松下電器産業 QA-700型
2バンドスーパー(修復)
2016.08.27
Katou@刈谷
< 外観 >
(本機は13年夏のお寺大会に参考出品したラジオです)
< 背面 >
<マジックアイ・ダイヤル部>
<QA-700型ラジオ>
・1953年に発売された
松下電器産業製
オールウェーブスーパーラジオ
です。
オールウェーブと称しダイヤルデザインも一見5バンドの通信型受信機風ですが、実際は
短波の放送局所在地を複数記入しただけの2バ ンドです。
受信周波数はBC:535〜1605KHz+SW:6〜18MHz、使用球はST管の6W-C5,UZ-6D6,6Z-DH3A,UZ-42,KX -80BK,6E5の6球です。
大型20センチダイナ ミックスピーカーにトーンコントロールも付きで当時の価格は\19,800、高級機だったと思われます。
<入手の経緯>
・
国産アンティーク時計を捜す友人に誘われて名古屋で骨董屋巡りをしたところ、真空管ラジオが結構なお値段で販売されていることに気付きました。
大昔のカセドラルや縦型でちゃんと音が出る「完動品
??
」は
福沢さん数十人
!(◎_◎;) !ものプライスタグが付けられています。
木箱のST管スーパーやもっと新しい樹脂箱のMT管スーパーでさえ受信出来るものは数万円の値付けです。
・こんなに価値があるなら木箱のST管ラジオ等を修復し、
インテリア
として飾っても良し偶には
BLC
を楽しむのも一興かと思い入手することにしました。
骨董店には目ぼしい物がなくヤフオクを探してみると数多く出品されています。BLCなら矢張り2バンドのスーパーかなと思い比較的程度が良さそう
で未通電と説明された本機を4千円程で落札しました。
< 修復 >
・完全に分解し各部品を清掃後再組立てしました。
・バリコンは埃が酷く羽根も接触していたので分解・水洗・劣化ベアリンググリス除去交換し、再組立て後に羽根位置調整しました。
・バンド切り替えロータリースイッチは接触不良でしたが、接点復活剤吹付けにて回復し再使用しました。
・ブロックケミコンは漏れ電流が数mA有りましたが、印可電圧を24Vから徐々に上げ再生を試みた結果、最終的に230Vで0.5mA以下まで低下し
再使用することにしました。 但し出力管のカソードバイパスセクションは2mAまでしか低下せず使用を断念しました。
・オイルペーパーコンは蝋が溶け出しており全て交換しました。 抵抗は変色したものと値が15%以上変化(増加)しているものを除き再使用しました。
・アンテナ・OSCコイル、IFT、ボリューム、チタコン、マイカコン等は見た目問題無さそうなので再使用しました。
・電源トランスは通電確認し正常でしたが出力トランスは断線しており交換しました。
・木箱はスプレーニスで再塗装しました。 完成後、テスト・オシレータを接続し各コイルのトリマー、IFTのトラッキングを調整しました。
「背面内部」
裏蓋を開けた背面。 箱上は裏蓋です。
「シャーシ上面」
出力トランスを除きすべてオリジナル部品です。
「シャーシ内部」
抵抗は昔のL型です。コンデンサーは現行品に交換しました
。
「ダイアル糸掛け構造図」
長い指針が水平に上下する機構です。(写真は横向き)
< 回路図 >
裏蓋に貼られていた回路図
<使用感等>
・アンテナ端子に3m程の電線を接続し先ずBCバンドで名古屋の中波4局(当地から直線で約20Km離れたNHK第一・第二、CBC、東海ラジオ)
を受信してみます。 NHK第一・第二、CBCはS9、東海ラジオはS8位で入感します。(S値はマジックアイの感覚です)
・SWバンドに切り替え短波を確認するとラジオNIKKEI、北京放送、台湾国際放送等がフェージングしながらも最大S7〜8位で入感します。
糸プーリー式のダイヤルはバックラッシュも無くスムーズで同調は容易です。
・戦後のST管スーパーは中波・短波共に十分な感度で問題なく実用になることが分かりました。
安定度も良く中波なら一度合わせれば途中の微調整は不要です。
・箱の塗装は失敗しました。厚く塗ったためか凸凹になってしまいました(>﹏<)。 やり直ししようと思いますが先に腕を上げねば・・・。
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