「木曽路はすべて山の中である」木曽を訪れると、この文章が頭に浮かぶ。
藤村の小説のごとく、木曽は山に囲まれている。
藤村記念館は馬籠宿の真ん中にある。黒い冠木門(かぶきもん)をくぐると、正面の白壁に藤村の言葉を記した朱塗りの扁額がかかっている。冠木門の黒と白壁の白と
扁額の朱のコントラストに心打たれる。白壁の奥に何があるのか・・・・
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血につながるふるさと
心につながるふるさと
言葉につながるふるさと
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白壁の左には木を植え、人は自然に右手の記念堂に進むように設計されている。
入場券に『簡素』と、書が記されている。書のことを訊ねると、「藤村が好んだ言葉です」と、教えられた。
生家は江戸時代 本陣・問屋・庄屋の旧家で、明治28年の大火で焼失した。その後、地元住民の勤労奉仕により、その地に、谷口吉郎氏設計の藤村記念堂が建つ。
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