マイクロ精機 MR-422の
修復
2018.03.24 Katou@刈谷
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<MICRO MR-422>
MA-77mkUタイプのアーム
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<経緯>
・お寺大会のオークションにマイクロ精機のレコードプレーヤー「MR-422」が出品されました。
久々にアナログをやりたいと考えていたことから迷わず落札しました。(落札額は野口さん1枚)
50Hz仕様でしたので私が住む中部では使えません、MA-77MarkUタイプのアームだけ取外して別のDDターンテーブルと
組合せるつもりでした。
・自宅に持ち帰りアクセサリーボックスを確認したところ、なんと未使用の「60Hz用スピンドル」が入っています!
ひょっとして50/60Hz兼用機か?、細部を確認したところ周波数切替スイッチがあり兼用機と判明しました。
流石マイクロ!凝っています!
・ということで部品取りせず修復することにしました。
スピンドル(写真は60Hz用に交換後)
| 周波数切替スイッチ
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・60Hz仕様への変更
・先ずモーター軸に取付けられている50Hz用のスピンドルを取り外します。
スピンドル横のセットねじを付属のマイナスドライバーで緩め引抜くと簡単に外れました。
・次に60Hz用スピンドルを差込みます。
ところが途中で止まってしまい奥まで入りません。
内径を確認するとむしれが見られます。ドリル加工時に切粉を巻き込んだのでしょうか、意外に雑な加工です。
φ5ドリルを差込み軸方向に擦ってむしれを除去した結果、奥まで挿し込むことができました。
・次に周波数切替スイッチを60Hzに切り替えます。
・電源ケーブル製作とモーター試運転
・60Hzでのモーター回転確認のため電源を投入したいですが、コネクタケーブルが付属していません。
コネクタは最近使われない形状です、コネクタ・プラグを探してケーブルを製作するか直結にするかです。
出張の帰りに秋葉原で探したところ千石電商で適合するコネクタ・プラグを見つけました。
手前が製作した電源ケーブル。
・電源を投入するとモーターは問題なく回転しました。
・ベルト入手とテーブル回転確認
・ベルトも付属していないので入手します。
ターンテーブルのベルト掛け部直径がφ198ですからφ190程度のベルトが適切と思われます。
専門業者のHPを見ると・・結構なお値段です・・。
電源コネクタの件で千石に立ち寄った折にφ195✕幅5のベルトを発見!価格は326円、これを入手しました。
・ベルトを取付け33回転で回してみるとちゃんと回りました。
回転数を45回転に切換えるとベルトが切換えアームに接触し擦れます。
スピンドル取付け高さを調整したところ何れの回転数でも擦れなくなりました。
ベルトとアームが擦れない様スピンドル高さを調整。
・ストロボで回転を確認すると僅かにふらつきます。テーブル軸のグリスが硬くなっているのでしょうか。
1時間ほど回し続けると安定して回る様になり、良しとしました。
・信号ケーブル製作
・信号出力は60°等配5ピンDINコネクタです。このケーブルも欠品なので製作することにします。
プラグをネットショップで探しましたが見つかりません。共立エレショップでセンターピン付きの6ピンを見つけました。
センターピンを抜けば5ピンと同じ筈、これを購入することにしました。
手前が製作した信号ケーブル。
・交換針入手
・シェル付きでVF型のVF-3500カートリッジが付属していましたが、カンチレバーがありません。
交換針をネットショップを探たところJICOのページでVF-3200用を発見しました。
形状は同じ、たぶん使えると判断しこれを購入しました。
手前のドーム内がV-3200/5用交換針。
・VF-3500にVF-3200用の交換針(V-3200/5)を取付け音出ししてみると問題なく音がでました。
・電源投入ノイズと対策
・電源をON/OFFすると「ボンッ」っと大きな音が出ます。
信号コネクタ内でカートリッジからのコールド側配線をアースに接続したところ治まりました。
・アームレスト修復
・アームレストに取付けられていた筈のガイドとロック部材が欠損しています。
アルミ板から短冊状の部材を切出しレストを製作しました。
レストを上方に引くとロック出来ます。
・アームリフター調整
・リフターはきちんと動作しますが、上昇端が低くアームを持ち上げられません。
上部ウレタンが風化しその分低くなっています。適当なウレタン部材が手元に無く、とりあえずリフター本体を持ち上げました。
・外観修復
木部はクレのポリメイトで磨きました。
| 金属部はピカールです。
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カバーもピカールです。傷が深く綺麗になりません。
| へこんで歪んだ銘板も修復しました。
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・完成
・手元のベルトドライブMR-211と比較した結果、低域の締り・高域の透明感が一枚上です。良い買い物でした。