNFB量になりますが、等価内部抵抗の方は
無負荷時のNFBに相当する効果が確保できます。最終的には、これにメジャーループのNFBが
約14dBかかるため、この分で更に1/5に低減します。
本機に採用している出力トランス・電源トランスは、タンゴの特製手巻きトランスを使用しました。
[正面]
[内部配線]
[上面]
[裏面]
規 格 と 特 性 実効出力 55W 全調波歪率 0.5%以下 (55W、1kHz) 周波数特性 10Hz〜40kHz (−1dB以内、1W) 入力感度 約850mV 入力インピーダンス 100kΩ 残留雑音 0.5mV以下 |
GEC KT88 |
GOLD LION |
[高調波歪率特性]
[周波数特性]
[回路図]
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